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expoから2年

colos EXPO 2018から丸2年が経ちました。
あれほど大きく開けたファンイベントは初めてだった一方、仕組みとしての限界もあり、どうすれば次の会ができるのかずっと考えてきました。
この2年、Hagexさんの事件やATNDの終了など、ファンイベントを取り巻く環境は決して良くなったとは言えません。
そして本来なら3回目のcolos EXPOが開催されてもおかしくないのが2020年。
元々開催の予定はありませんでしたが、もう仕組みなんて関係ないくらい大きな情勢で開催は不可能な状態です。
EXPOは動いていなくても、他の動きはあって、そこそこ関わっているものから参加者程度のものまで、開催発表直前までいっていたものから構想段階のものまで、色々ありました。
それも全て流れてしまった。
いつ復活できるのかは全然見通せません。
これまで、組織体の薄い形で開催することで有志が誰でも主催になれるような姿をとってきました。
しかし、開催する際に様々な対策が必要となった現状、その緩さが壁になるようにも感じます。
LT大会とかはweb会議システム使ってできなくはないけれど、それは面白いのか、内輪にならずにできるのか難しいところです。
どうすればできますかねーって酒飲みながらわいわい話し合うくらいは早くやれるようになりたいな。

ブルーインパルスと花火と宇宙船

ブルーインパルスが東京の空を飛び、日本の各地で花火が上がり、みんなで同じ空を見上げて繋がろうという動きが続けて起きています。
そんな中でもっと高い空、宇宙ではスペースXの宇宙船が国際宇宙ステーションに到着したとのこと。

空って不思議な存在だなと思います。
海や山は身一つでも行けないことはないけれど、人間が空に行くには文明的な技術が必要です。
届かない場所への憧れっていつの時代もあるんですよね。
「ソアリン:ファンタスティック・フライト」なんかまさに空への憧れの歴史を見る博物館です。
今から100年ほど前、リンドバーグが大西洋を横断して、その憧れを抱いていたのが最初に作られたミッキーでした。
さらにその50年ほど前、1963年に世界ではじめての地下鉄がロンドンで開業します。
その前年、ルイス・キャロルは即興で「地下の国のアリス」というお話を作ります。
編集され「不思議の国のアリス」になりますが、不思議の国に行くために穴を落ちるのは元々「地下の国」だったから。
「地下の国のアリス」がアリスに贈られるため製本された1864年、フランスではジュール・ヴェルヌが「地底旅行」(センター・オブ・ジ・アース)を出版します。
どちらも、ロンドン地下鉄が開業するという時代の中で、新たに人間が到達しようとする「地下」という未知の空間にロマンを感じたものでした。

一般人も宇宙まで簡単に行けるようになるかもしれないという時代が近付き、これから宇宙へのロマンがさらに大きくなっていくのかもしれません。
そして本当に誰でも気軽に宇宙旅行ができる時代がきたら、宇宙へのロマンは薄れ、空へのロマンも薄れるのでしょう。
もしかしたら何百年も続いてきた花火を鑑賞する感情も、あと何十年で変わってしまうのかもしれません。

シナモンとプーが住む世界

続き

サンリオキャラクター大賞が始まりました。
シナモンの首位奪還を目指して毎日投票しましょう。
2020年サンリオキャラクター大賞

そういえば、サンリオのシナモンが好きになったのはTwitterからでした。
彼のTwitterでは、現実世界で雨が強い日はシナモンの町でも雨が降っていたり、風が強い日はシナモンも飛ばされていたりします。
自分の住む世界とシナモンの住む世界が繋がっているようです。
シナモンを好きになった頃から、「サンリオキャラは隣町にいそうな感覚があって好き」だと言っていました。

好きな風景と同じ構図だったんですね。
トロリーショーやボードウォークはファンタジーの隣町を作りそこに遊びに行けるようになっていますが、シナモンのTwitterはファンタジーが現実世界の隣町に引っ越してきてくれるようです。

現実世界とファンタジーの間にあるような世界にいたいんだと気付くと、ある言葉を思い出しました。
「さまざまな次元がゆるやかにオーバーラップした世界」
これは、プーの世界観について最も的確に表現していると思っている言葉です。

「有鄰」546号、英文学者の安達まみさんの「『くまのプーさん』生誕90周年に寄せて」より
“プーとはなにものなのか。複数の次元において曖昧である。なんといってもくまなのに、本物ではない。ぬいぐるみである。ミルンの息子クリストファーは、ハロッズで両親が購入したぬいぐるみのくまを与えられた。ところが、E・H・シェパードの挿絵に登場するくまは、このくまではなくシェパードの息子のくまらしい。さらに、物語でプーの兄貴分を演じるクリストファー・ロビンは、息子をモデルにしているが、クリストファーそのひとではない。生身のクリストファーとぬいぐるみの動物たちが、なかば現実の森でくりひろげる屈託のない遊びの世界とみえて、じつはそうともかぎらない。ほのぼのとした印象に包まれて、さまざまな次元がゆるやかにオーバーラップする物語なのだ。”

『プーと大人になった僕』でわかりやすく表現されていますが、100エーカーの森と現実世界は地続きながら別次元にあるのです。
僕はプーが好きですが、別に100エーカーの森の誰かになりたいわけではなく、それを見守る位の立ち位置が味わえるのがプーの魅力だと思っています。

好きな風景、好きなショー、好きなキャラクター。
全て「ファンタジーの隣町に住みたい」という気持ちに通じていました。

ファンタジーの隣町に住みたい

続き

最近イマーシブシアターが流行っているらしく、その話を聞きます。
イマーシブシアターは、ゲスト自身がテーマ性のある世界観の登場人物になり、物語が展開されるというもの。
でも、どうにも僕の中で魅力を実感できません。
頭の中では、これがテーマパーク的な方向性のたどり着く先なんだろうな、きっと理想型なんだろうなとは分かります。
しかし、どうも僕が体験したいことじゃない。
テーマパークは好きなのにイマーシブに心が動かないのはどういうことなのでしょうか。
つまり、物語世界の登場人物になりたいと思っていないんですね。

じゃあ何が好きなんだろうと考えていると、好きな風景がまとまってきました。

僕が好きな風景は、
・古典的な空間と現代的な建物が並ぶ
・古き良き街並みに人が住んでいて、その側にテーマパークの象徴があある
この2つを、自分の理想の居場所とファンタジーの世界に整理し直してみます。
1つ目では、古典的な空間がファンタジー、現代的な建物が居場所。
2つ目では、古き良き街並みが居場所、テーマパークがファンタジー。
場所の時代性が話をまどろっこしくしていましたが、どちらも理想の居場所とファンタジーの世界の関係になります。
2つをまとめると「ファンタジーの側に住みたい」のです。

ディズニーランドに住みたいとは思いますが、ファンタジーランドに住みたいのではなく、それを臨む場所に住みたいのです。
メインストリートUSAもボードウォークもテーマ化されたエリアですが、ファンタジーランドやEPCOTに比べて普通の人が住む街っぽさが強くあります。
そこがファンタジーの世界と隣町の違いです。
夢と魔法の空気を感じながら日常を送る心地よさがファンタジーの隣町の魅力なんだと思います。

ボードウォークとトロリーショー

続き

初めてウォルト・ディズニー・ワールドに行ったとき、Wishesやニモミュージカルにハマるのは前々から分かっていましたが、予想外にハマったものが2つありました。

ディズニー・ボードウォークとメインストリート・トロリーショーです。

ボードウォークはディズニー・ボードウォーク・イン周辺のホテルエリア。
湖を臨む古き良き水辺の遊歩道が展開されています。
対岸にはヨット&ビーチクラブリゾートがあり、湖はEPCOTとハリウッドスタジオを結ぶフレンドシップボートが通ります。
一度EPCOTからハリウッドスタジオまで船に乗ってみるといいよと勧められて軽い気持ちで乗ったのですが、一発でノックダウンされ、何度も船に乗り、ボードウォークをぶらぶら散歩するようにもなりました。
元々小型船が好きなのもありますが、浜辺や大きな難破船のあるビーチリゾートと和やかな商店街のような街並みが共存し、間に小型船が走る風景に完全に心を奪われてしまったのです。
そして、ここまで心奪われた大きな理由は、EPCOTのすぐ側にあるということ。
ボードウォークに行くためにバスに乗っていたらこんなに好きになってはいなかったと思います。
EPCOTとボードウォークは歩道で繋がっており、船でも移動できますが普通は歩いて向かう距離です。
この街並みのすぐ側にEPCOTがあると感じられることがまた心揺さぶります。

一方、トロリーショーは、マジックキングダムのメインストリートUSAで公演されるショーです。
メインストリートUSAの住人が、トロリーに乗ってやってきて歌い踊る小さなショーで、キャラクターは一切出てきません。
これも最初はショーリストに乗ってるなくらいの認識で、旅程終盤に暇になったので観てみるかくらいの気持ちでした。
トロリーショーは、ショーとして洗練されているわけでもなく、多くの人がやっているなーと横を通り過ぎるようなもの。
ディズニーランドに来たゲストに向けてショーを公演しているという感覚より、そこら辺に住んでいる人がふらっと出てきて歌い踊っているような感覚が強いです。
その分、出演者のメインストリートの住人感がすごいのが、ハマったポイントでした。
昔から聞いているメインストリートUSAのテーマソングがトロリーショーでも使われているのですが、「just around the corner is Fantasyland」という歌詞が流れたときに、トロリーショーに心を奪われたのです。
ファンタジーランドの隣町に住む人々が、キャラクターも魔法もないけれど楽しく踊り歌っている光景にハマりました。

ボードウォークもトロリーショーも、古き良き街並みに人が住んでいて、その側にテーマパークの象徴があります。
また好きなものの共通点が見えてきました。
前回まとめた好きな風景は「古典的な空間と現代的な建物が並ぶ」光景。
・古典的な空間と現代的な建物が並ぶ
・古き良き街並みに人が住んでいて、その側にテーマパークの象徴があある
見比べると近いような気がしますが、お互いが真逆な気もします。
近いような遠いような…

つまり何が好きなんだろう。

つづく

好きな景色

自分はどういう世界観が好きなのかについて、最近答えが見えてきた気がして。
何か決定的なことがあればそのタイミングでまとめたいと思っているのですが、とりあえず今のところを整理して覚えておくために書き綴っておきます。
まだぼんやり考えているので、最後まで結論にたどり着かない気はしています。
何回かに分けて書くことになると思います。

小学校の社会科見学で浜離宮恩賜公園に行ったことをすごく覚えています。
日本的な庭園の背景にビル群が立ち並ぶ光景は今でも思い出すほど強烈に印象に残りました。
このミスマッチさは違和感よりもむしろ安心感を覚えました。

10年ほどたち、自力で海外に行くようになり、パリの街を見ました。
パリの街並みは美しいのですが、何か足りないと感じるのです。
もちろん、パリの市街が好きじゃないわけではありません。
美しさを感じながらも、100点を超えることはない、一目惚れして心にどんと来るような景色ではなかったのです。
同時に行ったロンドンは予想以上に好きでした。
この差ってなんだろう。

ロンドンのテムズ川には様々な橋がかかっていますが、一番気に入ったのはミレニアムブリッジでした。
テムズ川からミレニアムブリッジ越しに見えるのはセント・ポール大聖堂。
メリー・ポピンズでおなじみの荘厳な大聖堂の前にかかるのはミレニアムを記念した現代的な橋です。

再びパリで凱旋門から市外の方向を見たとき、美しく街並みが揃った市内を見てきた中で急に安心感を覚えました。
東京やロンドンにあって、パリの完璧な街並みにないものはなんだろう。
そうぼんやり考えていたことへの答えが見えてきた気がしました。

伝統的な空間に、現代的な建物があるのが好きなようです。
それはミスマッチさや違和感が好きなわけではありません。
歴史と伝統が残る世界にも現代の暮らしを感じられるところが好きなんだと思います。
凱旋門から市外を見たとき、あ、パリも人が住んでるんだと感じました。
いや、パリの古くからの街並みにも現代の暮らしがあるのは分かっているんだけれど。

古典的な空間と現代的な建物を並べたくなる、この感覚はなんだろう、次はパークで好きな景色を並べてぼんやり考えます。