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ファイアボール オーディオ・オモシロニクス「ファイアボール外伝 ワンダーの方へ」


ファイアボール10周年記念盤「ファイアボール オーディオ・オモシロニクス」(Blu-ray付)

ファイアボール オーディオ・オモシロニクスが発売されました。

まさに10周年記念盤。
10年間のファイアボールの歴史を旅する、想像を超えた作品でした。

という話をユニバーサルミュージックのサイトに寄稿しました。
『ファイアボール』に魅了されたライターが振り返るファイアボール10周年と、「ファイアボール10周年記念盤『ファイアボール オーディオ・オモシロニクス』」最速レビュー。 -Disney Music
ネタバレなしでファイアボール10年間の思い出とディズニー作品としてのファイアボールについて書いています。
全編聴いてから読むと様々な謎が分かるようにヒントを散りばめているつもりです。

以降は本編全て聞いた上で、完全ネタバレありで「ワンダーの方へ」について書きます。

「ファイアボール外伝 ワンダーの方へ」では、新キャラクター「ゲボイデ=ボイデ」がファイアボール3期分の時代を冒険します。
ゲボイデ=ボイデが乗る「ポラリス」は北極星の名前です。
ドロッセルの喋り方だけで時代がわかるのすごい。

Tr1「ジョン・スミスによる口に出せない不都合」ではファイアボールズの原点とも言える物語が明らかになります。
ジョン・スミスは方舟で地球からウラノスと名付けた楽園へと向かおうとしました。
本人を積み忘れましたが、「クロノスIと呼ばれた階差機関とその手足となる9つの車両」が積み荷でした。
ウラノスとは、ドロッセルが統治するテンペスト領がある国の名前。
そしてクロノスとは、「ユーモラス」におけるヴィントシュトレ卿の型番「KRONOS-Ⅴ」。
つまりKRONOS-Iがウラノス国に到着し、ヴィントシュトレ卿とドロッセルへと続く統治の歴史が始まったのだと考えられます。
そして、KRONOS-Iの手足となった9つの車両とは、プロスペロ第1章1節や第9章25節で語られる、世界を作った9人の賢者を連想させます。
そしてツークツヴァングが9体編成の車両です。
ハイツレギスタ工業は地球にもあったのかな?
また、「チャーミング」最終話でドロッセルが眠りにつく「おさなごころのゆりかご」があるシステムの名前が「クロノス・システム」。
「クロノス・システム」はドロッセルの父ヴィントシュトレ卿がハイツレギスタ社と共に作り上げ、彼の死が起動キーとなっていた君主育成システムです。
クロノスという名はギリシャ神話の神様の名前から取られたもの。
クロノスはウラノスの子供で、クロノスの娘はギリシャ神話最高位の女王ヘラ(英語読み「ジュノー」)。
ドロッセルたちフリューゲル家が統治するのはウラノス国テンペスト領、ドロッセルの「チャーミング」以降の型番は「ジュノー」です。
「ワンダーの外へ」でも、「チャーミング」の時代に来たゲボイデ=ボイデが「ジュノーシリーズが実用化している」と発言しています。
ドロッセルの「ユーモラス」での型番は「カスタリア」で、ギリシャ神話の精霊のこと。
ドロッセルはお父様の死をうけてクロノスの娘ジュノーへとアップデートされたのでしょう。

Tr17でヴィントシュトレ卿は人類になると宣言。
人類になることがハイペリオンにとっての死のようです。
ヴィントシュトレ卿は人類という説はありましたが、「チャーミング」以降は本当にそうのようです。
一方ゲデヒトニスが話した偉大なる公共事業は嘘らしい。
その後も「チャーミング」後半までゲデヒトニスはヴィントシュトレ卿に仕え続け、ドロッセルに嘘をついていました。
輝く星に手が届かないゲデヒトニス。
届くにはユーモラスが足りないそうです。
一方で輝く星にも手が届いたというのは人類の功績として語られています。
ハイペリオンと人類の大きな差がユーモラス(語源は体液)であるという3期タイトルの意味に繋がります。

Tr29では、無印最終話の後が描かれます。
メルクール暦で最終話の16年後。メルクール暦は8年か16年ずつ進むので最終話の直後です。
ドロッセルとゲデヒトニスが向かうお城の持ち主は薔薇騎士団の団長。
彼が人類であることが発言されています。
最終話の後「良い知らせ」を聞いたドロッセルは人類に会うために出かけているのです。
アカヒトニスの活躍で星々の配置が変わり、この世界の存在が選択されました。
星々の配置といえば、「ユーモラス」のあらすじに「彼らは、やがて星々が正しい位置にもどる日を待っていました。」とあります。
ユーモラス最終話は「そして、星々は正しい位置に戻るようだ。」
最後にはきちんとゲデヒトニスの名前を呼ぶドロッセルが印象的です。

トラック36「最後から2番目の通信」はイモニトロンナイトのオープニングの言葉です。
イモニトロンナイトは「それでははじめよう、このうつろな未来の攻略を」でしたが、「開拓者たちには〜」と変わっています。
この声がジョン・スミスであることはトラック1で明かされました。
ジョン・スミスとはポカホンタスに登場するアメリカ開拓者。
つまりファイアボールの世界は地球からの開拓者が作り上げた未来だということでしょう。

最後のキャラクターソング「花と木と惑星と」では、
あなたは碧い薔薇の騎士団
私たちには翼がある
という歌詞がうたわれます。
碧い薔薇とは、「チャーミング」でドロッセルが誕生日にもらったもの。最終話でもユーリが弾けて出てきます。
解説書IMONIには青い薔薇が無印の青い蝶を示唆させる旨が記されています。
青い薔薇は近年技術進歩で完成したもので、昔の花言葉が「不可能」だったものが完成したことで「夢が叶う」に変わったもの。
さらに薔薇騎士団とはトラック29に登場した人類のこと。
人類との共存が不可能だったのが可能になり夢が叶うことを象徴しているようです。
そして、「翼がある」というのは、ドロッセルの名字フリューゲルがドイツ語で翼を意味するということ。
無印最終話にしてテンペスト領当主フリューゲル家のドロッセルをはっきり名乗ったドロッセル。
直後のエンディングで流れる曲名が「その翼を見よ」です。

Tr35「ワンダーの方へ」は再び「ユーモラス」に戻った世界で、ドロッセルとゲデヒトニスが会話します。
違和感を覚えるドロッセルに対しセントエルモデイで伝書ビームの電波が増幅されていると説明しますが、「セントエルモの火」は無印でドロッセルが伝書ビームを使いたがったエピソードのタイトルです。
「ユーモラス」のテンペストの塔は非常に閉鎖的な作りでしたが、その扉が開けられ、ドロッセルはこの時代にして外にお出かけします。
「お供いたします、いつまでも」が非常に印象的です。

非常に希望あふれる内容でした。

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