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東京ディズニーリゾート40周年スタート感想

東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”がスタートしました。
最初に観たのはパレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」でした。あまりしっくりこなくて、これが5年続くのか…と思ったのですが、4/15にオープニングセレモニーを見て、だいぶ40周年が理解できるようになりました。

オープニングセレモニーはまさかのボブ・アイガーとジョシュ・ダマロが来日。2人の話を聞く限りファンタジースプリングスの視察の側面が強そうですが、アイガーが高橋政知とカード・ウォーカーの話から始めたりとさすが話が上手いなと思いました。
3人巨塔が話した後に登場した吉田社長ですが、40周年のテーマという意味では、吉田その話は非常にわかりやすかったです。
吉田社長は、コロナ禍を経て復活してきている中で、今だからこそ大切にしたいこととして「繋がり」を挙げ、この言葉を胸に準備を進めてきたと語りました。40周年のアイコンであるガーランドのように、一人一人に色とりどりの夢があり、キャストにもディズニーの仲間たちにも夢がある。それぞれの夢が繋がる場所が東京ディズニーリゾートです。40周年はその繋がりがさらに深まる年で、東京ディズニーリゾートは夢が繋がり続ける場所であり続けるよう努力を続けていくという話でした。
ドリームガーランドはキャラクターのデザインではなく、カラフルな20種以上の展開なのが特徴です。そして、テーマソングは「リビング・イン・カラー」、パレードは「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」。カラーの意味がよくわかるようになりました。テーマソングで「なないろ」と特徴的に挿入されているように、虹のカラーが強調されていましたが、虹=多様性を直接的に示すのではなく、1人1人が持つ夢の違いという形で見せるのは良くも悪くも東京ディズニーリゾートらしい見せ方だと思います。

ただ、パレードを見ても、それがいまいち伝わってきませんでした。
オープニングにパレードロゴがあるとか、ラプンツェルのアクションが「ドリーミング・アップ!」のピーター・パン以上に迫力が増していたとか、そういう個々の良いポイントはありました。
ただ全体としてばらけている印象で、何か花びらのようなものがずっと続いていましたが、結局それが何なのかよくわかりませんし、それぞれのユニットがバラバラなテーマで、インクレディブル〜シュガー・ラッシュのあたりはもはやどことどこがユニットなのかもピンときません。
そしてフロートが小さい。ダンサーが帰ってきたところはいいことですが、全体的に地面を歩いているキャラクターやダンサーが多く、フロートに乗っていません。今まで東京ディズニーランドのパレードは、遠くからでも見られる高さのあるフロートが特徴的でしたが、フロートが小さくて徒歩の出演者が増えたのは、コロナ以降の混雑しないパークを目指す方向性をも感じさせました。

「クラブマウスビート」もセレモニー前に観たのですが、パークの中でこのショーが1番アニバーサリー感があったと思います。「クラブマウスビート」はコロナ以降に始まった上で、最初からディスタンスを保った構成になっています。今回はフィナーレだけ変更され40周年バージョンになったため、前半のスカスカ感が否めません。それに対して新しいフィナーレは、どこにそんな数のダンサーがいたんだという位びっちりいて、キャラクターも横一列に並びます。やっぱりコロナ以前の体勢とコロナ禍でのショーの作り方は全く違うんだと感じさせましたし、コロナバージョンに慣れてきていたのを気づかされました。やはり密とは豪華さに影響与えるなと思いました。

そして40周年で圧倒的に1番良かったのが花火です。様々な色とりどりのそれぞれの夢というのが最もよく表れていましたし「スカイ・フル・オブ・カラーズ」というタイトルの意味もよく分かりました。ミッキーのアナウンスで始まるのは「ハピネス・オン・ハイ」もでしたが、まさかミッキー以外も喋ってくるとは驚きです。花火の途中にもミッキーのセリフがあるのは本当に驚きました。
曲のセレクトや繋ぎも良かったですが、何より様々な色が空に舞い上がる姿が、40周年を象徴しているようでした。

パーク全体としては、やっぱりガーランドの装飾が寂しげ。それぞれのカラーで彩ったガーランドが繋がる様子をもっと体現して欲しかったです。お祭りなら普通の街中の方がもっとガーランド飾るでしょう。
グッズとしてのドリームガーランドを売るのは高級カスタムアイテムより楽しいし、色とりどりで繋がるという意味も言われればすごく伝わってきます。ホテルやガイドツアーで専用ガーランドを出すのもマニア向けで良い。その上で配布もあるのは面白いです。

曲も流れないので、花火前のイントロで流れた「リビング・イン・カラー」でそれまで1日聴いていないパートがありました。ドリームゴーラウンドタイムもジャンボリミッキー踊っているし。花火エンドソングの「リビング・イン・カラー」バラードバージョンも、それまでのただテンポを落としたバラードバージョンではなく、かなり歌え形を変えてきて新しいアレンジだなと思いました。

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スペース・マウンテンを「全く新しく建設し直し」 OLC2024中期経営計画を読み解く


東京ディズニーランド®のアトラクション「スペース・マウンテン」および周辺環境の一新について
A New Space Mountain Coming to Tokyo Disneyland in 2027 | Disney Parks Blog(4/28 1:30追記)

スペース・マウンテンの完全リニューアルが発表されました。
現行のスペース・マウンテンを2024年で閉め、2027年にかけて建設し直し、周辺の環境と合わせて整備し直すもの。
リリース内の「全く新しく建設し直し」という文言がすごい。
新スペース・マウンテンは、現在のジェットコースタータイプの屋内型アトラクションという形態を引き継ぎ、宇宙旅行のテーマも継続。
新たな性能や特殊効果が加わります。
イメージイラストを見ると、左側に裾野が伸びており、スロープのように入場していく模様。
トロンの形状に近いです。
流線形でブルーを配色し、周りには木々も生い茂り、1983年当時の「未来」から、現代風の「未来」で持続可能感のあるデザインになっている印象。
アトラクション前には広場が誕生。
新しいライドは現在より後ろ側に作り、今の跡地は広場にすることで、建設期間を短縮するのでしょうか。
周辺に広場を設けるのも、ファンタジースプリングスから続く周辺環境整備を感じさせます。
ショーベースは存続する模様。

スペース・マウンテンは2007年にリニューアルしていますが、さすがにコースターで40年間同じ建物なのは大変なのでしょうか。
海外と同様、スピーカーは搭載するのでしょうが、具体的にどうなるかはまだ不明。
WDWではトロン・ライトサイクル・ランとガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインドという、トゥモローランドの新コースターと宇宙屋内コースターがオープンを控えており、そのタイミングでスペース・マウンテンがスペース・マウンテンのまま作られるのはちょっと意外。
音楽や映像を取り入れたコースターになるなら、逆に非IPのコースターとして、スター・ウォーズ(ハイパースペースマウンテン)やマーベルとのコラボの可能性も残ります。
USJでハリウッド・ドリームライドがIPコラボしまくっているように、期間限定アトラクションとして展開しやすいシステムの方が集客面で武器になる側面もあります。
(4/28 1:30追記)Disney Parks Blogがイマジニアのコメントを載せていました。すごくEPCOTっぽい、地球に感謝みたいなストーリーになるようです。

コロナ以降の中期経営計画

2024中期経営計画

同時に2024年中期経営計画も発表されました。
2024年度までの3年度の計画ということで、これが終わる頃にスペース・マウンテンの工事がようやく始まることになります。
内容は、大型コースターの作り替えのイメージとはかなり離れており、スペース・マウンテンとは別で作られた感があります。
コロナ前の計画だったものがコロナの2年分遅れてきたのでしょう。

コロナ後のパーク運営について、かなり方針が変わっています。
・1日当たりの入園者数上限を下げる
・選択肢の提供
・パークの魅力向上
・効率的なパーク運営の確立
の4本柱。
入園者数の上限を下げ、平準化させることで、効率的な運営にし、リスクを下げていく方針です。

どこの人数を減らすのか

入園者数は2024年度で2,600万人程度の想定に。
2018年度が3,200万人でしたから、600万人落とし、25周年〜震災前くらいの水準にします。
ありたい姿2023での「高い満足度を伴った入園者数を恒常的に3,000万人レベルとする」とは大きな方向転換です。
入園者数の水準は、2024年度までトライアルを重ねて、それ以降に向けて調整していく模様。


入園者数を減らすことは、どの日を減らすか、どの層を減らすかに分解できます。
「平日や休日、時期などの繁閑差を年間通じて最小限にすることで平準化を推進」としており、日付側の目標です。
年間の入園者数を少ない日順に並べたイメージのグラフが載っており、上限を減らした上で少ない方を嵩上げし、均衡化を図るとしています。
一方、どの層を減らすかについては、入園者数の上限減少のデメリットとして「来園希望が叶いづらい」が挙げられています。
土日や長期休みに訪れる地方ゲストはもちろん、高頻度層(リピーター)も行きにくくなります。
この施策はコロナ前から行われており、日付指定限定入園日や入園制限の多頻度化が実行されてきました。
さらに、現在は完全前売+一部券種の抽選制、そして価格変動制が行われています。
今回、新規施策例として「時期を絞った高頻度層に向けた施策など」と挙げられており、複数日入園パスポートのトライアルもこの流れでしょう。
高頻度層をターゲットに均衡化を図るなら、平日限定年間パスや、季節限定パスのようなものがこの3年でテストされていく気がします。


アトラクション・ショー収入の計画では、「チケット構成の変化による増」が2021年度より2024年度にかけて(グラフの見た目で半分程度に)減少しており、高頻度層などがそこそこ安めに入れるチケットは想定されているようです。
キャンパスデーのような割引も復活するでしょう。

客単価アップ施策

入園者数を下げた分、1人あたりの売上高を増加させる計画。
価格変動制でチケット料金の値上げをしやすくしましたが、この領域は2024年に向けて増加していきます。
単純に、現在の時間指定パスポートがなくなって全てワンデーになれば増加する領域ではあります。
そして、これまで「チケット収入」とされていた部分が、「アトラクション・ショー収入」となります。
バケーションパッケージの有償コンテンツを含む「体験の収益化」が追加されます。
例として挙げられているのが、従来ディズニーホテル向けの15分前入園だったのが、現在のディズニーホテル向けに別途有料で1時間前入園を販売するもの。
これが「選択肢の提供」です。
キャラクターグリーティングは「体験の収益化」、通常にない特別な体験が「時間帯プログラム」、ホテルでのんびりしながらプラスアルファの体験が「バケーションパッケージ」となっています。
アトラクションに関して、別途収益の話がないので、有料ファストパスのようなものは一旦ないのかもしれません。
現在特別なグリーティングはバケーションパッケージで展開されていますが、これがただチケットに追加課金のコンテンツとして出てくるのかも。
時間帯プログラムは、昨年ハロウィーンの朝に行われた「ハロウィーンモーニング・パスポート」がこれのトライアルにあたり、特別なショーパレを想定しているようです。
商品販売収入は同程度。
飲食販売収入は、入園者数水準が減るため、レストランの混雑も緩和されるということで、増加を見込んでいます。
ちなみに昨年度の飲食収入は、入園者増加でテーブルサービス店舗の利用率が下がったため減少しており、バランスは難しいところです。

入園者均衡化の影響

入園者が均衡化されることで、キャストの人数が少なく対応できます。
キャストはコロナ前の人数より少ないままで運営し、時給増にも対応できるようになります。
一方で厳しいのはホテル。
ファンタジースプリングスに合わせて6軒目のディズニーホテルが誕生しますが、これは入園者数をどんどん増やそうとしていた頃の計画。
想定より1/3くらい低い水準のリゾートになるのではと考えると、なかなか厳しくなります。
これに対しては「パークとの連携やディズニーのコンテンツ活用を強化」することで、ホテル単体で稼げるようにしていく計画。
新浦安周辺ホテルは大変そう…

パークの魅力向上としては、ファンタジースプリングスが2023年度。
スペース・マウンテンは2027年ですが、それまでは「既存アトラクションの魅力向上につながる開発」としかなく、特に大きな開発はなさそう。
ランド「7つのテーマランドの開発」とシー「複数の拡張用地を活用した開発」は記載がなくなっています。

同時に「2030年に目指す姿」も公表されており、今回の計画を踏まえて、コロナ前とは全く異なる、新しいステージを目指していきます。
2024年度までの3年間は、コロナからの復旧を待ちながら、今後の入園者数の水準を探っていくトライアル期間になるようです。

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 - パーク外  - by poohya

劇団四季「美女と野獣」舞浜アンフィシアターで2022年10月から公演

ディズニーミュージカル『美女と野獣』 新たな演出で、舞浜アンフィシアターにて2022年10月開幕!|最新ニュース|劇団四季

劇団四季が舞浜アンフィシアターで「美女と野獣」を公演することになりました。
ディズニーが初めてミュージカルに進出した作品である「美女と野獣」。
日本でも劇団四季により各地で公演されてきましたが、東京ディズニーリゾートで長期公演が行われます。

発表会見はディズニーアンバサダーホテルでおこなわれ、劇団四季に加えOLCも登壇。
偶然にも両社の社長が吉田さんでした。
今回は、OLCから劇団四季に声を掛けて実現したとのこと。
ミュージカル版「美女と野獣」は実写映画要素を混ぜたアップデート版などバージョン違いが存在していますが、今回は上海ディズニーランド版を導入。
ベルのソロ「A Change in Me」などが追加される一方、上演時間は30分程度短くなるそうです。
また、舞浜アンフィシアターはその名の通り半円型の劇場ですが、一部座席を潰してプロセニアムを建て、ステージを横長に拡張するとのことです。
舞浜アンフィシアターのHPでは、「舞浜アンフィシアターは劇団四季の長期公演開催に伴い、2022年6月以降、新規の予約受付を休止させて頂きます。」と記載されており、公演の4ヶ月前から準備が行われ、無期限ロングランとして始まるようです。

単発イベント箱から長期公演劇場へ

舞浜アンフィシアターは2008年10月「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」としてオープン。
オリジナル演目「ZED」の専用劇場として、公演が行われていました。
しかし東日本大震災での休演、学校団体の減少を受け、2011年末で終了。
その後、舞浜アンフィシアターとして箱貸し業に転換し、2,000人規模の会場で都心からの距離に対して安めの価格設定と、割と人気の会場になっていました。
ディズニーと無関係な公演がほとんどですが、D23 Expo Japanや年末のディズニー・オン・クラシックなどディズニー関連のイベントも行われました。
今回OLC側から動いたということで、かなり割引して貸すことが想像できますが、不安定な箱貸しよりもロングラン公演でディズニーコンテンツを行う方が良いと判断したのでしょう。

パークとのセットチケットも構想

そもそも東京ディズニーリゾートにシルク・ドゥ・ソレイユを誘致したのは、日帰りゲストが多いことに対して「滞在型リゾート」を目指していたためで、パーク+シルク・ドゥ・ソレイユで2,3日滞在してもらうことを狙っていました。
しかし、日本でディズニーとシルクの親和性を見る向きは少なく、観劇のために1日費やす文化もまだなく、目論見はいまいち達成できず。
終了理由にも挙げられていましたが、結局学校団体鑑賞(つまりパーク関係なく日帰り)に支えられている形でした。
末期にはZEDのチケット+1,000円(マチネ)や+500(ソワレ)でパークに入れるプランも導入していました。
今回、「美女と野獣」でもパークとのセット販売の構想もあるそう。
テコ入れ策ではなく最初から計画しているということは、ワンデーパスポート+観劇チケットというしっかりした枠組みや、あるいは「美女と野獣“魔法のものがたり”」乗車+観劇のバケーションパッケージといった枠組みが考えられます。
ディズニーの中でも「美女と野獣」という非常にわかりやすく近年の東京ディズニーランドと相性が良いコンテンツになり、パターンの選択肢は増えそうです。

ついに実現するか「滞在型リゾート」

シルク誘致時に誰もが頭によぎった「それ劇団四季呼べば良くない?」が巡り巡って実現したのは、震災とコロナで各エンタメが大ダメージを受けた結果というのも皮肉な話ですが、TDRの構成変化としてのインパクトは「ファンタジースプリングス」レベルでしょう。
これでランド+シー+劇団四季という2泊3日コースができれば、「滞在型リゾート」が本当に実現する可能性も感じます。
やたら便利な商店街になりつつあるイクスピアリ、ベイサイドステーション側で充実するホテル群と、数年前からは想像できなかった姿になっているTDRに対し、大きなインパクトになりそうです。
パーク+1日というリゾートになった時、2時間強のミュージカルに何をプラスして1日にするのか、各ホテルやイクスピアリが動くでしょうし、さらなる開発が起きるかもしれません(シネマイクスピアリにIMAX作ってほしい)。
当面はパーク2.5日+ミュージカル0.5日というスタイルを目指すことになりそうです。
となると10月までには複数日のパークチケットを復活させ、3,4日の「マジックパスポート」(3日目以降のパークホッパーチケット)を再開させておきたいところ。
ファンタジースプリングスがオープンしたら、シーは1.5日が一般的なプランになるかもしれません。

ところで、「美女と野獣」がロングランになれば、東京周辺で行われる劇団四季のディズニーミュージカルは「ライオンキング」「アラジン」「アナと雪の女王」「美女と野獣」と4本が同時にロングラン上演されている状態になります。
日本はディズニーパークだけでなく、コンサートや展覧会などディズニー関連イベントの多さが世界でも特殊な量になっていますが、ミュージカルとしても東京が世界最多の都市に。
さらに2022年は「メリー・ポピンズ」と「ノートルダムの鐘」が渋谷と横浜で公演があり、しかもブロードウェイやウエストエンドとも違いパークもある、異常なディズニー都市になっています。
あとはディズニークルーズラインが来れば完璧です。来い。

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OLC上西社長が退任、新社長は吉田謙次氏

代表取締役の異動および取締役の人事(予定)について

OLCの2020年度決算が発表になりました。
上場以来初の赤字になったことは大きなニュースですが、仕方ないし決算発表前から分かっていたことです。
それより驚いたのが人事。

2009年から代表取締役社長(兼)COOを務めていた上西京一郎氏が退任。
吉田謙次氏が新社長に就任します。
株主総会を経るため現在はあくまで案で、6月29日に就任予定です。
上西現社長は特別顧問に就任する予定、加賀見会長は続投です。

理由は「OLCグループの更なる企業価値向上を目的に、任期満了に伴って新たな経営体制に移行するもの」とされています。
吉田新社長は経理部長を経てフード本部長に。昨年4月からは第8テーマポート推進本部長も兼任しています。

質疑応答では、「早期に黒字化を達成することが急務」との考えを示し、ファンタジースプリングス開業でOLCグループの新たな成長を見出せるようにすることが最大の使命と発言。
黒字化のために「不要不急コストの精査や入園者数水準に合わせたパーク運営の効率化」を進めてるとしています。

上西社長が63歳なのに対し、吉田新社長は60歳と、3歳差。
上西社長は12年前に社長就任したことを考えてもほとんど若返りはありません。
経理の視点で黒字化と2023年の大規模開発を導くことが目的の短期リリーフを想定しているようにも見えます。

中期経営計画は2020年度まででしたが、最終年度で前提が崩れてしまいました。
次の中期経営計画は2022年春の発表となり、今年度は「新たな視点や考え⽅に向けて検証する準備期間」としています。
一方で、新たにESGについて、「社内で議論している内容」として告知。
これまでのCSRへの姿勢をより明確にし、SDGsに対する考え方、そしてまた脱舞浜の新規事業が掲げられました。
さらに、ガバナンス改革が行われます。
新社長就任に合わせて、社外取締役を1名追加。
佐久間英利千葉銀行頭取が就任予定です。
取締役は上西氏と吉田氏が交代し、さらに取締役任期は2年から1年に短縮される予定です。

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TDRアプリ、レストランのモバイルオーダーやパーソナライズ機能を導入へ

東京ディズニー、個人ごとに園内情報発信へ アプリで: 日本経済新聞
ディズニー、飲食注文デジタルも コロナ防止で導入検討 | 共同通信
ディズニー「38歳デジタル戦略部長」の重大使命 | レジャー・観光・ホテル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

東京ディズニーリゾート・アプリの機能追加に関するニュースが一斉に出ました。
2月のOLCデジタル戦略部の発足以降、入園者数制限も緩和されたことから、インタビューが行われ情報解禁がなされたようです。

まだ「導入を検討していると明らかにした」段階で、リリースまでは間があきそうですが、大きな機能追加が予告されました。
レストランのモバイルオーダーは、海外のディズニーパークアプリにもある機能。
アプリで事前に注文し決済すると、料理の出来上がり時に通知が来て、専用カウンターで料理を受け取れる仕組み。
列に並ぶ必要がなくなります。
TDRのレストランは並んでいる途中でオーダー用紙が配布される運用が多く、やっていることは事実上モバイルオーダーに近い動作なので、アプリに導入されれば便利になります。
他言語対応も容易になります。

そして「個人ごとに園内情報発信」機能。
個人の来園履歴などに基づいて園内の楽しみ方を発信する機能だそうです。
D23 Expo 2019で発表されたWDW向けの機能「Disney Geine」に近そうな様子。
「Disney Geine」は発表されただけで導入はまだです(発表時は2020年導入予定でした)。
個人の履歴や予約状況を元に、最適なプランを提案する機能だとされています。
Revolutionary New Digital Offering, ‘Disney Genie,’ Coming to Walt Disney World Resort | Disney Parks Blog
TDR版は、アトラクションの情報やコアなファンしか知らないトピックを発信するとされており、具体的なプランよりもガイドブック的な役割が強いのかもしれません。

2018年の東京ディズニーリゾート・アプリ公開時は、マイナスだったものを0にすることが目的というようにかなり正直な発言も出ていましたが、そこからファストパス電子化も加わり、現在は1,200万ダウンロード、来園するグループの9割が利用しているとのこと。
データの蓄積や社内の部署整理も進み、いよいよプラスの価値を生み出す機能を本格導入するようです。

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