「 くまのプーさん 」 一覧
熊でも分かるディズニープーまとめ 2
プー新作について「35年ぶり」という表現が多く使われています。
35年前への回帰を打ち出した新作、ではこの35年以上前には何があったのでしょう、何に回帰するのでしょう。
そしてここ35年で何が変わったのでしょうか。
前回の表の主要作品リストを中心に、ディズニープーの歴史を辿っていきます。
今回は、60,70’s、80,90’s、00’sの3時代に分けてみました。
1926、28年にA.A.ミルンが出版した原作「クマのプーさん」「プー横丁に建った家」。
そこで完結したプー、その後ミルンはプー作品を避けようとしながら1956年に74歳で生涯を閉じます。
それから10年後の1966年、ディズニーによってプーが動き出しました。
事を辿れば1962年、ウォルトはプーの版権を獲得しました。ミルンは既に亡くなっていましたから、妻のミルンからです。
当時、プーはイギリスでは大人気を博していましたが、アメリカでの知名度はいまいちでした。
プーが人気キャラクターになると確信していたウォルトは、アメリカでの認知度を上げる為に、長編で公開するのではなく、中編を3本順次公開してからそれをまとめて長編にするという方法に決定しました。
一方で、「我々が手を加えることは何も無い」と原作の良さをとにかく生かす方針を打ち出していました。
こうして1966年2/4「プーさんとはちみつ」が公開されますが、ウォルトはその10ヵ月後に亡くなります。
このこともあり残り2作の製作には時間がかかり、10年以上を要しましたが、1977年”最終章”を加え、遂に「くまのプーさん/完全保存版」として長編映画、ディズニー・クラシックス第22作目として公開されました。
これが35年前に起きたこと。ウォルトの意志が反映されたディズニープーの時代でした。
時代は変わり1980年代。
プーは既にウォルトの予想をも上回る大人気キャラクターになっていました。
そんな中で、プーの新しい作品を作らないのはもったいないという声があがってきます。
そして”完結”したはずのプーが復活するのです。
1983年スペシャルシリーズ短編「プーさんとイーヨーのいち日」公開。
これが完全保存版以降初のプー作品、つまりウォルトの関わらない初のプー作品となったのです。
それによりかなりの批判がありましたが、同年からテレビシリーズもスタート。
「Welcome to Pooh Corner」着ぐるみ実写で、子供向け教育ものです。
プーさんとイーヨーの一日に批判をするのが馬鹿らしくなるようなものです。
そして88年~テレビシリーズ「新くまのプーさん」、このシリーズでプー復活は決定的になります。
着実に、順番に”完結”後の復活の道を辿ったプーは遂に長編に帰ってきます。
97年「くまのプーさん/クリストファー・ロビンを探せ!」20年ぶりの長編として宣伝されます。今回の35年ぶりと同じような宣伝です。
この作品で、完全保存版最終章から話を繋げ、ディズニーでの100エーカーの森の歴史が確立されたのです。
“完結”後、短編、テレビ、長編と復活してきたプーは、2000年、遂に劇場に帰ってきたのです。
映画「ティガームービー/プーさんの贈りもの」、この時代プーはミッキーを凌ぐほどの世界的大ブーム。
そのタイミングで登場した劇場版。この作品からスピンオフを導入。
また、01~02年にはプレイハウスディズニーで「ザ・ブック・オブ・プー」
その後も「くまのプーさん/完全保存版Ⅱ ピグレット・ムービー」「くまのプーさん/ルーの楽しい春の日」と毎年長編が作られていきました。
翌年、「くまのプーさん ザ・ムービー/はじめまして、ランピー!」、スピンオフ方式もほぼ出尽くした形となり、新しいキャラクターを作ることになったのです。
こうしてズオウのランピーが登場。その年ハロウィン作品「くまのプーさん/ランピーとぶるぶるオバケ」も製作され、ランピーの人気を更に高めようとします。
2007年~現在、プレイハウスディズニーでミッキーマウス・クラブハウスと並ぶ代表格となるCGシリーズ「プーさんといっしょ」が登場します。
新キャラクターも多数、さらにクリストファー・ロビンではない人間の女の子ダービーも登場します。
この10年間で、プーは長編作品でもプレイハウスディズニーでも定番になりました。
一方で後半5年間は新キャラクターの登場,CG化と、ウォルト時代から大きく変わってきました。
そして2011年、ウォルト死後の二時代を越えた35年ぶりの作品、手書きタッチの2D、ティガームービーで確立された原作キャラクターで、プー2度目のディズニークラシックス作品が公開されます。
熊でも分かるディズニープーまとめ
今まで原作を読んできましたが、この原作がディズニーによってどのように変わっていったのか。
プー新作に向けて、これまでのディズニープーの歴史をおさらいします。
各作品の特徴を表の形式でまとめていきます。
まずはプーの主要作品リスト
公開年 | 邦題 | 原題 | 備考 | |||
1 | 1966 | 中編 | プーさんとはちみつ | Winnie the Pooh and the Honey Tree | ||
2 | 1968 | 中編 | プーさんと大あらし | Winnie the Pooh and the Blusetly Day | ||
3 | 1974 | 中編 | プーさんとティガー | Winnie the Pooh and Tigger Too! | ||
4 | 1977 | 長編 | くまのプーさん/完全保存版 | The Many Adventures of Winnie the Pooh | 日DVD | |
5 | 1983 | 短編 | プーさんとイーヨーのいち日 | Winnie the Pooh and a Day for Eeyore | 日DVD | |
6 | 1983~86 | TV | ― | Welcome to Pooh Corner | 米のみ | 実写 |
7 | 1988~91 | TV | 新くまのプーさん | The New Adventures of Winnie the Pooh | ||
8 | 1997 | 長編 | くまのプーさん/クリストファー・ロビンを探せ! | Pooh’s Grand Adventure: The Search for Christopher Robin | DVD | |
9 | 2000 | 長編 | ティガームービー/プーさんの贈りもの | The Tigger Movie | ||
10 | 2001~02 | TV | ザ・ブック・オブ・プー | The Book of Pooh | プレイハウス | 人形劇 |
11 | 2003 | 長編 | くまのプーさん/完全保存版Ⅱ ピグレット・ムービー | Piglet’s Big Movie | 日DVD | |
12 | 2004 | 長編 | くまのプーさん/ルーの楽しい春の日 | Winnie the Pooh: Springtime with Roo | DVD | |
13 | 2005 | 長編 | くまのプーさん ザ・ムービー/はじめまして、ランピー! | Pooh’s Heffalump Movie | 日DVD | |
14 | 2005 | 長編 | くまのプーさん/ランピーとぶるぶるオバケ | Pooh’s Heffalump Halloween Movie | DVD | |
15 | 2007~ | TV | プーさんといっしょ | My Friend Tigger and Pooh | プレイハウス | CG |
16 | 2011 | 長編 | ― | ― |
今後分かりやすいように番号を振りました。
尚、6は邦題不明、16は題名未定です。
続いて、長編作品のスタイルと主役キャラクター、推しキャラクター
略題 | スタイル | 進行 | 主役 | 推し | |
4 | 完全保存版 | 3中編オムニバス | 本+ナレーター | ||
5 | イーヨーの一日 | 2原作連結 | ナレーター | イーヨー | |
8 | ロビンを探せ | オリジナル長編 | |||
9 | ティガームービー | オリジナル長編 | ティガー | ルー | |
11 | ピグレットムービー | 3原作オムニバス | スクラップブック | ピグレット | ルー,イーヨー |
12 | ルーの春の日 | オリジナル長編 | ルー | ラビット | |
13 | ランピームービー | オリジナル長編 | ランピー | ルー | |
14 | ぶるぶるオバケ | 特別編を使用(注) | 回想 | ランピー | ルー |
16 | 2011新作 | 5原作使用 | 本+ナレーター | イーヨー |
5イーヨーのいちにちのみ短編。他は長編。
進行はスタイルで原作を連結している場合、話同士の連結方法。
推しキャラクターは個人的な意見です。
注:14ぶるぶるオバケのスタイルについて:物語の途中でルーによる回想シーンがあり、作品の大部分を占めているが、それは新作アニメーションではなく、7新くまのプーさんのハロウィン特別編「ハロウィンは大さわぎ」(原題Boo To You, Too!)となっている。
続いて、原作との関係。原作からの物語使用と、ディズニーオリジナルキャラクター。
略題 | 出典原作 | オリジナルキャラクター | |
1 | はちみつ | 1-1,2 | ゴーファー |
2 | 大あらし | 1-9,10,2-2,8,9 | ゴーファー |
3 | ティガー | 1-3,2-4,7 | ゴーファー |
4 | 完全保存版 | 上1~3 +2-10 | ゴーファー |
5 | イーヨーの一日 | 1-6,2-6 | |
7 | 新~ | ゴーファー、ケシー、スキッピー、クリストファーロビンの母、同ベビーシッター、スタン、ヘフ、ジュニア等 | |
8 | ロビンを探せ | 2-5(元ネタ) | |
9 | ティガームービー | ||
10 | ブックオブプー | ケシー | |
11 | ピグレットムービー | 1-7,8,2-1 | |
12 | ルーの春の日 | ||
13 | ランピームービー | ランピー、ズオウ一族 | |
14 | ぶるぶるオバケ | ランピー、ゴーファー | |
15 | プーさんといっしょ | ダービー、バスター、ランピー、ランピーのママ、スカンク、亀、ビーバー等 | |
16 | 2011新作 | 1-4,5,2-3,5 +2話(?) |
出典原作は例えば”1-1,2,2-1″の場合、「クマのプーさん」第1,2章と「プー横丁に建った家」第1章 ということになります。
1~3の初期中編は細かい要素で入っているため、どこまでを含めるかは際どいところ。
16新作は1-4のみ確定。残りは予告編などからの予想。全体で5話使用されるとの公式発表。
各項目についての話も別に出していきたいと思います。
- くまのプーさん, 映画『くまのプーさん』 - by poohya
プー2011新作 第13報 日本公開9月
映画/ウィニー・ザ・プー (原題) 映画作品情報 – cinemacafe.net
プー新作が来年9月全国公開という公式発表です。
僕が見逃していただけなようで、10/29には発表されていた模様。
その時点で米公式も発表していないような内容も入っていて不思議なのですが、日本では予告編類の発表前に公開月が出ていたようです。
フランス4/13、ドイツ4/14、イギリス4/15が世界最初の公開になりそうです。
こちらの3国は既に現地のニュースで公式発表されています。
- くまのプーさん, 映画『くまのプーさん』 - by poohya
プー2011新作 第12報段階まとめ
前回の第11報段階まとめは、第6報まとめを基にとにかく噂としてでも出てきた情報は掲載する方針でまとめましたが、
今回は予告編で新たに分かった情報も含め、公式発表情報を中心に確実性の高いまとめにします。
()内はその人の経歴ではなくソースにしました。
New Winnie the Pooh Movie
題名未定
2011年7月15日米国公開 (Facebook | Winnie the Pooh)
同年9月日本公開 (cinemacafe.net)
フランス4/13 (現地のニュース)
ドイツ4/14 (現地のニュース)
イギリス4/15 (Winnie the Pooh | Disney.co.uk)
ニュージーランド4/21
アルゼンチン4/28
スペイン4/29
監督 (Walt Disney Animation Studios)
- Stephen J. Anderson
- Don Hall
指揮:Burny Mattinson (First Look: The Big-Screen Return of ‘Winnie the Pooh’ | /Film)
原作
- Winnie-the-Pooh(クマのプーさん)
- The House at Pooh Corner(プー横丁にたった家)
by A.A.Milne
プロデューサー
- Clark Spencer
- Peter Del Vecho
- John Lasseter
- Craig Sost
ボイスキャスト
- プー&ティガー:Jim Cummings (AP News | JournalNow.com:-First Look: Disney going old school with new Pooh )
- ナレーター:John Cleese (同上AP News)
- イーヨー:Bud Luckey (Facebook | Eeyore)
- オウル:Craig Ferguson (同上AP News)
- ラビット:Tom Kenny (同上AP News)
- ピグレット:Travis Oates
- カンガ:Kath Soucie
- ルー:Nikita Hopkins
- クリストファー・ロビン:Tom Wheatley
アニメーター (製作風景)
- プー,カンガ,ルー:Mark Henn (Interview with Mark Henn, Supervising Animator (The Princess and the Frog) • DLRP Magic!)
- ティガー:Andreas Deja
- イーヨー:Randy Haycock (Pres-Aid: Eeyore drawings by supervising animator Randy Haycock)
- クリストファー・ロビン:Glen Keane
- ラビット、ゴーファー:Nik Ranieri
- ピグレット:Anthony DeRosa
- オウル:Sandro Cleuzo
音楽
Robert Lopez & Kristen-Anderson Lopez (夫婦) (Finding Nemo the Musical Songwriters Composing New Tunes for Winnie the Pooh – The Latest – LaughingPlace.com)
- “A Pooh Bear Takes Care of His Tummy”
- “A Very Important Thing to Do”
- “Everything is Honey”
- “The Winner Song”
主題歌手
Zooey Deschanel (First Look: The Big-Screen Return of ‘Winnie the Pooh’ | /Film)
主題歌(a new version of the Pooh theme)とはシャーマン兄弟の”Winnie the Pooh”のことか?
ストーリー
「原作からディズニー化されていない5つの話を使う」byラセター (Winnie the Pooh | Disney.co.uk)
イーヨーの尻尾の話(Winnie-the-Pooh第4章) (ぴあディズニーダイアリー2011)
を軸に、残り4つの話を組み合わせていく (予告編からの予想)
そのうち1話(or2話)はズオウ捕獲 (Facebook | Walt Disney Animation Studios)
- くまのプーさん, 映画『くまのプーさん』 - by poohya
プー2011新作 第12報予告編 補足
予告編で流れているのは何の曲か。
YouTube – Keane – Somewhere Only We Know
キーンのSomewhere Only We Knowです。
キーンはイギリス・イングランドのバンドです。
唐突に英国意識したのか、関係ないのか。
ついでに言うと、クリストファーロビンの目が変わったのは、最終章で森を離れた後学校に通い、子供時代とお別れしたから
プーたちは変わらなくてもクリストファーロビンだけは大きくなり、変わっていくということだという意見が多いです。
しかし、原作派からの批判は避けられないと思います。
Glen Keaneによる新しいクリストファーロビンがどのように迎え入れられるかも公開に向けての焦点となりそうです。
ついでに、予告編の最後、本の最後のページを。こちら。