- 海外パーク - by poohya
ユニバーサル・エピック・ユニバース エリアとアトラクションの感想
フロリダに誕生したユニバーサル・スタジオの新テーマパーク「ユニバーサル・エピック・ユニバース」に行きました。
行った話は前回書いたので、今回はエリアとアトラクションなどの感想です。
一部ネタバレになります。
ハリー・ポッター

ユニバーサル・オーランド・リゾートには、各パークにハリー・ポッターのエリアがあります。大阪でもお馴染みのホグズミードとホグワーツ城、そしてダイアゴン横丁、さらにエピック・ユニバースに誕生したのがパリ魔法省です。どこもユニバーサルの本気を投入しているエリアです。
ホグズミードとダイアゴン横丁はハリー・ポッターの世界で、両パークはホグワーツ特急で結ばれています。今回のパリ魔法省は、ファンタスティック・ビースト(2作目)に出てきた世界です。パリということで、ロンドンベースの他2エリアに対して、明るくておしゃれな世界観。大きなレストランもあり、ファンタビのパリ魔法使いの上品な雰囲気があります。クレープにバタービールのホイップを添えていて商売が上手い。おしゃれな世界観なので単価が上がっているような気がします。
通路は大きなT字になっていて、街並みの店舗がレストランやショップになっています。本来はアトラクションができるはずだったと言われている、何もなくフォトスポット化している空間もありますが、インタラクティブ杖でうまいことごまかせています。また、裏路地として闇の魔法使いが集う空間もあり、この辺りがパリのおしゃれさとの対比になっていて上手な作りでした。ダイアゴン横丁もですが、メインの映えるストリートと、実務を担う街の構造と、路地の配置が非常に上手いです。
道の中央にはテントがあり、ファンタスティック・ビーストの映画に登場したサーカスが、ショーとして公演されています。テントに入ると、そのまま建物の奥へと繋がっていて、そこにショー用地が確保されているのですが、到底みんなが入れるわけない大きさのテントに人々が吸い込まれていく様子は魔法のようでした。ショーはアトラクションと違ってちゃんとファンタスティック・ビーストの話。序盤のマジックショーはすごいんだかすごくないんだかよくわかりませんでしたが、ニュートのカバンが登場すると驚きの展開でした。壮大すぎます。魔法生物が実際に動き出す感じは、テーマパークの魔法に溢れていて素敵でした。
そしてメインアトラクションへ。地下鉄の駅からQラインが始まり、途中で煙突飛行ネットワーク的なものを通って、ハリー・ポッター最終章後のロンドン魔法省へとワープします。ファンタビのエリアができたと思ったら、アトラクションはハリー・ポッターで潔い。
ここからのQラインは、屋内のロンドン魔法省。としまえんのスタジオツアーのセットを思い出しますが、規模と造り込みが圧倒的です。中に売店のプロップスがあると思ったら、本当に水を売っていました。
アトラクションのストーリーは、アンブリッジが逮捕された後、魔法省で裁判が行われる日にゲストが傍聴に行くというもの。魔法省内にはアンブリッジ裁判のお知らせが大きく掲げられています。魔法で動く写真を映像で表現するのは定番ですが、この大きさがあると魔法に感じてきます。奥の方の背景も映像や書割りで作られていますが、意識しないと気付かないようなプロップスと映像のシームレスさに驚かされます。
大広間からさらに狭い廊下や部屋を進んでいき、魔法省を探索気分に。これが全てQラインなのだから驚きです。クルーにも全然出会わないし、一体どうやって管理しているのでしょうか。ロンドン魔法省に入ってから80分並びました。当然のように待ち時間3桁が前提なのも恐ろしいですが、それを吸収する広大な屋内Qが贅沢すぎる。
ようやくアトラクション本編へ。ライドはエレベーターの設定で、タワー・オブ・テラーのような座席配置です。仕組みとしては、スパイダーマン・ザ・ライドやピーターパンのネバーランドアドベンチャーの進化版。自在に傾きを作れるライドをさらに動けるようにしており、ドロップで落下するような効果が加わっています。乗ってみると、地面からかなりの高さのあるライドであることがわかります。これほどの高さが必要な超大型ライドです。Qラインの時点ですでに土地の制約がない広大さを感じていますが、ライドに乗るとさらに敷地の広さを見せつけられます。とても日本で真似できるとは思えない贅沢さ。
アトラクション本編でも、物理的なプロップスやアニメーテッド・フィギュア(アニマトロニクス)と映像のシームレスさに驚かされました。ユニバーサルのパークの特徴として、実写映画のアトラクションが多いため、どうしても映像に頼りがちになります。ライドで映像をどう見せていくかということを追求してきて、新たな到達点に達していると感じました。
映像アトラクションは、大きなスクリーンでストーリーが進行し、次のスクリーンへ移動するというのを繰り返す形になりがちです。それがこのライドでは無駄な空間がほとんどなく、ずっとスクリーンがある感覚を与えられます。設計が上手いのと、ライドに上下の動きが加わっているのが大きい気がします。大スクリーン+手前にアニメーテッド・フィギュアというシーンは、動きのシームレスさがすごく、引き込まれていると区別をつけずに見入っている感覚でした。
ハリーやアンブリッジたちがエレベーターで移動するシーンも多く、これはエレベーターだけが物理的に飛び出ていて、周りを湾曲スクリーンが囲っているような形です。エレベーターが物理的に動きそれに合わせてライドも動くので、ただスクリーンを見るよりもかなり没入感が加わっています。単にスクリーンを置くのではなく、細かく柱と柱の間などにスクリーンを仕込んでいるのがかなり効果的です。ライド中ずっと魔法省の中にいるので、長いQラインでずっと印象に残っている魔法省のタイル張りの壁も、スクリーンのシームレスさや移動時の虚無感の排除に一躍買っている気がしました。
映像と物理的な動きの組み合わせが本当に進化していると感じました。
乗り終わったら、再び魔法省のロビーに戻ります。出口もちゃんと煙突飛行ネットワーク的なエフェクトでパリに帰るようになっており、出口でもしっかりストーリーを突き通す姿勢は素晴らしいです。
ダーク・ユニバース

映画のダーク・ユニバースとは関係なく、ユニバーサル・モンスターズを使用したオリジナル世界観のエリアです。ホラーチックな世界観はやっぱりおしゃれ。一気に裏路地に入ったようです。ダークムーアという村を進んでいくと、フランケンシュタインマナーがそびえています。ここがメインアトラクションのモンスターズ・アンチェインドです。
この屋敷はヴィクトリア・フランケンシュタインがモンスターの実験を行っている場所で、Qラインにもストーリーを伝えるプロップスが豊富です。プレショーはフランケンシュタインとフランケンシュタインが登場。フランケンシュタインのアニメーテッド・フィギュアのクオリティを見せつけられます。そこから、ハリー・ポッターのフォービドゥン・ジャーニー(大阪にもあるアトラクション)のような横4人乗りのアーム式ライドに乗りこみます。プラットホームは回転台。
様々なモンスターがアニメーテッド・フィギュアで登場してきます。ユニバーサルにありがちな映像メインではないぞという気合を感じるライドです。ユニバーサルが目指すダークライドの姿という印象でした。テーマパークの古典的なダークライドを最新型にする際に何を表現するかという追求はあり、最近のディズニーはボートライドの傾向を目指しています。これに対してユニバーサルはスリルを使って見せるという方法を選択した感じです。
モンスターのアニメーテッド・フィギュアは造りが良かったので、ディズニーのオーディオアニマトロニクスの優位性は人の顔なんだろうなと思います。モンスター・アンチェインドも魔法省も、人間のアニメーテッド・フィギュアはまだまだディズニーのオーディオアニマトロニクスにかないません。ユニバーサルは人の顔は映像投影で、マイントレイン時代の投影式アニマトロニクスに比べたら技術進歩はありますが、やっぱり投影顔はイマイチです。ライド形式は最新型の大掛かりなものです。ただ内容としては、ちゃんと見ればフィギュアを支える棒などが見えるけれど、そこは暗さとスリルでカバーするという、古典的なダークライドの延長線上にあると思いました。
フランケンシュタインマナーを抜けると、ダークムーアの街並みから外れてもっと荒廃したような世界が広がります。
ここにあるのが、狼男のコースター。コースターとしては面白く、この構造である程度の回転率を保っているのはかなりすごかったです。ストーリーはよくわからなかった。
このコースターを円で囲むように道ができていて、コースターの裏側に燃える風車があります。定期的に火が吹き出て、風車の羽根が燃えます。かっこいい。
こういった部分が、エリアのメイン通路から隠れているのが、エピック・ユニバースのエリア設計のうまさだと思いました。
ヒックとドラゴン

エリアとしてはヒックとドラゴンが最も好きでした。
実際に地球上にありそうなファンタジーの世界で、魅力的なキャラクターがいるという映画が、いかにテーマパーク向きかを実感させられました。
ゲストはバイキングになるためにバーク島にやってきたという感じで、アトラクションでもドラゴンの乗り方を習うものやバイキングになるための修行が行えます。このエリアも、入るといきなり水辺が出てきて、その奥にアトラクションなどのメインストリートがある構造です。水辺にバイキング像がそびえ立ちコースターが走り、奥に大きな山が見える造形だけで一気に引き込まれました。歩いていると、あちこちにドラゴンがいて、ドラゴンが実際に動きます。また、木や石で町やアトラクションを作っているという、手作り感があります。ヒックとドラゴンは、バイキングが海、ドラゴン乗りが空を目指し、それがハンドメイドで作られている世界。まさにテーマパークの理想のようなロマンと空間の広がりに溢れる設定です。その設定の良さを存分に活かしていました。
ファミリー向けに振っているエリアで、他エリアに対して超大型ライドはありません。プレイグラウンドがあったり、コースターも優しめだったりします。その分アトラクションの数は多いのですが、それぞれにドラゴン乗りの訓練やバイキングの訓練などストーリー上の必然性があります。コースターでは、ヒックが作ったグライダーに乗ってドラゴンでの飛行を体感するというもので、水辺を左右に振られながら進み、一度止まるとドラゴンの赤ちゃんを見て、また空へ向かうという内容。空を飛ぶ感覚を追体験しつつ、コースター巧者らしい一旦停止と再加速の見せ場も用意して、スリル以上に満足度の高いものでした。
レストランも、バイキングの集会所が再現されていて素敵です。これはパーク全体の話ですが、各エリアでオリジナルビールが売られていて最高でした。
ショーは、北京でも上演されている、アントレインナブル・ドラゴン。ミュージカル形式で、巨大ドラゴンの暴走を収めようとするヒックとアスティの姿が描かれます。このショーの目玉は、飛行するトゥースとヒック。ただただすごい。
グリーティングでもトゥースと実際に触れ合えて、どういう仕組みなのかわからないくらいすごい。小型の自立歩行ドラゴンもいるみたいですが会えませんでした。
エリア全体にまやかしのようなものがなく、全てでバーク島の住人とドラゴンたちがゲストをバイキング見習いとして迎え入れている設定が通底していて、本当に素晴らしいエリアです。
スーパー・ニンテンドー・ワールド

すごい世界観のエリアが連続しているので、大阪でおなじみの景色に安心します。
大阪とほぼ一緒なので省略。
セレスティアル・パーク

パークの中央の公園です。城前のハブのようなもので、そこから4エリアへのポータルが広がっています。中央には大きな噴水があり、かなり広々とした空間。バーや生演奏のバンドスタンドもあり、本当に公園を意識した空間になっています。
一応神話の世界をテーマにしていますが、あまりストーリーを感じない公園で、ストーリーの強いエリア同士を行き来する際の緩衝材になっています。個々のエリアが独立したポータル型のテーマパークでは、緩衝材の空間が大事なんだろうなと思いました。
アトラクションは、スターダスト・レーサーズのコースターと、カルーセル。スターダスト・レーサーズはエリアの端にあり、ヒックとドラゴンのエリアと隣接するような場所です。乗ると、拡張用地の広さをこれでもかと見せてくれます。コースターのスリルとしてはパークトップのアトラクションで、かなり頭も振られますが、2台同時発射や疾走感など気持ちよさがありました。
中央エリアということで、エントランスには大型ショップとスターバックスがあります。各エリアの商品や、エピック・ユニバース全体のグッズを扱っています。各エリアはきちんと自分のグッズしか扱わないため、全体グッズはここだけ。また、お菓子ショップには専用のキャラクターがいて、このショップオリジナルの商品も扱っています。各エリア内では、ショップごとに扱うグッズが異なるのもきちんとストーリーが行き届いていて、さらにショップのロゴグッズも売っていて、出来立てのテーマパークに来たなと感慨がありました。
エリアの奥には、ヘリオス・グランド・ホテルがそびえ立っています。パーク一体型の巨大高級ホテルが各エリアの景観をやや邪魔してくるのはファンタジースプリングスと似たところ。それでもエピック・ユニバースはあまり気にならない具合です。ちゃんとプールやバーも併設されていて、ゆったり過ごせそうだなと思いました。
中央の噴水では夜に噴水ショーを公演しますが、噴水と音楽だけにしては長い。今後パレードをやるなんて噂もあるみたいなので、その辺りが充実するとセレスティアル・パークでの過ごし方も変わってくるかなと思います。バーとバンドスタンドがある公園は好きです。

ハリー・ポッターは通路の狭さと屋内の広大さ、ヒックとドラゴンは海と空と山の壮大さ、ダーク・ユニバースは裏路地のような隠れ里感、ニンテンドーは囲われたゲーム空間と、各々のエリアで全く違う造形になっていました。その行き来をクッションするセレスティアル・パークも大事な役割があるように思います。
これだけのクオリティのものをよくいっぺんに作ったなと驚かされるばかりです。ただ、パークとして狭いのは間違いなく、エリア造形とアトラクションがメインで、アトラクションも超大型があるだけで数自体は少なめ。ショーやパレードがないと滞在時間は伸びないでしょう。まだまだいくつもの拡張用地が残されていますし、スクラップなしでビルドし続けられるパークの可能性は大きいです。ここまで露骨に将来の拡張を匂わせる新規パークも珍しい。
ユニバーサル・オーランド・リゾートの飛び地というより、オーランドにユニバーサルリゾートが2つあるという状態になっていくんだろうなと思っていますが、そうなったときは全てをワールドとして囲ったディズニーとまた異なる感覚のリゾートになりそうで楽しみです。
