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 - 東京ディズニーリゾート  - by poohya

OLC上半期決算は増収増益も株価は大幅下落

2025年度上半期の決算が発表されました。
前年同期比で、売上高は6.4%増、営業利益は8.0%増。
ゲスト1人当たり売上高の増やホテル収入の増などにより、増収増益になりました。
ファンタジースプリングスやスペシャルイベントが好調。
問題だった夏も、アトラクションのスペシャルバージョンや夜間ショーの満足度が高く、アーティストコラボや夜間券などで入園者数の底上げにつながったとしています。

よかったよかった。
そんなことよりミニーのファンダーランド再演か!と思っていたら、翌日の株価が急落していました。
OLCの業績予想より10%の増益になったものの、市場予想を下回ったことで株価が10%落ちたそう。
日経平均が急上昇している中で対照的な結果となりました。

というわけでちゃんと読みます。
OLCは昨年の夏に猛暑で大打撃を受けました。
ファンタジースプリングス開業にも関わらず、上半期の入園者数が、前年比で30万人も減少。
それまでも質疑応答で機関投資家から指摘はあったものの、上半期決算内で初めて1項目を設けて猛暑対策と今後の方向性について説明する事態となりました。
それを経て、様々な避暑プログラムや夏イベント、夜間チケットなどの施策をうった今夏です。

今回の決算発表は2025年上半期、1Qにあたる4〜6月と2Qにあたる7〜9月を連結したもの。
上半期決算から1Q決算を引くことで、2Qの数字が出てきます。
2Qのみで前年比を計算します。

売上高 1,524億円(前年比+36億円/+2.4%)
うちテーマパーク売上 1,205億円(前年比+32億円/+2.7%)
ホテル売上 276億円(前年比+1億円/+0.4%)

営業利益 295億円(前年比-3億円/-1.0%)
うちテーマパーク営業利益 205億円(前年比-13億円/-6.0%)
ホテル営業利益 84億円(前年比+4億円/+5.0%)

テーマパークは増収減益となっています。
入園者数はほぼ同様で、ゲスト単価が上昇したことから増収になっています。
入園者数については、1Qも「ほぼ同様」でした。
つまり1Qも2Qもほぼ昨年同様の入園者数だったわけで、その昨年は2Qで大幅に減らす大ダメージだった年です。
今年も2Qの入園者数は回復しなかったと言え、「入園者数の底上げにつながった」と言えるのか微妙。
と思っていたら、機関投資家との質疑応答にて、9月が昨年のバズ・ライトイヤーのクローズ前需要の反動が影響したと述べられました。8月より9月の減少の結果、昨年同様の入園者数に落ち着いた可能性も伺えます。
昨年はハロウィーンが10月からだったのに対して、今年は9月半から開始しパレードの高気温キャンセルも少なかったので調子良いかと思っていましたが、ハロウィーン前倒しではだめだったみたいです。

ホテルは、上半期で好調だったといいますが、2Qでは1億円、0.4%増にとどまります。
しかもホテル内訳を見ると、ディズニーホテルの売上は255億円で前年と変わらず。その他ホテルが1億円増の要因です。
つまり、上半期全体では昨年4,5月に稼働していなかったファンタジースプリングスホテルが増えただけで、ホテル数が変わらない2Qは売上が増えていないことになります。

質疑応答では、入園者層の推移や、チケット価格についての質問が多くなっています。
社長はインタビューで物価高によるチケット価格への影響を指摘していましたが、投資家側はそんなこと言ってないでチケット上げないと単価上がらないだろうといった印象です。
一方で、夜間チケットは夏場に手応えがあったようで、さらにパークホッパーチケットも1〜3月に再発売が決定しました。
夜間チケットや学生向けカレッジパスポートなど、単価が下がるチケットは存在しており、確かにゲスト1人当たり売上高だけを見ればマイナス要因になります。
その中で、カレッジパスポートについては「将来のリピーターに繋がるという中長期の観点で実施する」と述べられているのが印象的でした。
コロナ以降で中長期のリピーター育成に向けた施策をはっきり示しているのは珍しいと思います。
目先の単価上昇の声に惑わされず中長期視点での育成も続けてほしいです。
でも株価が落ちすぎても困る…

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