ミュージカル「ミーン・ガールズ」を観た

ミュージカル「ミーン・ガールズ」を観ました。ブリリアホールに行くのが初めてだったので、これ設計したやつ誰だよ感情はやっぱり芽生えましたが、それは置いておいて。
主人公は、アメリカに住む女の子。16歳でアメリカの高校に転校します。そこでスクールカーストの中に巻き込まれていくという、アメリカの学園者としてはよくある流れです。この作品が面白いのは、アフリカから来たという要素がただの文化の違う田舎という記号になっていないこと。アフリカでライオンや象たちの食物連鎖の世界を見てきた彼女がその視点でスクールカーストに向かっていくという構造が面白かったです。
音楽にもアフリカンミュージックが所々取り入れられていて、ミュージカル楽曲と融合する様子も、ストーリーと合っていました。ライオンキングやアニマルキングダムで聞いていた、アフリカ音楽っぽさの知識が役立ちました。
ストーリーは、基本的に彼女の周りで起きてきたことだけで進行し、一方その頃〜のようなサブストーリーはほとんど発生しません。その分主演が出ずっぱりで大変そうでした。
個人的に幕までセットが大きく変わる舞台が好きなのですが、この規模のセットで起きることはまずありません。そんな中、セットを変えるのではなく(ネタバレ避けでぼかしますが)そこを変えたかとなり、好きでした。
プロットが寄り道しないので、物語はかなりテンポよく進みます。序盤でこんな話になるかなと予想した展開は早々にそんな感じの場面を迎えてしまい、じゃあこれから何を描いていくのかというワクワク感もありました。ギャグなど笑えるシーンが多々あるのでそんな感覚はありませんでしたが、振り返ってみると結構詰め込んだ話になっているように思います。序盤で伏線ぽいたけれど尺的に回収できなさそうだなと思った部分までしっかり回収されていて、無駄のなさを感じます。
スピーディーに話がスイングしていく中でも一貫して描かれているのは、自分の素の姿で自分らしく生きていこうという強いメッセージです。ガールズパワーだけでなく、様々な属性のを持つ人をも巻き込んで自分らしく、生きることを表現していく姿は、非常に近年の作品らしさを感じました。
ピンクで着飾り学校で生き抜いていくパワフルなで、ハッピーなミュージカルは「キューティ・ブロンド」を思わせます。ミーン・ガールズで検索しても関連にキューティ・ブロンド出てくるし。「キューティー・ブロンド」は2019年に観て、本当に大好きな作品でしたが、もうあの姿ので観ることは二度とできなくなってしまいました。どうしてもそのことが心にもたれかかってきていう気がしていて。この1年、あまりミュージカルを見ていなかったように思います。今回、雰囲気から似た作品を観られたからこそ、それでもこの世は生きるに値するという強いメッセージを受け取れたように思います。救われた気がします。
主演の生田絵梨花さんは、一昨年、帝劇のレミゼで観たことがありましたが、ブリリアでも聞きやすく、そして何よりこんなに男性比率の高い客席は初めて見ました。

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