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 - 映画  - by poohya

実写版『チップとデールの大作戦』予告編公開

実写版『チップとデールの大作戦』の予告編が公開されました。
Disney+オリジナル映画で、5/20配信。日本は未発表です。

TVシリーズ「チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャース」の実写版映画です。
実写とアニメーションの合成になるくらいしか情報がない状態から、予告編を見てびっくり。
想像を遥かに超える攻めた内容の予告編でした。

予告編は、TVシリーズがヒットしていた時代からスタート。
テレビに映る「チップとデールの大作戦」オープニング映像と、テーマソング。
メタ的な視点であることがわかります。
チップとデールグッズが並ぶ部屋。日本のグッズも見つけられます。
そしてレスキュー・レンジャーの姿が登場。パーティーイベントのようで、実写の人間との合成映像が出てきます。
さらにロジャー・ラビットや3匹のこぶたが現れることで、わかりやすく「ロジャー・ラビットのような合成の世界観」であることが示されます。

映画のメインとなるのは、それから30年経った世界。
3DCGのデールが現れ、2Dアニメーションのチップとモンタリーに対して「CG手術をした」と言います。
危ないチーズが蔓延っている模様?で解決のために、レスキュー・レンジャーを再結成する話のようです。
チップとデールすら会うのは久しぶりのようで、その時点でモニタリーも登場。
予告編の途中にはお馴染みの飛行船にジッパー、さらに運転席にはうっすらガジェットの姿も見えるので、レスキューレンジャーは割と早めに揃うのかも。
ちゃんとレスキュー・レンジャーとしての活躍もありそうで嬉しい限りです。ダックテイルズ打ち切りしなければ良かったのに。

当時の写真として出てくるのは、レスキューレンジャーのメンバーとシンデレラ城。
さらに「ファンコン」というコミコンのようなイベントでは、インディ・ジョーンズなど他作品も登場。
そしてマイ・リトル・ポニーなど他社作品まで参加し、まさにロジャー・ラビットのような世界観です。
かなりカメオ出演と小ネタの多い作品になりそうで、昔の人気作品を配信向けに映画化する企画として非常に面白そうです。D23 Expoと時期被せれば良かったのに。

ただ単なる他社キャラカメオの小ネタ宝庫映画にとどまらないのが、実写合成映画としての新しさ。
冒頭でロジャー・ラビット的であることを示していますが、ロジャーから進化したのはCGがあること。
2Dアニメーションのロジャー対実写の人間という構図だったのが、2Dアニメーションのチップ、3DCGのデール、実写の人間と、間に段階ができています。
ロジャー・ラビットでも2Dアニメーションの人間が存在しましたが、今回はそれに加えて日本アニメ的な人間もいて、2Dも際立っています。
さらに最近の映画は、リアルなCGは「実写」に含めてしまい、人間が演じる実写映画でもCGが多用されています。
そんな中で2Dから「CG手術」を受け3DCGになるキャラクターは、アニメーションと実写の境界が曖昧になっている現代の合成映画として面白いポジションになりそうです。

2Dアニメーションと我々が住む3D世界の境界が曖昧になるのは、WDWにオープンした「ミッキーとミニーのランナウェイ・レールウェイ」で感じた体験で、このアトラクションは「2.5D」と呼ばれる仕組み。
アニメーション「ミッキーマウス!」のミッキーがマッピング映像で登場するものの、アニメーションのミッキーがそのまま立体化したようなアニマトロニクスも登場し、次元が曖昧になります。2Dにいるミッキーと、3Dにいるゲストが、「2.5D」にお互い歩み寄ってきたような体験でした。
この技術が今回の『チップとデールの大作戦』の世界観とうまく融合すると、既にすごい「ミッキーとミニーのランナウェイ・レールウェイ」が更に大化けしそうだと思いました。

「ミッキーとミニーのランナウェイ・レールウェイ」は、アナハイムではトゥーンタウンに建設中ですが、トゥーンタウンはロジャー・ラビットの世界観がベースになっています。
つまり、今回の映画とも世界観が非常に近いはず。
さらに「ガジェットのゴーコースター」もあるので、相性は抜群です。
ロジャー、レスキュー・レンジャー版ランナウェイ・レールウェイ、ガジェットと、2D×3Dの世界観で統一したトゥーンタウンになるのも面白そうだと思いました。
アニメーションのキャラクターがこの世界に存在すると感じさせるような世界観がディズニーランドにあれば、ギャラクシーズ・エッジなどのリアルな世界とはまた別の夢と魔法を与えられそうな気がします。
アナハイムのトゥーンタウンは違う方向でリニューアルが進行しているので、東京でいかがでしょうか。

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 - パーク外  - by poohya

劇団四季「美女と野獣」舞浜アンフィシアターで2022年10月から公演

ディズニーミュージカル『美女と野獣』 新たな演出で、舞浜アンフィシアターにて2022年10月開幕!|最新ニュース|劇団四季

劇団四季が舞浜アンフィシアターで「美女と野獣」を公演することになりました。
ディズニーが初めてミュージカルに進出した作品である「美女と野獣」。
日本でも劇団四季により各地で公演されてきましたが、東京ディズニーリゾートで長期公演が行われます。

発表会見はディズニーアンバサダーホテルでおこなわれ、劇団四季に加えOLCも登壇。
偶然にも両社の社長が吉田さんでした。
今回は、OLCから劇団四季に声を掛けて実現したとのこと。
ミュージカル版「美女と野獣」は実写映画要素を混ぜたアップデート版などバージョン違いが存在していますが、今回は上海ディズニーランド版を導入。
ベルのソロ「A Change in Me」などが追加される一方、上演時間は30分程度短くなるそうです。
また、舞浜アンフィシアターはその名の通り半円型の劇場ですが、一部座席を潰してプロセニアムを建て、ステージを横長に拡張するとのことです。
舞浜アンフィシアターのHPでは、「舞浜アンフィシアターは劇団四季の長期公演開催に伴い、2022年6月以降、新規の予約受付を休止させて頂きます。」と記載されており、公演の4ヶ月前から準備が行われ、無期限ロングランとして始まるようです。

単発イベント箱から長期公演劇場へ

舞浜アンフィシアターは2008年10月「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」としてオープン。
オリジナル演目「ZED」の専用劇場として、公演が行われていました。
しかし東日本大震災での休演、学校団体の減少を受け、2011年末で終了。
その後、舞浜アンフィシアターとして箱貸し業に転換し、2,000人規模の会場で都心からの距離に対して安めの価格設定と、割と人気の会場になっていました。
ディズニーと無関係な公演がほとんどですが、D23 Expo Japanや年末のディズニー・オン・クラシックなどディズニー関連のイベントも行われました。
今回OLC側から動いたということで、かなり割引して貸すことが想像できますが、不安定な箱貸しよりもロングラン公演でディズニーコンテンツを行う方が良いと判断したのでしょう。

パークとのセットチケットも構想

そもそも東京ディズニーリゾートにシルク・ドゥ・ソレイユを誘致したのは、日帰りゲストが多いことに対して「滞在型リゾート」を目指していたためで、パーク+シルク・ドゥ・ソレイユで2,3日滞在してもらうことを狙っていました。
しかし、日本でディズニーとシルクの親和性を見る向きは少なく、観劇のために1日費やす文化もまだなく、目論見はいまいち達成できず。
終了理由にも挙げられていましたが、結局学校団体鑑賞(つまりパーク関係なく日帰り)に支えられている形でした。
末期にはZEDのチケット+1,000円(マチネ)や+500(ソワレ)でパークに入れるプランも導入していました。
今回、「美女と野獣」でもパークとのセット販売の構想もあるそう。
テコ入れ策ではなく最初から計画しているということは、ワンデーパスポート+観劇チケットというしっかりした枠組みや、あるいは「美女と野獣“魔法のものがたり”」乗車+観劇のバケーションパッケージといった枠組みが考えられます。
ディズニーの中でも「美女と野獣」という非常にわかりやすく近年の東京ディズニーランドと相性が良いコンテンツになり、パターンの選択肢は増えそうです。

ついに実現するか「滞在型リゾート」

シルク誘致時に誰もが頭によぎった「それ劇団四季呼べば良くない?」が巡り巡って実現したのは、震災とコロナで各エンタメが大ダメージを受けた結果というのも皮肉な話ですが、TDRの構成変化としてのインパクトは「ファンタジースプリングス」レベルでしょう。
これでランド+シー+劇団四季という2泊3日コースができれば、「滞在型リゾート」が本当に実現する可能性も感じます。
やたら便利な商店街になりつつあるイクスピアリ、ベイサイドステーション側で充実するホテル群と、数年前からは想像できなかった姿になっているTDRに対し、大きなインパクトになりそうです。
パーク+1日というリゾートになった時、2時間強のミュージカルに何をプラスして1日にするのか、各ホテルやイクスピアリが動くでしょうし、さらなる開発が起きるかもしれません(シネマイクスピアリにIMAX作ってほしい)。
当面はパーク2.5日+ミュージカル0.5日というスタイルを目指すことになりそうです。
となると10月までには複数日のパークチケットを復活させ、3,4日の「マジックパスポート」(3日目以降のパークホッパーチケット)を再開させておきたいところ。
ファンタジースプリングスがオープンしたら、シーは1.5日が一般的なプランになるかもしれません。

ところで、「美女と野獣」がロングランになれば、東京周辺で行われる劇団四季のディズニーミュージカルは「ライオンキング」「アラジン」「アナと雪の女王」「美女と野獣」と4本が同時にロングラン上演されている状態になります。
日本はディズニーパークだけでなく、コンサートや展覧会などディズニー関連イベントの多さが世界でも特殊な量になっていますが、ミュージカルとしても東京が世界最多の都市に。
さらに2022年は「メリー・ポピンズ」と「ノートルダムの鐘」が渋谷と横浜で公演があり、しかもブロードウェイやウエストエンドとも違いパークもある、異常なディズニー都市になっています。
あとはディズニークルーズラインが来れば完璧です。来い。

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 - 海外パーク  - by poohya

マジックバンド/パワーアップバンドをかざしてパークアプリを起動する(iPhone用)


ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのMagicBandにiPhoneをかざしてMy Disney Experienceを起動
or
スーパー・ニンテンドー・ワールドのパワーアップバンドにiPhoneをかざしてユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式アプリを起動します

バンドとアプリが重要になったWDWとUSJ

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは腕時計型の「MagicBand」が2013年から導入され、パーク入園やホテルのルームキー解除は全てMagicBandをかざすだけで行えます。
一方、近年WDW公式アプリ「My Disney Experience」の重要度は増しており、MagicBand同等のかざすだけでパーク入園機能などが搭載されています。
さらに非接触を追求した結果、アプリがないとショースケジュールも確認できず、食事も買えない(モバイルオーダー必須店がある)状態です。
MagicBandもアプリに吸収されていくのかと思いきや、MagicBand+の新登場が発表され、MagicBandをつけてパークを楽しむ姿はしばらく続きそうです。
というわけでWDW滞在中は常にMagicBandを装着していますが、アプリを開く頻度も急上昇しています。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは2021年に「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープン。
このエリアでは「パワーアップバンド」を装着していると、様々なアクティビティでコインやスタンプが貯まり、USJ公式アプリで累積結果が確認できます。
パワーアップバンドはエリアを楽しむ際に常に装着しておきたいアイテムで、さらにUSJ公式アプリの重要性も急上昇しました。

アプリを楽に起動したい

MagicBandとパワーアップバンドは常に腕につけており、かざしたり見せたりするのもすぐ簡単に行えます。
しかし、公式アプリはたびたび起動する機会が訪れるとしても、アプリをホーム画面からすぐアクセスできる場所に配置している人は多くないでしょう。
いちいちアプリを起動するための動作が面倒です。
そこで、腕につけているバンドを使ってアプリが起動できれば、楽にアプリを使えるのではないでしょうか。

やること

WDWのMagicBandとUSJのパワーアップバンドはどちらも似たような仕組みで、NFC(近距離無線通信)を使用しています(Suicaとかと同じ)。
iPhoneは7以上の端末でNFCの読み取りに対応し、Suicaをかざして残高表示などができます。
さらに、「ショートカット」アプリを使用すると、NFCをかざして特定の動作を起動というノーコードプログラムが組めます。
これを利用して、「MagicBandにiPhoneをかざすとWDWアプリを起動」を実現できます。
腕につけているバンドにiPhoneをかざすだけでアプリが起動するので、アプリを探してタップする手間を省けます。

ショートカットの作り方

参考:iPhoneまたはiPadの「ショートカット」で新規パーソナルオートメーションを作成する – Apple サポート
まずiPhoneで「ショートカット」アプリを起動(Apple純正の無料アプリですが入っていなかったらダウンロード)。
下のメニューから「オートメーション」をタップ
「+」で新規オートメーションを作成
「個人用オートメーションを作成」をタップ
「NFC」をタップ
「NFCタグ」の「スキャン」をタップ
「スキャンの準備ができました」と表示されたら、iPhoneの背面(カメラの下辺り)にMagicBandやパワーアップバンドをかざす
スキャンができたらタグに名称を付ける(「MagicBand」とか自分が判別できる名前)
「次へ」
「アクションを追加」から「Appを開く」を選択(「次のアクションを選択」でリコメンドされている場合もあります)
「Appを開く」の「App」の部分が青色になっているので、その部分をタップ
アプリ一覧が出るので、起動させたいアプリ(「Disney World」や「USJ」)を選択
「実行の前に尋ねる」をオフにする(オンでも動作しますがワンクッション入ります)
完了

これで、アトラクションの待ち時間を見たいのにうっかりTwitterを開いてしまう状態も防げます。

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オリジナルの「プー棒投げ橋」約2000万円で落札 今後100エーカーの森で展示か


落札されたプー棒投げ橋(ポージングフォード・ブリッジ)が完成した当時(1907年頃)の写真

「プーさんの橋」競売、2000万円で落札 英 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
Winnie the Pooh: Poohsticks Bridge sells for more than £131k – BBC News

「プー棒投げ橋」として知られる橋が競売にかけられ、13万1625ポンド(約2000万円)で落札されました。
サマーズ・プレイス・オークションズによると、予想落札額は6万ポンドほどで、予想の倍の価格になったそうです。

日本語ニュースがやや誤訳気味なのですが、今回落札されたのはオリジナルのプー棒投げ橋。
現在アッシュダウン・フォレスト(100エーカーの森)にかかっているプー棒投げ橋ではありません。
プー棒投げ橋が架け替った経緯は昨年書きましたが、今回のは1907年に建設された橋です。
「プー棒投げ橋」の危機—クリストファーとディズニーを動かした聖地の歴史|舞浜横丁

ポージングフォード・ブリッジとしてアッシュダウン・フォレストに1907年に架けられた橋は、1925年からクリストファー・ロビン・ミルンの遊び場になりました。
この橋をモチーフにA.A.ミルンが「クマのプーさん」でプー棒投げの舞台として登場させ、後にプー棒投げ橋と呼ばれるようになりました。
橋が架けられ70年経ち、観光客が増えたことで老朽化が進み、1979年に修繕を実施。
しかし老朽化の進行は避けられず、2000年に完全な架け替えが行われました。
ちなみに架け替え費用は3万ポンドとされており、今回の落札額の4分の1以下です。

この架け替えの際に、元の橋が保存されており、これが今回落札された橋です。
元の橋はケント州のペンズハーストに移築され、所有者Mike Westphalさんはケント州のオーク材で修復を行いました。
そしてこれが競売にかけられ、De La Warr卿が購入しました。
De La Warr卿はバックハーストパークを所有する貴族です。

落札者が所有するバックハーストパークは、元々プー棒投げ橋があった場所のすぐ近く。
アッシュダウン・フォレストに隣接しています。
De La Warr卿が先祖代々1076年から900年以上にわたり所有している土地で、現在は邸宅と牧場などがあり、一般公開も行われ、結婚式などにも使用されています。
落札したDe La Warr卿の父、第10代De La Warr卿(故人)は、1921年生まれ(クリストファー・ミルンの1歳下)で、クリストファーやプーと一緒に遊んだこともあった人物だそうです。
プーとプー棒投げ橋に対して非常にゆかりの深い場所とそこを所有する貴族の系譜であることがわかります。

落札されたオリジナルのプー棒投げ橋は、バックハーストパークに移設される見込みで、プー目当ての観光客を誘致する目的としても購入する価値があったのでしょう。
オリジナルのプー棒投げ橋は、アッシュダウン・フォレストを訪れる観光客に新たなプーの聖地をもたらしてくれることでしょう。

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 - 海外パーク  - by poohya

「Disney Enchantment」ゲストの魔法を呼び起こす マジックキングダムを体現するショー


ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのマジックキングダムで新たな夜のショー「Disney Enchantment」(ディズニー・エンチャントメント)がスタートしました。
ショー内容のネタバレを含む感想です。

ウォルト・ディズニー・ワールドの存在意義を改めて示す「Magic」

Disney Enchantmentが始まる前、シンデレラ城が輝くA Beacon of Magicが20分おきに公演されています。
この初回公演は昼間の日光を受けた輝きから夜のプロジェクションマッピングによる輝きに変わる点灯式のような扱いで、アナウンスがやや長くなっています。
ここでは、明らかに「Fantasy in the Sky」「Wishes」「Happily Ever After」とこれまでのシンデレラ城での花火がセリフに含まれており、50年間のシンデレラ城での魔法が語られます。
Happily Ever Afterでは、ディズニーのたくさんの物語を見ていき、ゲスト自身のHappily Ever Afterを探そうと語られました。
その後、ディズニー作品ではHappily Ever Afterのその後、Life After Happily Ever Afterを探していました。
関連:2010年代のディズニー・プリンセス像 「Find Your Happily Ever After」から「Life After Happily Ever After」へ|舞浜横丁
そこまで達した後に語られたのは「Magic」。
ウォルト・ディズニー・ワールドは元々「The Most Magical Place on Earth」と謳っており、そもそもこのパークはディズニーランドではなく「マジックキングダム」という名前であり、50周年はその原点を掘り下げるアニバーサリーとして「Magic」を取り上げています。
一方アナハイムでは2020年からパレード「Magic Happens」がスタートし、Dreamの多かったディズニーパークがMagicに移行してきています。
夢は誰もが持って叶えるものとして分かりやすいですが、魔法は魔法使いによるもののイメージが強く、ゲスト自身の体験にしにくいものがあります。
しかし、現実社会を反映する姿勢が強く見える最近のディズニー作品でも、魔法を扱う作品は多くあります。
魔法とは、夢を叶えるための手段であって、本当は誰もが扱えるものなのです。
Magic Happensでは、これを現代の作品と古典作品を繋ぐことで表現していると感じました。
関連:魔法を再定義する「Magic Happens」の凄さ|舞浜横丁
Disney Enchantmentでも、このメッセージがより強く出ています。
オープニングから古典から現代までの魔法使いたちが次々と魔法をかけていき、ヴィランパートに移るのもエルサ、そして闇からの復帰はモアナが担います。
シンデレラ城の輝きは中央の50周年モニュメントから発せられていますが、そこに石を返すことで、魔法の根源が「心」なのも表しています。
そのメッセージはテーマソング「You Are the Magic」で歌われている上にセリフでも語られます。
Wishesが好きな身としてはHappily Ever Afterでも説明的だなと感じていたので、今回ちょっとセリフで説明しすぎだろうとは思いますが。
とはいえ、どうしてThe Most Magical Place on Earthがこんなにマジカルなのか、ウォルト・ディズニー・ワールドの存在意義を改めて示す良いショーだと思います。

新導入メインストリートUSAマッピングの位置付け

Happily Ever Afterは5年ほどで終わってしまい、過去の花火に比べると短命でした。
ディズニーが伝えるメッセージがどんどん先に進みFind Your Happily Ever Afterすら古くなっている面もありますが、最近はマッピング映像が粗く感じることもあり、技術の進歩に対してアップデートを余儀なくされたのかなと思います。
A Beacon of Magicでも現れていますが、マッピングの色彩は非常に美しくなっています。
オープニングのフローラフォーナメリーウェザーやフェアリーゴッドマザーはとても綺麗。
そしてマッピング面で大きく進化したのは、マジックキングダムで初導入された、メインストリートUSAでのマッピングです。
アナハイムのディズニーランドをはじめ、他パークでも導入済みですが、マジックキングダムのやり方は少し異なりました。

そもそも、アナハイムではお城のサイズが小さく、マッピングを見られる人数が限られます。
そこでメインストリートUSAやイッツ・ア・スモールワールド、アメリカ河のファンタズミック!会場でもショーが行われます。
一方マジックキングダムでは、スモールワールドの壁もファンタズミック!会場もありません。
代わりに大きなシンデレラ城があり、ハブも広いため、シンデレラ城が絶対的なメイン会場となっています。
メインストリートUSAの観客も、シンデレラ城のマッピングははっきり見えたうえで、メインストリートUSAのマッピングも見るわけです。

広範囲から見やすいショーに

このマッピング領域について、Disney Enchantmentは東京のマッピング方式も取り入れています。
お城の右上を利用した表現です。
東京ディズニーランドのキャッスルプロジェクションでは、お城の中央をメインの場面にしつつ、右上で追加の表現を行っています。
これは遠くからでも上部のマッピングなら見られるため、多くの人に今何を表現しているのかが伝わります。
さらに、各パークのマッピングでは、ショー前にお城の通路部分に幕を下ろして投影しやすくしています。
この部分は幕なので平面になり、投影が綺麗に見えやすい場所なので、安易に活用しがちです。
それプロジェクションマッピングじゃなくてただのスクリーン上映じゃね?というのを置いておいても、低い位置のマッピングは見えにくい。
Disney Enchantmentではこの点にも配慮し、多くのキャラクターが幕よりも上に登場します。
オーロラ姫のダンスなど、下部を水面にしてダンスを鏡写しにしており見事です。
このように、メインストリートUSAからでも格段に見やすくなっています。

さらに、マジックキングダムのお城は、左右の塔が広く、ここもマッピング領域として活用されています。
お城の近くで見ると、左右まで視界全体にマッピングが広がり、全球スクリーンの中にいるような感覚に陥ります。
ピーター・パンと空を飛ぶシーンなど顕著です。
この視界いっぱいに広がるマッピングこそDisney Enchantmentの大きな特徴だと思います。

没入感のあるマッピング

Disney Enchantmentはシーン毎にディズニーソングが流れ、それぞれテーマに沿ってディズニー作品が投影されていきます。
ここで、場面ごとにテーマカラーが設定されており、全体の色合いが次々に変わっていきます。
マッピングの色彩が非常に活かされています。
左右の塔や木々までテーマカラーを利用して没入感を高めてくれます。
花火もそのカラーに合わせて打ち上がるため、視界の左右だけでなく上部にも波及。
花火が単なる賑やかしではなく、視界全体に広がる世界の大きなパートを占めています。
ミゲルがギターを鳴らすと一気にマリーゴールドのカラーに包まれるところとかすごい。
また、シーンの切り替え時に花火の余韻まで計算されたマッピングになっているのも見事です。

そして、メインストリートUSAのマッピングも、この左右への波及効果をもたらすために利用されています。
序盤はメインストリートUSAへのマッピングが行われず、あくまでシンデレラ城の補助であることがわかります。
そして、シンデレラ城の色彩が波打つようにメインストリートUSAへと波及していき、マッピングが始まります。
シンデレラ城でのメインシーンは見やすくなりつつ、没入感を左右のメインストリートUSAがもたらしてくれているのです。

そして、A Beacon of Magicからシンデレラ城に輝きをもたらしていた光の粒が、フィナーレにして一気にお城を駆け上がり、ティンカーベルとして飛び出します。
Happliy Ever Afterでもフィナーレに向けてYou Can Flyからの見事な盛り上がりを見せてくれましたが、今回もショー前からの輝きを一気に昇華させるような演出。
そしてティンクのピクシーダストで一気にシンデレラ城が黄金に輝き、その輝きが塔やメインストリートUSA、視界全体に波及していきます。
まさに魔法に包まれた感覚です。
マジックキングダムを訪れたゲストを包み込んでくれるシンデレラ城の魔法は、誰もが心に持っている魔法を呼び起こしてくれるもの。
The Most Magical Place on Earthを体現するショーでした。

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