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「 東京ディズニーリゾート 」 一覧

ファンタジースプリングス開業前に振り返る「北欧エリア」とはなんだったのか

いよいよ2024年6月6日にファンタジースプリングスが開業します。
東京ディズニーシー開業以来初の新テーマポートです。
第8テーマポート計画は発表から10年。
10年前に示された第8テーマポート計画「北欧エリア」とはなんだったのか、振り返ってみましょう。

10年前の拡張計画

10年前の2014年4月、OLCは中期経営計画として「2023ありたい姿」を発表しました。
この中で、ランドはエリア一新、シーは拡張用エリア活用に言及した大規模投資を掲げました。
半年後、10月には、ランドでファンタジーランド拡張、シーで第8テーマポートを作ると具体的な投資計画を明らかに。
当時のファンタジーランド拡張は、イッツ・ア・スモールワールドをスペースマウンテン横に移設し、スモワ跡地にアリスを作るというもの。その後変更され美女と野獣エリアのみが当時の計画を残しています。
シーの第8テーマポートは、ロストリバーデルタ横(南側)の空きスペースに開発を予定していました。
このテーマポートが2015年5月、北欧をテーマにした『アナと雪の女王』を中心としたエリアになると発表されました。
イメージアートまで公開され、北欧エリア計画が明らかになったのでした。

北欧エリアがファンタジースプリングスに進化

しかし、2016年4月に計画が撤回されます。
第8テーマポート中止の代わりに発表されたのがソアリンでした。
北欧エリアの大きさは「アラビアンコーストと同程度」です。
開発中止は、もっと広い用地でアナ雪の展開を目指すためとされました。
これが後のファンタジースプリングスに繋がっています。
2018年6月に場所を動かし、アナ雪にラプンツェルとピーターパンを加えた新たな形で第8テーマポートを発表。
当初は2022年オープンでしたが、遅延し、ついに2024年にオープンします。

アナ雪エリアは香港へ

一方、東京が北欧エリア計画を撤回した半年後、2016年11月に今度は香港ディズニーランドが拡張を発表。
お城の増築やマーベルエリア(結局立ち消え)などが発表されると同時に、アナと雪の女王エリアも発表されました。
当初は2020年オープン予定でしたが、結局2023年11月に「ワールド・オブ・フローズン」としてオープンしました。
香港のアナ雪エリアは、当時からイメージイラストが北欧エリアと類似していると指摘されており、サイズ感もほぼ一緒。
東京の北欧エリアがそのまま香港にスライドしたのではと噂されています。

北欧エリアの模型が明らかに

ようやく香港にアナ雪エリアがオープンし、紆余曲折を経てシーにもアナ雪エリアがオープンしようという中、2023年末に突然、幻の北欧エリアの模型が姿を見せました。
ディズニーのメイク・ア・ウィッシュ活動で、イマジニアリングを訪れる様子を紹介したYouTubeの動画(8秒あたり)。
途中に映っている模型が、東京ディズニーシーの北欧テーマエリア計画のものっぽいぞと話題になりました。
っぽいというか、どこからどう見てもシーです。

北欧と香港 エリア構成の違い

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2015年5月に公開された第8テーマポートのイメージアート

香港のアナ雪テーマランドは、アレンデール城下町と森の大きく2エリアに分かれています。
北欧エリアも同様の2エリア構成です。
森エリアの建物の1つに、水色の看板がかかっており、これがEPCOTのFrozen Ever Afterのようにも見えます。
大きく、アレンデールの街並みを楽しむエリアと、アトラクションエリアに分かれていたようです。
北欧と香港の大きな違いは、アレンデール城とノースマウンテンの位置です。
北欧エリアでは、城-街-ノースマウンテン-森。
香港では、ノースマウンテン-街-城-森。
香港は森エリアにオーケンのアトラクションがあり、本来ならノースマウンテンもオーケン側にあるものでしょう。
北欧エリアでは、その点ノースマウンテンと森が一体となっており、アナ雪のストーリーに沿っています。
なお香港は、計画発表時にはまだ存在しなかったアナ雪2のストーリーが加わったことで、森エリアがうまいこと成立しています。


北欧エリア模型(YouTubeキャプチャ)

ここで北欧エリア模型を見てみると、ノースマウンテンがかなり高い山にそびえていることがわかります。
隣のインディ・ジョーンズよりもはるかに高い。
山の下にボートライドの施設を入れているのでしょう。
そして、山をかさ増しすることで、その奥にあるオフィシャルホテルを目隠しする役割もありそうです。
香港では背後を目隠しする必要がないため、山は低くなり、ボートライドもアレンデール城側に移したようです。
Frozen Ever Afterのストーリーとしては、アレンデール城側にある方が綺麗です。

エレクトリックレールウェイ延伸?

北欧エリア模型でもう一つ注目されたのが、ポートディスカバリー側でした。
開発発表のアート時点で、ポートディスカバリー側(スカイウォッチャー・スーヴェニアのあたり)も北欧っぽくなっていることが伺えていました。
模型ではさらに、エレクトリックレールウェイの線路が延伸されているように見えます。
どうやら、エレクトリックレールウェイを延伸し、北欧エリアの入り口に新たな駅を作ろうとしていたようなのです。
衝撃。
エレクトリックレールウェイの駅ということは、駅舎は最低でも2階建てになります。
これは逆に北欧エリアからポートディスカバリーを見た時の目隠しになりそうです。

香港アレンデールの美しさ 原点は舞浜に?


香港のアナ雪エリアを訪れた時の印象は、景色の美しさでした。
アレンデール城が水に反射する景色や、山との一体感が印象的でした。
香港といえば、パークの後ろにそびえる本物の山が印象的(邪魔)でしたが、眠れる森の美女の城を増築することでその問題を解消。
アナ雪エリアでは、アレンデールの森の後ろに山があることで、一体となっているように感じました。
実際、借景を利用して本物の山とアレンデールの森の景色を作っているそうです。

このことを思い出しながら模型を見てみると、香港の景観作りも元は北欧エリアだったのではと思えてきました。
イメージイラストでも描かれていますが、アレンデール城の後ろには海があります。
北欧エリアでは、手前にスチーマーラインの通る海があり、そして後ろには東京湾があります。
東京湾の借景こそ、シーのお家芸です。
エレクトリックレールウェイの新駅が2階建て以上の高さなら、そこからアレンデール城を見たときに、東京湾を借景とした海に囲まれたお城が見えたのではないでしょうか。

ファンタジースプリングスは、駐車場だった場所に作られており、アナ雪エリアの背景は東京ディズニーランドという立地です。
逆にランドのフォレストシアターの背景がノースマウンテンに溶け込むようデザインされています。
一度は撤回され、香港にその面影をたくし、ついに第8テーマポートとして誕生するアナ雪エリア。
10年かけた大型エリアが、あと2ヶ月でその姿を見せます。

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シンデレラ城の新キャッスルプロジェクション9/20スタート

9/20から東京ディズニーランドの新たなキャッスルプロジェクションがスタートします。
東京ディズニーランド®で2024年9月20日(金)より新しい夜のキャッスルプロジェクションがスタート

空を翔ける姿を描くキャッスルプロジェクション

ワンス・アポン・ア・タイム、ディズニー・ギフト・オブ・クリスマス、Celebrate! Tokyo Disneylandに続く新作です。
「シンデレラ城を舞台に、さまざまなキャラクターたちが夢を追い求めて空を翔ける姿を描く」内容。
イラストには映画の飛ぶシーンが集まっています。
コンセプトがドリーミング・アップ!に近く、イラストでも共通しているキャラクターが多く、似た内容にならないかは気になります。
パレードで使いにくいヘラクレスやWALL-Eはプロジェクションらしい展開になりそう。ヘラクレスでGo the DistanceやったらもうHappily Ever Afterだけれど。

目玉はマーベルキャラの初登場で、イメージアートにはアイアンマンとキャプテン・マーベルがいます。
タイミング的にUSJのスパイダーマン・ザ・ライドが閉まった直後の発表というのも、大人の事情を勝手に感じる展開でした。
代わりにスター・ウォーズがいなくなりそう。

プロジェクションマッピングは映画詰め合わせが定番ですが、その中でも東京は比較的ストーリー仕立てにしている傾向があります。
今回もどういう進行になるのか楽しみです。

どうする夜のスケジュール

開催回数は1日1〜2回。
となると、エレクトリカルパレード、プロジェクション2回、花火というスケジュールが生まれることになります。
Celebrate! Tokyo Disneylandが始まった2018年の9月下旬だと、18:00プロジェクション、19:30エレパレ、20:30花火、21:15プロジェクションというスケジュールでした。
現在の21時閉園では、このスケジュールはこなせないでしょう。
秋から22時閉園が戻るのかもしれません。

コロナ以降ずっと9〜21時の開園時間が続いています。
ただ22時閉園に戻せないのはキャストの人手不足が最大の原因ではないかと思っています。
となると、エレクトリカルパレードか花火を休止しないと、プロジェクション2回が入れられません。
同じく人手不足を考えると、エレクトリカルパレードを休止させるのが単純な思考。
パレードもダンサーの人手不足感があり、ショーの再開が進んでいません。特にシーで。シーで。

ランドでもイベントパレードが1回しか公演できていません。
4月からの「ドナルドのクワッキー・ダックシティ」は1日2回公演もあるようですが、GWだけの模様。
基本的にイベントパレード2回、ハーモニー・イン・カラー、エレクトリカルパレードの4回は難しいようです。
13:00ハーモニー・イン・カラー、15:40ファンダーランド、19:15エレクトリカルパレードという現在のスケジュールです。
最初のパレードから最後のパレードまでだいたい8時間かかるので、1シフトで回せる限界。もう1回を入れる余裕がありません。
ここでエレクトリカルパレードを休むと、夕方でパレードを終えられるので、午前中にもう1本パレードが入れられます。
午前を取るか夜を取るかという状態ですね。
例えばハロウィーンとクリスマスは、11:00イベント、13:00Dパレ、15:00イベント、18:00プロジェクション、19:00プロジェクション、20:30花火といったスケジュールを組めば、イベントパレードを充実させつつ、夜もプロジェクションで埋めることもできます。

マッピングは7月あたりからスタートだと思っていたので、9月スタートは意外と遅かったです。
夏は日の入りが遅いからなのか、イベントパレードに出演者がいないからなのか。
閉園時間や夜のエンターテイメントは、ゲストの夕食の有無にも繋がり、今重視されている客単価にも影響してくるので、秋からどういう編成が組まれるのか注目したいところです。

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TDR 2024年度スケジュールを発表

2024年度の年間イベントスケジュールが発表されました。
東京ディズニーランド®/東京ディズニーシー® 2024 年度(2024 年 4 月~2025 年 3 月)のスケジュール
東京ディズニーランドⓇのスペシャルイベントシリーズ「ディズニー・パルパルーザ」第2弾 “ドナルドダック”が主役の「ドナルドのクワッキー・ダックシティ」を開催 4月9日(火)~6月30日(日)
東京ディズニーシーのスペシャルイベント 「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」を開催 4月9日(火)~6月30日(日)
東京ディズニーランド 開園当初から親しまれてきたアトラクション 現在の「スペース・マウンテン」最後の宇宙旅行をお楽しみいただけるスペシャルイベント「セレブレーティング・スペース・マウンテン:ザ・ファイナルイグニッション!」開催のお知らせ

2019年までは秋に翌年度のスケジュールが出て、暦年では翌々年のお正月まで発表されるという、世界でも類を見ない未来の予定がわかっていました。
イベントをやるのかわからないコロナ禍を経て、ようやく年度単位のスケジュールが出せるような状況に戻ってきたようです。
しかしかなりイレギュラーなスケジュールになっています。
イレギュラーというか、ニュースタンダードなのかもしれません。

ランドは、1月から始まった「ディズニー・パルパルーザ」の第2弾を春休み挟んでスタート。
主役がドナルドであることがようやく発表されました。
発表を溜めた割にストレート。楽しそう。
スペース・マウンテンのクローズを飾る「セレブレーティング・スペース・マウンテン:ファイナル・イグニッション!」も始まります。
以前のスペシャルプログラム扱いの内容で、デコレーション、グッズ、フードの展開です。

シーはいよいよファンタジースプリングス臨戦体制。
「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」が、エリア開業前からスタートします。
ハーバーグリーティングには、ピーターパン、アナ雪、ラプンツェルのキャラクターも出てくるようです。エリアにはライブキャラクター出てこなさそうなのに。
ミッキーとミニーも新エリア用の衣装で登場します。これもエリアでは見られなさそう。ホテルで会えるのかな?
そして期待の「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」。
アメリカンウォーターフロントに各エリアポートのメニューが集結するようです。
季節も形式もEPCOTよりDCAのフード&ワイン・フェスティバルに近い感じがします。
ファンタジースプリングスをイメージしたメニューもあり、「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」とも連動します。

近年の大問題、夏イベント。
ランドは出演者がいない散水パレード「ベイマックスのミッション・クールダウン」を再演します。
スプラッシュマウンテンやトゥーンタウンのびしょ濡れバージョンも継続。
一方、シーは何も書かれていません。
2023年はダッフィーのハーバーグリーティングがありましたが、今年はなさそう。
アクアトピアのびしょ濡れバージョンはきっとやるでしょうから記載してもよかったのに。
期間は延長し9/18まで開催します。

キャッスルプロジェクション
9/20からキャッスルプロジェクションが始まります。
シルバーウィークからハロウィーンで集客力がある時期に始めるんですね。

ハロウィーンは10/1スタート。
近年のハロウィーンは残暑との戦いと化していましたが、開催時期を後ろ倒しする形に。
ランドは新規パレードになります。
11/7まで。

ハロウィーンが後ろ倒しされ、クリスマスは11/15スタート。
お正月は1/1から13日まで開催されます。

猛暑対策を本格的に取り組んだこともあり、全体的に後ろ倒し感のあるスケジュールになりました。
ファンタジースプリングスの6月オープンに合わせた展開もあり、イレギュラーさはありますが、今年のスケジュールが上手くはまれば、来年度以降もこのような形になりそうです。
ランドは1〜6月を2期に分けたパルパルーザ、夏の無人パレード、10月ハロウィーン、クリスマス、お正月で新しい歳時記パターンになりそう。
シーはハーバーショー問題をいまだに解決できておらず、どうするつもりなのでしょうか。

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TDR 2024春に4本同時開催の「スペシャルイベント」が占う今後のイベント展開

東京ディズニーリゾートが2024年春のスペシャルイベントを発表しました。

スペシャルイベント4本同時開催

スペシャルイベントを4本同時開催という、見たことのない状態になります。
春イベントは基本的に4/9〜6/30に開催。
ランドは「ディズニー・パルパルーザ」と「セレブレーティング・スペース・マウンテン:ザ・ファイナルイグニッション!」。
シーは「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」と「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」。
スペース・マウンテンはクローズ日となる7/31まで、フード&ワインは4/1スタートです。

パレードが有料エリアを拡張

ディズニー・パルパルーザ
新たに設けられた「スペシャルイベントシリーズ」という概念。第1弾は1月から「ミニーのファンダーランド」を開催します。
4月からは第2弾で、「主役や世界観が変わり新しい展開が始まります」という表記だけで、具体的な内容はまだわかりません。イースターではないみたい。
第1弾と第2弾でどのような関連性がある「スペシャルイベントシリーズ」となるのか気になります。

1月からのミニーのファンダーランドでは、パレード「ミニー@ファンダーランド」を公演。これまた不思議なタイトルというかTwitterに不向きというか。
フロートは6台で、ミニー、ミッキー、ドナルド、グーフィー、プルートほか約60名が出演予定。
3回停止ですが、プラザではシンデレラ城前を含めて回る、ディズニー・イースターワンダーランドのようなスタイルです。
シンデレラ城前はほぼプレミアアクセスのエリアとなっており、パレードルートを城前分拡張し、それを丸ごと有料にする様子です。
閑散期にそんなに有料席が売れるのかは気になる。この有料エリアの広さで鑑賞位置を指定できないのもしんどそう。
台数の割にキャラクター数が少なさそうで1stと3rdの停止範囲が狭いので、フロートは小さめでしょう。いつもの閑散期パレード規模で、有料エリアのために2ndを拡張する形になるようです。
プレミアアクセスの成功を受けた実験的スタイルと言えそうです。バケーションパッケージが一番良いエリアを確保し出したのも大きな要素でしょう。

4月からの第2弾も、フロートや停止形式は同じで公演するのでしょうか。そうなると春にしては小規模になるかもしれません。
この形式がうまくいって、フロート規模を大きくしても展開できれば、ハロウィーンやクリスマスにも城前プレミアアクセスを導入する形になり、ランドのパレードの形が大きく変わるかもしれません。

廃止されたっぽい「スペシャルプログラム」

セレブレーティング・スペース・マウンテン:ザ・ファイナルイグニッション!
スペース・マウンテンは、2027年にリニューアルオープンを行うため、一旦今の建物を解体し、後ろに新たなスペース・マウンテンを建設するという、前代未聞のリニューアル方法。既に新たな建物の起工式が行われた後ですが、クローズ日が7/31と発表されました。
アトラクションのクローズを記念したスペシャルイベントは初開催でしょう。

東京ディズニーリゾートでは「スペシャルイベント」と「スペシャルプログラム」は区別されていて、ディズニー・ハロウィーンやディズニー・クリスマスはスペシャルイベントですが、ディズニー七夕デイズはスペシャルプログラムでした。
最近、スペシャルイベントの定義が緩くなっているようで、コロナ後はお正月がプログラムからスペシャルイベント扱いになりました。
以前はスペシャルプログラムだったダッフィー&フレンズの季節コンテンツが「グッズとスーベニア付きフードの販売」というカテゴリーに変わったこともあり、スペシャルプログラムは激減。
ざっと過去のリリースを検索したところ、最後のスペシャルプログラムは「ベリー・ベリー・ミニー!」でした。
一方、本来2020年6月から開催予定だった「ハッピーフェア・ウィズ・ベイマックス」は、元々スペシャルプログラムでしたが2021年に延期して開催された際「フェア」になっていました。
コロナ以降、何らかの意図を持って「スペシャルプログラム」をなくしたようです。
今回のスペース・マウンテンのファイナルイベントも、以前ならスペシャルプログラム扱いだった気もします。

新エリア前哨戦

ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス
2024年の、というかここ10年で最大のトピックである、東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」は6/6オープン予定。
各スポンサーがプレビューキャンペーンを行なっており、5月半ばからプレビューが行われます。現在のパーク部分には入れない新エリアのみ入場可能なプレビューもあり、独立したエリアであるためプレビューはやりやすいのでしょう。
東京ディズニーリゾート自身もプレビューが当たるキャンペーンを打つ上に、ファンダフル・ディズニーやバケーションパッケージ向けにプレビューチケットの販売を行うようです。

そんな中、4月からスペシャルイベント「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」を開催。新エリアが開いていないのに、他エリアで新エリアの世界を想像できるそうです。
ハーバーグリーティングも公演するそう。
グッズやメニューも発売されるとのことで、かなり先どった展開になります。本当はファンタジースプリングス自体も4月に開けて、入場制限で新エリアに入れなかった人の救済も込めて他エリアでグッズやフードの展開をするつもりだったのでは、という気もしてきます。
各テーマパークが2024春に色々とオープンさせる予定ですが、どこも建設が間に合うのか大変みたいですし、ファンタジースプリングスはプレビューをたっぷりやらないといけない以上6月オープンはよく春のうちに間に合わせたなと思うくらいなのですが。

新エリアのハーバーグリーティングは、ミッキーたちが出てくるのかピーターパンたちが出てくるのかどちらなのでしょうか。まだよくわからないイベントですが、これもスペシャルイベント扱いです。
似たような形では、実際にはコロナで崩れてしまいましたが、2019年時点での予定として、ニューファンタジーランド開業後の「ハッピーフェア・ウィズ・ベイマックス」がありました。
4月に新エリアがオープンし「ベイマックスのハッピーライド」もオープン。そして6月〜11月にかけて「ハッピーフェア・ウィズ・ベイマックス」が開催予定でした。
春と夏のイベントをやらずに新エリアで集客し、ベイマックスのプログラムはハロウィーンまで続ける形でした。
実際には中止となり、2021年1〜3月に開催されました。2023年夏の散水パレード「ベイマックスのミッション・クールダウン」のフロートが本来のハッピーフェアのコンテンツだったのではみたいな話も聞きますが。
ちなみに、2020年の予定ではハッピーフェアは「スペシャルプログラム」、2021年は「フェア」になっていました。

フードイベントを春に導入

東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル
「第1弾となる2024年度は」という表記があり、毎年やる気なのでしょう。
テーマポートを題材にした世界各国のメニューを提供するほか、ファンタジースプリングスの世界をイメージしたメニューも提供するそう。
フード&ワイン・フェスティバルといえば、EPCOTの秋の恒例イベントで、最近はDCAも春に開催しています。
東京版はテーブルサービスのレストランでも展開されそうで、ブース出店ではなく各店舗がスペシャルメニューを出す形でしょうか。WFPにフードトラックが登場したのは布石っぽいので、ワゴン販売も増やしてほしいところです。
シーではディズニー・ア・ラ・カルトを思い出させるフードイベントです。当時のシーは秋に文化的なイベントをやっていましたが、アラカルトの翌年からハロウィーンがスタート。春にフードイベントを持ってくる形になりました。
モバイルオーダーも導入されてきており、テイクアウトフードを購入しやすいシステムはできているので、ふらふらと楽しめるイベントになればいいなと思います。ファンタジースプリングス入れなくてやけ酒しても楽しいし。

1〜3月は何もイベントを行わず、頼みのビリーヴすら休止する、もはや何が残っているのかというようなシー。ファンタジースプリングスに全てを賭けているのはわかりますし、イベントをやったところでハーバーグリーティングしか行えないという問題があります。
ランドはパレード規模をかなり元に戻してきて、そこに新機軸を加えようとしていますが、シーのハーバーショーを再開させるのはかなりハードルが高そうです。
ハーバーショーが出来ず、代わりにハンガーステージで懐古ショーをやってみたもののあまりにクオリティが低く3シーズンで終わり、とにかくハーバーグリーティングをやり続けるしかない状態。
その中でフードイベントに振るのは、ショーを行わないイベントとして良い形なのではないかと思います。
新しいスタイルというか、昔に戻ったというか。

そんなわけで、春の「スペシャルイベント」は、どれもコロナ前の「スペシャルプログラム」規模のような気がしますが、これからのイベントの形を占う資金石になりそうな内容です。

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東京ディズニーリゾート40周年スタート感想

東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”がスタートしました。
最初に観たのはパレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」でした。あまりしっくりこなくて、これが5年続くのか…と思ったのですが、4/15にオープニングセレモニーを見て、だいぶ40周年が理解できるようになりました。

オープニングセレモニーはまさかのボブ・アイガーとジョシュ・ダマロが来日。2人の話を聞く限りファンタジースプリングスの視察の側面が強そうですが、アイガーが高橋政知とカード・ウォーカーの話から始めたりとさすが話が上手いなと思いました。
3人巨塔が話した後に登場した吉田社長ですが、40周年のテーマという意味では、吉田その話は非常にわかりやすかったです。
吉田社長は、コロナ禍を経て復活してきている中で、今だからこそ大切にしたいこととして「繋がり」を挙げ、この言葉を胸に準備を進めてきたと語りました。40周年のアイコンであるガーランドのように、一人一人に色とりどりの夢があり、キャストにもディズニーの仲間たちにも夢がある。それぞれの夢が繋がる場所が東京ディズニーリゾートです。40周年はその繋がりがさらに深まる年で、東京ディズニーリゾートは夢が繋がり続ける場所であり続けるよう努力を続けていくという話でした。
ドリームガーランドはキャラクターのデザインではなく、カラフルな20種以上の展開なのが特徴です。そして、テーマソングは「リビング・イン・カラー」、パレードは「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」。カラーの意味がよくわかるようになりました。テーマソングで「なないろ」と特徴的に挿入されているように、虹のカラーが強調されていましたが、虹=多様性を直接的に示すのではなく、1人1人が持つ夢の違いという形で見せるのは良くも悪くも東京ディズニーリゾートらしい見せ方だと思います。

ただ、パレードを見ても、それがいまいち伝わってきませんでした。
オープニングにパレードロゴがあるとか、ラプンツェルのアクションが「ドリーミング・アップ!」のピーター・パン以上に迫力が増していたとか、そういう個々の良いポイントはありました。
ただ全体としてばらけている印象で、何か花びらのようなものがずっと続いていましたが、結局それが何なのかよくわかりませんし、それぞれのユニットがバラバラなテーマで、インクレディブル〜シュガー・ラッシュのあたりはもはやどことどこがユニットなのかもピンときません。
そしてフロートが小さい。ダンサーが帰ってきたところはいいことですが、全体的に地面を歩いているキャラクターやダンサーが多く、フロートに乗っていません。今まで東京ディズニーランドのパレードは、遠くからでも見られる高さのあるフロートが特徴的でしたが、フロートが小さくて徒歩の出演者が増えたのは、コロナ以降の混雑しないパークを目指す方向性をも感じさせました。

「クラブマウスビート」もセレモニー前に観たのですが、パークの中でこのショーが1番アニバーサリー感があったと思います。「クラブマウスビート」はコロナ以降に始まった上で、最初からディスタンスを保った構成になっています。今回はフィナーレだけ変更され40周年バージョンになったため、前半のスカスカ感が否めません。それに対して新しいフィナーレは、どこにそんな数のダンサーがいたんだという位びっちりいて、キャラクターも横一列に並びます。やっぱりコロナ以前の体勢とコロナ禍でのショーの作り方は全く違うんだと感じさせましたし、コロナバージョンに慣れてきていたのを気づかされました。やはり密とは豪華さに影響与えるなと思いました。

そして40周年で圧倒的に1番良かったのが花火です。様々な色とりどりのそれぞれの夢というのが最もよく表れていましたし「スカイ・フル・オブ・カラーズ」というタイトルの意味もよく分かりました。ミッキーのアナウンスで始まるのは「ハピネス・オン・ハイ」もでしたが、まさかミッキー以外も喋ってくるとは驚きです。花火の途中にもミッキーのセリフがあるのは本当に驚きました。
曲のセレクトや繋ぎも良かったですが、何より様々な色が空に舞い上がる姿が、40周年を象徴しているようでした。

パーク全体としては、やっぱりガーランドの装飾が寂しげ。それぞれのカラーで彩ったガーランドが繋がる様子をもっと体現して欲しかったです。お祭りなら普通の街中の方がもっとガーランド飾るでしょう。
グッズとしてのドリームガーランドを売るのは高級カスタムアイテムより楽しいし、色とりどりで繋がるという意味も言われればすごく伝わってきます。ホテルやガイドツアーで専用ガーランドを出すのもマニア向けで良い。その上で配布もあるのは面白いです。

曲も流れないので、花火前のイントロで流れた「リビング・イン・カラー」でそれまで1日聴いていないパートがありました。ドリームゴーラウンドタイムもジャンボリミッキー踊っているし。花火エンドソングの「リビング・イン・カラー」バラードバージョンも、それまでのただテンポを落としたバラードバージョンではなく、かなり歌え形を変えてきて新しいアレンジだなと思いました。

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