月別アーカイブ: 2020年7月

キャラクターはこの世界に寄り添うべきなのか

ピューロのプレ再開日に行きました。
屋内施設でショーやグリが中心のピューロはこのご時世での運営がなかなか大変です。
ショーは3つの代替ショーになり、グリーティングは行うもののキャラクターには触れないスタイルです。
キャラクターがマスクをつけているのは非常に特徴的です。

代替ショーは、絵本読み聞かせ、撮影会、ダンスショーの3つ。
絵本読み聞かせは、キティとシナモンが「青い鳥」を読み聞かせてくれます。
主人公が兄妹という話の構成上、シナモンがキティのお兄さん役を演じるという滅多にない展開。
他の登場人物も全てキティとシナモンの2人でこなすので、キャラクターの声で他キャラクターの声優をするという高度なテクニックが楽しめます。
しっかり絵本を読みながら話すキティに対し、絵本が持てないシナモンは全身で演じる憑依型俳優になっていて可愛かったです。

撮影会はキャラクターがKAWAIIポーズを教えてくれて、それをゲストが撮影するというショー。
キャラクターは毎回変わります。
無茶振りっぽいお題でキャラクターにポーズを取らせるなど、なぜかシュールコントっぽい雰囲気で進行されます。
最後にはKAWAII FESTIVALが流れ、ゲストもカメラを持ちながら片手で踊る高度な芸当を見せていました。
レクチャー無しでダンス踊るだけでパレード感を出せるのはミラクルギフトパレードの大きな強みです。

そして普段はレギュラーショーを行わないエンターテイメントホールでは「Go for it」というキティとばつ丸のショーを公演。
ダンスで元気になろうという趣旨のショーですが、最後の曲は沢山のキャラクターがビデオ通話で参加するという、今らしいスタイルで、最小限の人数しか出せないショーへの回答を行なっていました。

3つのショーを通して、家にいても、キャラクターと離れていても幸せを見つけられること、その見つけ方を教えてくれているように感じました。
「青い鳥」の物語をテーマパークで描くのは自己矛盾的ですらあると思います。
過去や未来のファンタジー溢れる世界に夢の旅に出るも、本当の幸せはそこではなく家にあるという物語です。
これを今語るということは、ピューロに頻繁に来られない状況で、ピューロに行かなくても幸せを見つけられるというメッセージに感じました。
KAWAII撮影会も単にキャラクターが可愛いポーズを取るから撮影してねというディスタンスグリーティングではなく、可愛いポーズを教えてくれる先生という設定で、ゲストが自分でKAWAIIを作れるようにという意図が見えます。
そしてGo for itは実際に多くのキャラクターがビデオでしか登場しません。
キティとばつ丸の2人しか出ませんが、その理由が経費削減のようでないものは誰もが分かっています。
2人しか出ないのはしょうがないという中で、たくさんのキャラクターが駆けつけるのは感動的で、初回は客席から感動の混じったどよめきが聞こえました。
会いに行けなくても繋がっていることを強く実感させられました。

逆にこれを感じなかったのがディズニーです。
ディズニーパークは「コロナのない世界」で、ゲストはその綺麗な世界にコロナを持ち込まないように楽しもうと言われました。
パークは常に完璧な理想郷で、そこへの逃避を(綺麗な世界を汚さないよう制限しながら)楽しめるようでした。
ディズニーキャラクターで外出自粛をする世界に寄り添ったのは、オラフの動画とSing Along番組のマペッツだけでした。
ではディズニーもサンリオのようにコロナのある世界に住めというかといえばそうでもなくて。
プーがEpcotでのソーシャルディスタンスグリーティングとして芝生で虫取りをしていますが、これはこれでいいと思います。
100エーカーの森はこの次元に無いし、プーが感染を心配しながら生活するのは違う気がする。
同じ世界にいて寄り添ってくれるパークと、綺麗な世界で逃避させてくれるパークと、両方あってゲスト自身の気持ちに合ったパークを楽しめるのが良いと思います。
ただ、これからの世界で多くの人に求められる世界観は、寄り添ってくれるものな気がしています。

昭和の完璧なアイドルから平成の会いに行けるアイドルへの変化があって、自粛中にはYouTubeやInstagramなどで自宅から配信する人が増えました。
別次元の存在から、会いに行ける距離になり、自分たちと同じように自粛を強いられている姿を見せる、寄り添ってくれる存在に変化しているようです。
キャラクターもまた、寄り添ってくれる存在が求められていく気がしています。

今からディズニーキャラクターが急に寄り添えと思っているわけではないし、その別次元への憧れみたいなものがディズニーの強さでもあると思うんですが、これからもその方針で大丈夫なのか勝手に心配になりました。

長崎スタジアム構想、スポーツは不要不急なのか

ジャパネットがバスケットチームを作ると発表しました。
長崎駅近くに計画中のサッカースタジアムに作るコートを拠点にするとのこと。
スタジアムの話は、今年2月にイベントEXPOの基調講演「『長崎スタジアム構想』から考える、スポーツ、ライブエンターテインメントを軸とした地域創生の未来」で聞きました。
海外のサッカースタジアムの事例が紹介されていて、スタジアムに併設した施設が市役所に図書館に体育館にボーリング場に映画館にリハビリ施設になんでも入っていて、図書館からはスタジアムが無料で見られると。
特にサッカーは年間でスタジアムを使用する日数が少ないため、残りの日数をどう集客し稼ぐかが重要なんだそう。
日本国内でのスタジアムシティは、東京ドームシティが成功した先行事例として挙げられていて、そのシティの中には遊園地も含まれています。
スタジアムシティ計画はスタジアムのテーマパーク化と形容されそうです。
しかし、スタジアムが特別なイベント会場ではなく街と地続きになる構想であることが印象的で、そこがボールパークとスタジアムシティの違いな気がします。
スポーツは遊園地やライブハウスより圧倒的に人気で、どんな真面目なニュース番組でもスポーツコーナーがあるほどの存在ですが、結局はエンタメの1ジャンルであり”不要不急“の存在であることが示されてしまった数ヶ月でした。
しかし街の一部になったスタジアムシティは、実際の試合ができるかは置いておいて、施設としてはどんなときも必要な存在になれるものだと思います。
その時にはもっと心の栄養としてのエンタメの必要性が地域の人々に浸透するのではないでしょうか。

夢と魔法の王国がある世界

7/1にランドに行きました。
2月までは主に抽選目的で割と頻繁に行っていて、下旬にUSパークに行き帰ってきたら休園していたので、だいたい4ヶ月ぶりです。
年パス買って以降4ヶ月行かなかったのはさすがにはじめてかな?

年パスでいつでもパークに行く権利がある日常はまだ戻ってきていないし、次また来るのは何ヶ月後かわからない、不思議な感覚でした。
アトラクションに乗りまくったけれど、ベンチでぼーっと日向ぼっこするのも気持ち良くて、自分が入れるかは別としてもパークが存在していることの大きさを感じました。
ピアリや浦安市内で汽笛の音が聞こえるような、夢と魔法の王国がこの世界に存在しているということ。
まだ20:30の時報はないけれど、魔法がある次元とこの次元との架け橋が戻ってきたような気がしました。

そんなことを考えていたら映画『フロリダ・プロジェクト』を思い出しました。
WDWの近くのモーテルに住んでいる親子の物語。
夢と魔法の世界はこの世界と繋がっているのか、考えさせられてしまいます。
また見直してみよう。