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 - 映画  - by poohya

ネタバレ感想『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』:過去と現在と未来を繋ぐ闘い

最近感想続きですが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』をネタバレ込で。

アベンジャーズとして『エイジ・オブ・ウルトロン』の続編、キャプテン・アメリカとして『ウィンター・ソルジャー』の続編。
その両方を併せ持った作品です。

『エイジ・オブ・ウルトロン』でキャプテン・アメリカとアイアンマンはウルトロンの是非で対立。
地球を守るため(とロキの力で)協力したものの、ラストではアイアンマンがアベンジャーズから離れるなど、大団円的な終わり方ではありませんでした。
本作最初の戦闘にもアイアンマンは参加せず。
アベンジャーズを金銭・外交面で支える役割となっていました。
それを踏まえてラストシーンを見ると、今度はアイアンマンがアベンジャーズの表面となり、キャプテン・アメリカたちは違法なまま逃げ続けます。
原作と決定的に異なる「法案問題が解決されない」という展開に驚きました。
タイミング的に『ズートピア』の感想を書いているときで、ニックとジュディの最高に美しいバディエンディングについて考えていたところだったのもあり、あの重いエンディングがきつかった…
しかしちゃんと考えてみれば、これは未来への準備です。
次にキャップやアイアンマンがきちんと登場するのは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。
もう内部対立とか言ってられるような状況ではありません。
ヴィジョンがインフィニティ・ストーンを理解したいと発言しているのも気になります。
(あと原作考えるとヴィジョンとスカーレット・ウィッチの関係も…)
これに向けて、スタークは堂々と世間と渡り歩きながらアベンジャーズを動かし、裏では非合法にキャップたちが活動している。
つまりキャップたちは再建SHIELDと同じ立場になったのです。
さらに、ブラックパンサーでもバッキー周りのストーリーを進められることになります。
キャップの盾もワカンダなら解決します。
なんと上手い作りなのか…

そして、ブラックパンサーと共にこの映画で初登場したヒーロー、スパイダーマン。
冒頭から、重い話の割に時代や場所の出し方がノリノリだなと思っていたら、全てはこのためだったのか!!!!
せっかく出てきたアントマンがかすんでしまうほどのおしゃべりヒーロー!
ソニー側の新スパイダーマンにアイアンマンが出演の噂があるも納得です。
もしかしてキャップ側はブラックパンサーで、アイアンマン側はスパイダーマンで今後の話を進めるの?

『シビル・ウォー』は未来に続ける物語でしたが、同時に過去から繋いできた物語でもあります。
キャプテン・アメリカシリーズはMCUで最も古いWWⅡからの物語を持っています。
バッキーもウィンター・ソルジャーとしてヒドラとシールドの歴史を描いてきました。
そしてトニー・スタークもまた、ハワードを通して全時代から影響を受けています。
途中でしれっと触れられる、ハワードがキャップとの友情をいかに自慢していたかの話。
これが後に伏線として効いてきて、最後の盾を置いて行くシーンの辛さに重なってきます。
3人がそれぞれの視点から見てきた70年。
その深く悲しい歴史がどのような形で未来(インフィニティ・ウォー)に繋がっていくのか。

今までMCUでの敵は
ヒドラ
宇宙人(黒幕サノス)
逆恨みマーベル市民
と分かれていました。
今回ヒドラかな?と思っていたら結局エイジ・オブ・ウルトロンに続き逆恨みが敵でしたが、この3者がどう絡んでくるのか。
過去と未来を繋ぐ重要なポイントに『シビル・ウォー』が置かれているのは間違いありません。

で、戦闘シーン。
団体戦はもちろんのこと、冒頭でのチームプレー、最後のキャップvsアイアンマン一騎打ちまで見せてくれてお腹いっぱい。
特に細かくコメントする必要もありません。
最大の見所である団体戦はスパイダーマンが加わり、アントマンの「ジャイアントマン」まで登場して言うことなしですが、それぞれ初対面のヒーロー同士の挨拶にもなっているのがすごい。
一戦交えたおかげで、次一緒に戦う時ももう大丈夫なはずです。

長い恨みの歴史と、最近問題の全員は救えない件というベースの上で繰り広げられる、キャプテン・アメリカらしいダークで直球なストーリー。
その要所で3つの種類の異なる戦闘シーンが繰り広げられ、合間合間では新ヒーローの誕生を見たり、スパイダーマンに興奮したり、ジョークがあったり。
求められているシーンはしっかり入れて、飽きさせずに深いストーリーを入れていく。
MCUらしい濃密な作品でした。

個人的には個々の戦闘よりもMCU全体のストーリーがどう構成されていくかの方が好きなので、『インフィニティ・ウォー』への展開ばかり考えてしまいますが、どの視点で見ても満足できる映画なのではないでしょうか。
ほんと素晴らしい。。。

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