- くまのプーさん - by poohya
クマのプーさん原作沼へようこそ(colos EXPO 2016 LT&展示)
colos EXPO 2016にてプー原作についてのLT、展示を行いました。
LTが導入、展示がその続きとなっています。
展示は模造紙での表現を重視して作ったため、ブログ版では内容を一部削っている上に読みにくくなっています。ご了承ください。
とりあえず『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』の英語版・日本語版を読んでいただければ嬉しいなと思います。
英語版の詩人による文章やレイアウトの美しさを楽しむのはもちろん、ディズニー版でも活きている石井桃子訳を楽しめるのは日本人の特権です。
クマのプーさん原作沼へようこそ
以下模造紙展示
プーが変えた プーを変えた ミルン親子年表
ミルン少年時代は兄ケンと遊んだ思い出が強く、プーにはその影響が強く反映されていると言われる。
人縁にも恵まれ散文家として成功、WWⅠ後は劇作家など仕事の幅を広げていたところ息子が誕生、子ども向けの誌を書く。
詩集「クリストファー・ロビンのうた」のヒットで別荘を購入、そこで息子がぬいぐるみと遊ぶ物語「クマのプーさん」を執筆した。
人生におけるプーの影響が強くなったため「プーもの」は4冊で完結させる。
その翌年、兄ケンが死去。
一方のクリストファーは学校に通いだし、はじめて「クリストファー・ロビン」であることに苦痛を感じる。
ここで、親子共にプーから逃れたい人生が始まる。
ミルン親子は仲が良く、クリストファーも父が辿った経歴を真似ていたが、WWⅡを経て大学卒業からクリストファーは父と同じ人生が辿れないことに気付く。
自分の「クリストファー・ロビン」としての存在を邪魔に思い、父を憎む。
親子の絶縁。
父の死後から20年、プー時代の思い出を本にまとめることでクリストファーは父と和解した。
原作おすすめ文献
原作沼入門!プーが一通りわかる超おすすめ本
「クマのプーさん 世界一有名なテディ・ベアのおはなし」
ミルンの人生から「ウィニー」の由来、プー出版後のマーケティングまで原作の世界がぎゅっと詰まった一冊。
これさえ読めばだいたい分かる。
くまのプーさん 英国文学の想像力」安達まみ 著
日本人によるプー解説のトップ。
他の解説書は全てこれの焼き直しに過ぎない。
本気でミルンを知るなら伝記に挑め!
「今からでは遅すぎる」A.A.ミルン 著 石井桃子 訳
ミルンの自伝。
550ページのうち、プーの記述は3ページ。
彼の人生においてどの部分が求める人生の姿だったのか、その配分が目次を見るだけでわかる。
「A. A. Milne: His Life」アン・スウェイト 著
ミルン伝記の決定版。
とにかく詳しくミルンの人生のすべてが書かれている。
残念ながら未邦訳。英字で本文400ページ。
もっと深く知る2冊
「クマのプーさん スクラップ・ブック」アン・スウェイト 著 安達まみ 訳
アン・スウェイトがA. A. Milne: His Lifeの執筆中に集めた資料をまとめた本。
資料から見るミルンの伝記。
「クマのプーさんと魔法の森」クリストファー・ミルン 著 石井桃子 訳
クリストファー・ミルンがプー時代を振り返った本。
コッチフォード・ファームでの生活、家族関係、プーを遠ざけるようになった思い出が綴られている。
この本を通じて父と和解した、プー原作史において重要な一冊。
良いプー原作文献の見つけ方
「石井桃子」「安達まみ」のどちらかが関わっていればその本の質は担保されています。
石井桃子さんは「クマのプーさん」訳者、安達まみさんは「スクラップブック」訳者です。
「ユリイカ2004年1月号」では、石井桃子インタビューの聞き手が安達まみという、日本で最も豪華な対談が実現。
日本のプー研究において最も貴重な本です。