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新作ミュージカル「ディズニー くまのプーさん」2025年は全国6都市公演


©DISNEY 撮影/鈴木健太

新作ミュージカル「ディズニー くまのプーさん」の2年目となる2025年ジャパンツアーの詳細が発表されました。
2025年5月の名古屋から、大阪、福岡、東京、埼玉、横浜と全国6都市を巡ります。

2024年は4月から7月にかけて、東京・愛知・千葉・大阪・埼玉・宮城・神奈川・福岡・広島・静岡の10都市で公演され、11月に新国立劇場で追加公演が行われました。
2年目は公演都市がだいぶ減りましたが、そもそも2年連続でやると思っていなかったので驚きです。

新たな施策も。
各都市で未就学児が入場できない「夜の森回」を設定。内容は同じですが、大人が静かに鑑賞するような回になるのでしょう。
また、大阪と横浜では、ディズニー★JCBカード貸切公演を実施。貸切公演ではスペシャルアフタートークとして、ものしり博士オウルと「くまのプーさん」の音楽解説&一緒に歌ってみよう!が行われます。

チケット価格は1年目と変わらず。S席5,500円、A席3,500円。
前方席で、終演後のキャスト撮影特典がついた、VIB席(Very Important Bear Seat)は9,500円です。

キャストは一部変更。
くまのプーさん:横山達夫、養田陸矢、岩田大輝
ピグレット/ルー:新田恵海、石橋佑果
ティガー:風間由次郎、伊藤広祥
イーヨー/オウル/ラビット:鈴木たけゆき、深堀景介、岩田大輝
カンガ:渡辺七海、澤田美紀
クリストファー・ロビン:櫻井碧人、村山董絃、笹本旭

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 - 駄話  - by poohya

2024年間ベスト

こういうものは普通年内に出すものです。遅くても年明けすぐでしょう。
気付いたら年末年始が終わったので今さら書きます。
2024年はディズニー映画がつまらなかったという言い訳もありますが、個人的にエンタメ摂取量が少ない年でした。
その中で面白かったものを記録しておきます。

テーマパーク

10年に一度レベルの国内テーマパーク大規模開発イヤーでした。特に春休み近辺は忙しかったです。
国内勢だけでもイマーシブ・フォート東京やジブリパーク魔女の谷、USJドンキーコング・カントリーなどかなり強いラインナップでしたが、振り返ってみても結局ファンタジースプリングスが最強でした。

アトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」

あまり期待していなかった(アイガーの話も高野さんの話もイマジニアの話も信用していなかった)の申し訳ないというクオリティ。
詳細はファンタジースプリングスの感想に書きましたが、世界トップのアトラクションになりました。
ネタバレ感想「ファンタジースプリングス」4アトラクション|舞浜横丁
最新のオーディオアニマトロニクスがもつ脅威の表現力と、その技術ありきで作られた構造。
アトラクションでしか描けない表現方法で映画の物語を伝えてくる、これぞディズニーらしいアトラクション作りであり、世界のアトラクションの評価はフローズンジャーニー以前と以降で分かれると思います。
D23でリメンバー・ミーやミラベルのボートライドが発表されましたが、フローズンジャーニーが評価基準になりますし、そもそも今後ボートライドを次々と作ることになったのもフローズンジャーニーの功績なんだと思います。

ショー「クロミライブ」

ライブショーのベストは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「クロミライブ」でした。
例年セサミのショーを公演しているステージに、クロミとマイメロが初登場したショー。
クロミのライブにマイメロも乱入してきて、2人でライブを繰り広げるのですが、生演奏に生のシンガーも入ってきて、その構成が見事でした。
クロミのキャラクターを完璧に理解していて、海外シンガーの使い方などもクロミらしくて素晴らしい。
サンリオのショーでもピューロランドでは作れないものでしょう。
ピューロもハーモニーランドもあるのにUSJにキティがいる意味が問われがちですが、USJでしか作れないサンリオショーになっていて非常に良かったです。

イベントショー「ミニー@ファンダーランド」

スペシャルイベントのエンターテイメントでは、ディズニー・パルパルーザの「ミニー@ファンダーランド」が良かったです。言わずもがなですが。
最近この手のイベントショーはパリが良く作っていましたが、東京も本気を出してきた。
完全にオタク向けに振り切っていて、潔い閑散期ショー。
キャッスルフォアコートの活用も上手かったですし、フロートがフロートを追い抜く姿なんて初めて見ました。
このキャッスルフォアコート方式を他でも展開するのかなと思ったら、今年のパルパルーザは通常のパレードルート3回停止のようですし、広がらなくて予想外でした。

ライブ「D23 Disney Experiences Showcase」

D23イベントでのパーク講演。
生演奏を常時用意しながら、次々と俳優が出てくる姿はエンターテインメント企業の真髄を見せられました。
そこに、最新発表としての興奮が続々と与えられたのですから、格別な体験でした。
D23: The Ultimate Fan Eventに行った|舞浜横丁

映像

虎に翼

2024年はもうこれしかないでしょう。
虎に翼の話をするために年間ベストを書いているようなものです。
歴代朝ドラの中で良かったとかそんなレベルではありませんでした。
第1話の冒頭から引き込まれ、最終回、そして紅白特別ドラマまでどっぷりと浸かりました。
日本初の女性弁護士を主人公にした、憲法14条の実写化です。

完全な悪役もいなければ完璧な人物もいない中で、あらゆる問題を取り上げ、あらゆる人と向き合い救っていました。
自分ごとであったり、自分では気付けていなかった視点を得たり、知識として小学生の頃から知ってはいた憲法14条がここまで意味を持って見えてくるとは、考えたことすらなかった体験でした。
第1話での日本国憲法発布がまさかこんなに早く回収され、それがプロローグに過ぎなかったとは、その濃密さに慄きます。
ディズニーがいくらすごいメッセージを打ち出してきても、この物語に敵うとは思えない。
これを毎日2,000万人が見ていたという事実だけですごいことです。

唯一の欠点が、時間が足りないことという濃密なドラマ。
最終週の構想であったという、90年代の優未編も見てみたかったです。
きっと今後何十年も生きる支えとなり、このドラマに恥じない人生を送ろうと思える、名作中の名作でした。

The Last Verse

リチャード・シャーマン追悼動画
D23のリチャード・シャーマン追悼パネルで公開されました。
リチャードが生前最後の仕事として遺した「小さな世界」の新歌詞が明らかにされました。
イッツ・ア・スモールワールドが持つ力と歴史を端的に表現し、会場のみんなが号泣するような動画の中にも笑い声が混ざるユーモアもあり、まさにディズニーの映像作り。
本当に亡くなったんだなと実感もさせてくれた映像でした。

光る君へ

またNHKですが、大河ドラマも良かったです。
源氏物語の紫式部を主人公にした文学大河。
鎌倉殿の13人も面白かったですが、史実がわからないことが多い昔の方が面白く描けますね。
とはいえ「光る君へ」では、紫式部と藤原道長がソウルメイトという、ドラマの根本部分がものすごいフィクションというあまりに大胆な設定となっています。
史実を見失いかけるので、毎週更新されていた美術館なびの「回想」がありがたかったです。
この時代に解説でも考察でもなく「回想」というタイトルがおしゃれ。時系列順ではなく、最も残ったシーンを振り返った後で関連するように他シーンも辿る構成も面白かったです。
序盤からずっと源氏物語成立までのまひろ(紫式部)の背景と、道長サイドの政治的背景を描き続け、8月になってようやく源氏物語を書き始めるのもすごかった。
源氏物語の成立も当然良かったですが、その前に出てきた枕草子の成立が心に残りました。
紫式部と清少納言の対立はほとんどなく仲良しとして描かれる中で、作品としての陰と陽の対比ははっきりと描かれました。
その中で、枕草子が敗者の文学として描かれたのが、知らなかった捉え方でした。実際に最近の研究ではそう捉えられているようです。
昔暗唱させられた文章が、ただ四季を美しく描くだけでなく、輝かしかった頃を懐かしむように描いた背景を持つと、その美しさがぐっと増しました。
あえて関連付けると、「クマのプーさん」の原作の成立と受容も、WW1を経て世界の中心から外れていく英国におけるヴィクトリア期への郷愁があると考えています。それに通じる感覚でした。

2024年じゃないけれど見たもの

2024年にできたわけではないけれど、自分が2024年に体験して良かったもの

ヴェロキコースター

フロリダのユニバーサル・アイランズ・オブ・アドベンチャーのアトラクション。
『ジュラシック・ワールド』シリーズをテーマにしたコースターで、ヴェロキラプトルのように疾走するコースターです。
テーマ性とかではなく、ただただコースターとして名機。
単純にコースレイアウトが良すぎる。気持ち悪さが一切なく、ひたすら爽快なコースターでした。

ウィキッド

日本公開は2025年3月です。これを観るために韓国まで行きました。
ミュージカル版も好きですが、その音楽を見事に映像化。
劇団四季版しか見ていないのでブロードウェイ版は分かりませんが、映画では2人の学生らしさがよく出ていて、感情の振り幅への説得力が増していました。
ウィキッドの話の構成上、曲もストーリーも第1部に集中しているので、映画パート2がどうなるのか心配でしたが、これならパート2にも期待できそうです。
観てからずっと映画サントラを聴いています。
早く公開してくれ。公開されたらドルビーシネマが良いと思います。

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 - 海外パーク  - by poohya

アナハイム「クリッターカントリー」が「バイユーカントリー」に改名


ティアナのバイユー・アドベンチャーが、フロリダに続きカリフォルニアでもオープンしました。
スプラッシュ・マウンテンの後継で、『プリンセスと魔法のキス』をテーマにしたアトラクションです。
フロリダではマジックキングダムにオープン。乗ってきましたが、「話はよく分からないけれど高いところから落下して楽しかったな」というアトラクションでした。
ティアナには最新のA1000オーディオアニマトロニクスを使っているものの、それで予算が尽きたのか他がスカスカで、ティアナが出てくるまで何も起きない空間をただ進んでいくだけ。
これが同じボートライドでアニマトロニクス物量勝負してきた「アナとエルサのフローズンジャーニー」後なのだからどうしようもありません。
ストーリーも何年も前から説明されてきましたが、Qラインでそれが読み取れる新聞記事などは1箇所に固まっていて通過するだけではとても読み解けず、またもや他は何もない空間が続くだけ。
スプラッシュマウンテン的アトラクションは、なぜかパリに新設でライオン・キングのアトラクションが建設予定です。
マジックキングダムは目の前のアメリカ河がこれからカーズに変わるので、今からライオン・キングに変えた方がいい。まだ間に合う。

そんなことより、カリフォルニアのディズニーランドでは大きな変化が起きました。
バイユーアドベンチャーが立地するテーマランド「クリッターカントリー」が「バイユーカントリー」に改名されました。
安易すぎる。
バイユーとはアメリカ南部の河です。
(in the southern US) a very slow-moving stream or river that flows through flat, wet ground near the coast and is usually shallow (= not deep) with trees growing in and around it:
(Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus)
ここに「プーさんの冒険」と「カントリーベア・バーベキュー・ジャンボリー」があります。
プーはイギリスだぞ。あまりにも安易すぎます。
そもそも、ティアナのバイユー・アドベンチャーをニューオーリンズスクエアに組み込めばいいだけです。
ニューオーリンズ・スクエアにティアナのレストランもティアナ母のショップも作ったのだから、アトラクションも同じエリアに入れればいいだけなのに。
ブルーバイユー・レストランというそのままの名前のお店がニューオーリンズ・スクエアにあるのに。
なぜわざわざ別エリアにするのか意味がわかりません。
ニューオーリンズ・スクエアとバイユーカントリーの2エリアに分ける必要が本当にあると考えているのでしょうか。
アトラクションがつまらないのはまだしも、テーマランドすら考えられないのなら絶望的です。

プーさんの冒険とカントリーベア・バーベキュー・ジャンボリーはベアカントリーとして独立すればいい。
プーさんの冒険自体がカントリーベア・ジャンボリーを潰して作ったアトラクションだから気まずいけれど。

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OLC 2025年3月期 第2四半期決算発表

オリエンタルランドの2025年3月期2Q(2024年6〜9月)の決算が出ました。

過去最⾼の売上⾼の一方、コスト増により減益。
コスト面では、物価高騰による減価率の上昇と、ファンタジースプリングスが増えた分の人件費などの上昇がありました。
まあコストはかさむタイミングだよねと思うものの、営業利益は前年同期比18%減です。期初予想よりも減っています。

そして最大の問題は、入園者数が上半期で1,220万人と、前年同期比2.4%減になったこと。
40周年やリベンジ消費の反動減があるとはいえ、今年度の入園者数予想は前年比5%増の2,900万人です。
下半期での挽回も難しく、通年予想は上半期の減少をそのまま反映し2,800万人に修正されました。
これまでも入園者数が減少することはありましたが、今回の問題は、その原因が「猛暑」にあることです。
震災やコロナ禍と異なり、猛暑が来年以降急になくなることもないでしょうから、この調子だとずっと夏の入園者数は減ったままになってしまいます。

散水の拡大などの施策は打ったものの、昨年の猛暑を受けた対策を取ったため、応急処置的な施策であり、根本的な対策は取られていません。
一方で猛暑対策としてハロウィーンのスタートが10月に後ろ倒しされており、2Qでハロウィーンの効果を取り込めなくなりました。
これらの影響が大きいですが、猛暑への懸念は機関投資家が強く気にしており、決算発表よりも質疑応答で登場してきました。
2024年度の予想を出した際にも質疑応答で猛暑への対応が問われており、そこで「入園者数に関しては保守的な設定としている」と発言しています。
猛暑を踏まえて保守的な入園者数予想にしたのに、それを上回る猛暑で予想より減少してしまったのです。
というわけで、決算説明会では、まだ上半期が終わった段階なのに珍しく「今夏の振り返りと今後の集客の方向性」という章が追加されました。

今夏の状況としては、「来園希望者のうち、実際に来園した割合が前年同期より低下」があり、暑いから行くのやめよう層が響いたことが伺えます。
対策として「夏期のパークは従前より過ごしやすい環境であることの認知向上を図る」とありますが、対策を講じたとしてもあの猛暑では限界はあるしな…と思います。屋内型施設としてはピューロランドに加えて、ハリー・ポッター スタジオツアーやイマーシブ・フォートなども増えており、猛暑下での選択肢に屋外テーマパークを入れるのはなかなか大変そうです。
一方で「特定のターゲット」は低下しなかったため、来年からはその層に来園を喚起していくと。具体的には「若年層や東京ディズニーリゾートに好意を持つ層など」を挙げています。
若年層は暑さにも負けない。「東京ディズニーリゾートに好意を持つ層」はいかにも決算資料っぽい表現ですが、つまりハードリピーターということでしょう。文字面だけでは、好意を持たずにパーク来る人なんてほぼいなさそうですが。
最近になって、従来年パスだったマニア層が減ったとか若者が減ったとかネガティブ報道がいくつかありましたが、結果的にその通りの層に施策を打つことになった感はあります。
また、ウィークナイトパスポートやアーリーイブニングパスポートの夜間券は好調で、やはり暑いから日が落ちてから行きたい人が多かったのでした。
Reach for the Starsを夏の頭から公演しておけば…というたらればは浮かびますが。

下半期はハロウィーンが1ヶ月強に集中している上にクリスマスがあり、年明けのパルパルーザ第3弾もきっと頑張ってくれるでしょう。
期初予想の⼊園者数を維持しました。
その中で「ターゲットを限定した期間限定券種の実施」を挙げており、春のキャンパスデーパスポートなどが出るのかもしれません。
USJは夏に昼と夜で別のショーを公演しており、夜の集客につながっていた感覚です。それでも関西地区向けの割引パスを11月下旬から1月末に発売しており、集客を確保しておきたい姿勢が伺えます。ドンキーコングエリアも待てど暮らせどオープン日発表されませんし。

これも質疑応答で触れられていますが、夜間券や期間限定券種を売ると、ゲスト1人当たり単価は減少します。
今期のゲスト単価はディズニー・バケーションパッケージが牽引していたということで、夜間券や期間限定券種で減少してもバケパでカバーしていくという姿勢。ディズニー・プレミアアクセスも屋内レギュラーショーに拡大するなどしています。
インバウンドやバケーションパッケージなど定価で買ってくれる人からは追加課金も含めて単価を上げてもらう方針は続けつつ、そこまでの金銭的意欲を持たない層にもリーチしていく方向になりそうです。

また、スペースマウンテンやバズ・ライトイヤーのクローズイベントは猛暑でも好調だったそう。あまりそんな感覚ありませんでしたが、良かったようです。とはいえ直近でクローズ予定のアトラクションもなさそうですしね。
その中でスプラッシュマウンテンのびしょ濡れバージョンなどは触れられていないことから、期間限定なら良いというわけではないのかも。イッツ・ア・スモールワールドのマーベルバージョンが下半期からどう影響するのかも気になってきます。

ファンタジースプリングス開業の四半期でこの数字はなかなか厳しいですが、エリアの回転効率が良くなればコストも下がっていくことでしょう。
年度内はファンタジースプリングス・マジックのパスポート販売もあります。
そして、じわじわと下がり続けていた株価ですが、決算発表後は上昇しており、日経によると「目先の悪材料が出尽くしたとして次第に買いが優勢になった」とのこと。

2025年には新たな中期経営計画の発表も予定されています。
コロナ禍以降の入園者数をある程度抑えつつ単価を上昇させる戦略について試行期間を終えて本格的な方針になっていくでしょうし、継続的な猛暑対策の方針も求められます。
そしてクルーズを含めた長期の経営計画も発表すると予告されました。
クルーズは猛暑でも影響が少ないでしょうから、長期的には夏の旅行需要をクルーズが取り込んでくれることに期待しています。

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 - 海外パーク  - by poohya

D23: The Ultimate Fan Eventに行った

2ヶ月半前に。

D23 ExpoがD23: The Ultimate Fan Eventと名前を変えた第1回。
大きく変わったのは、体験型のイベントになったことでした。
コンベンションセンター内のブースは特に顕著で、マーベルやルーカスフィルムが体験に振り切っていました。
マーベルはTVAツアーの形式で、ミスミニッツの映像やロケットとのトークを入れつつ、従来の作品衣装展示はタイムドアから見られる形に。
ルーカスフィルムは、巨大スクリーンで背景を作れるVolumeをそのまま展示し、デモンストレーションも実施しました。
ディズニーパークはイマジニアリングのブースとして出展し、中央にミニステージを設置して30分ごとにミニトークを行っていました。
パビリオン内でFuture Imagineerのネームタグ風シールを配っていたり、ミニトークでは締めとして今後イマジニアを目指す人へのメッセージを送ることも多かったり、イマジニアという職業にゲストを巻き込む仕掛けを感じました。

個人的には前日に行われたパークでのD23 DayでDCA側がディズニー・ジュニアのイベントを行い、パレードでプーとソフィアが並んで登場してきた時点でイベントに満足していたため、非常に気が楽に過ごせました。
「いっしょにあそぼう!くまのプーさん」衣装のプーとグリーティングできたし、D23会場でもグリーティングできたし。

わかりやすく大きな変化は、従来のHall D23でのプレゼンテーションがホンダセンターに移動したことです。
プレゼンテーションが夜にある分、全体でのD23の体験時間は長くなっており、時間にゆとりができました。
ただ、時間にゆとりが生まれたのは、コンベンションセンター内の講演にあまり参加しなかったからというのもありました。
フィニアスとファーブなど人気の講演は相変わらずすぐ埋まる一方、パークやアニメーションの講演は少なめでした。
アリーナでの講演は座席が多く快適でよかったです。
他の参加者も時間にゆとりがあるので、ブースの行列がものすごく、マーベルやディズニー・チャンネルID体験などは朝一を狙わないと厳しかったです。

これまでD23 Expoでは東京にほぼ触れないので、何秒東京に触れるかを見るという遊びにすらなっていましたが、今回はファンタジースプリングスという強力コンテンツがあり、それも楽しみにしていました。
わざわざファンタジースプリングスの柄がよく出ているアロハシャツを着て行ったら、ちゃんと現地の人に絡まれて。
アリーナでのファンタジースプリングス、香港アナ雪、上海ズートピア、ティアナの講演も面白かったです。
これが期待していたファンイベント要素だったのですが、今回はそれを圧倒的に上回る体験になりました。

まず、単純に自分が現地で会った方の運でD23側のものではないのですが、D23 Emporiumで出展者と話すこともできました。
D23 Expoは新情報発表会ではなくファンイベントだろうとずっと思ってきていたので、これがExpoだ〜と大満足でした。


そしてホンダセンターのプレゼンテーションも、新情報発表会を超えたショーになっていました。
まずホンダセンターに入ると客入れDJが行われていました。
指定席だし平和な雰囲気の中でDJがあり、客席から中継してゲストにクイズを答えさせてもいました。
これが本当にマニアックなクイズを出しているので、この会場にいるのがマニアックな人たちなんだという雰囲気になります。
最終日なんてゲストの自己紹介時に好きなディズニーレジェンドを聞いていました。
そんな質問聞いたことないし普通に答える会場も異常。
そしてこれまでの全員が正面を向くシアター形式からアリーナ形式に変わったため、ゲスト同士が向かい合う座席が生まれました。
この雰囲気のおかげで、ディズニーマニアが集まってショーを楽しむ空気になったのです。

初日の映画プレゼンは、ピクサーはショーアップするのが上手かったけれど、他はまあまあくらい。
すごかったのは2日目のパーク(Experiences Showcase)でした。
ステージにはオーケストラを用意し、細かな音楽まで生で見せるのはすごかった。
そして新発表会としてみても大満足の超豪華な発表内容。
偉い人やイマジニアがただ説明するのではなく、ゲストも盛り込みながらショーとして発表していく形式です。
発表して関連した音楽という流れかと思いきやどんどん融合していき、歌の中で発表する始末。
ただ予定時間の倍かかるのはいい加減にしろ。

そして最終日のホンダセンターはディズニーレジェンド授賞式。
今までは初日朝のオープニングで行っていて、最後にレジェンド授賞式単体で持つのか心配していましたが杞憂でした。
ゴールドを基調とした照明で、かなり格式高い雰囲気になりました。
これまでは、アイガーなど偉い人が受賞者を呼び、スピーチ、ショーという流れで、ショーで歌わせるために俳優や声優を受賞させているのではという感じすらありました。
今回は、プレゼンターとして受賞者と親交のある著名人などが受賞者を紹介し、スピーチという流れ。
従来のショー部分をプレゼンターが担当することで、誰が受賞してもショーアップされていました。
俳優はもちろん、パークガイドだったマーサ・ブランディングの際はダッパーダンにミッキーも登場。
ショー自体も、プレゼンターが受賞者に届けるという形なので、観客はショーを観る側ではなくプレゼンターと一緒になって受賞者を称える立場だったのも、面白いショーを見せろという姿勢にならずによかったです。
さらに、豪華なプレゼンターが来て会場がスタンディングオベーションになった流れから、全受賞者に対して呼び込みの際にスタンディングオベーションが起きて、敬意を表す形になっていったのも素敵な会場でした。
ジェイミー・リー・カーティスのスピーチ中にThere’s a Great Big Beautiful Tomorrowを歌うことになったときも、歌詞表示なしでみんなが普通に歌えているのもやっぱり異常な会場です。
そしてマイリー・サイラス。
史上最年少のディズニーレジェンドになったそうで、これまで誰が最年少だったのかは知らないけれどマイリーこそ最年少のレジェンドにふさわしいでしょう。
スピーチの中で涙を流し、自分がハンナ・モンタナだったことを誇りに思うと語ったマイリー。
D23はディズニーを裏側からも見るイベントであり、マイリーとハンナの関係とも近いわけで、その空間を体験できてとてもよかったです。
ディズニーレジェンドはどうしてもディズニーから離れた人がほとんどになるわけですが、みんなそれでもディズニーと関わったことを誇りに思っているような人ばかりで(受賞したんだから当然だけれど)、その空気が良かった。というのはその日の昼の影響が大きいわけですが。


最終日の昼はリチャード・シャーマン追悼講演がありました。
その前日に1964ニューヨーク万博の講演をみたのですが、ピート・ドクターが出る予告だったのにゲストとしてケヴィン・ファイギとジョン・ファヴローとマイケル・ジアッチーノまで出てきました。
ピート・ドクターはピクサーのトップですが、WDASも含めてアニメーションを率いる人物になる覚悟を決めたのかなというほど、あちこちのステージに出てきました。
そしてケヴィン・ファイギとジョン・ファヴローはアイアンマン2でのリチャード・シャーマンの楽曲提供の話と映像を披露。
マイケル・ジアッチーノはトゥモローランドの話をしつつ、ファンタスティック・フォーが60年代風になることに関連付けた話も。
ウォルトの精神を体現するようなニューヨーク万博はパークへの大きな影響を与えたのは当然ですが、ピクサーも実写もマーベルも、オプティミズムの精神で繋がっており大きなディズニーなのだと感じました。

そしてシャーマン追悼講演。
唯一出演者として予告されていたのは、司会のジョン・ステイモスでした。
オープニングの映像は、「The Last Verse」という一文から始まり、時代も場所も環境も超えてさまざまな場所でイッツ・ア・スモールワールドが歌われているという、まさにこの歌らしいもの。
ライオン・キングのザズーが歌うシーンなど笑わせるシーンもありつつ、最後には知らない歌詞が。
そしてサプライズでアイガーが登壇し、イッツ・ア・スモールワールドにリチャードが歌詞を付け足したという衝撃的な映像を紹介しました。
おそらく最後の仕事だとわかった上で作ったものでしょう。
既に号泣でしたし、周りをみてもみんな号泣でした。
そこからは、音楽葬のように、シャーマン兄弟の歌と共に各人が思い出を振り返っていきます。
ドン・ハーンの仕切りで、アシュリー・ブラウン、フロイド・ノーマン、トニー・バクスター、ケヴィン・ファイギが話すという、D23ならではの豪華な布陣。
前日のニューヨーク万博講演でのトークも補助線になり、オールディズニーがシャーマン兄弟と関わり、ディズニーらしさを体現していったことを示しているようでした。
最後には登壇者と会場全員でLet’s Go Fly A Kiteを合唱。
会場号泣しながら合唱です。今思えば当たり前のように歌詞表示なかったな。
みんなで歌って偲ぶことで、本当に亡くなったんだなと実感しました。
そして最後にはジョン・ステイモスは号泣しており喋るのに詰まるほど。
スタジオを越えまさにオールディズニーの豪華メンバーが集い、誰もが仕事を超えてディズニーを深く思っていることが伝わってきました。

これまでD23 Expoはネットで体験できる、ネットの方がより多くわかると言ってきましたが、イベント名が変わって今回は現地で体感する価値が大いにあるイベントでした。
もう今後行かない選択肢がなくなるほど。
どんどん拡大していくディズニーですが、その根幹にある部分をクリエイター側と何万人ものファンが共有して、オールディズニーを感じるイベントでした。

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