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 - 舞浜外イベント ,  - by poohya

劇団四季「リトルマーメイド」感想(ネタバレあり)

劇団四季ミュージカル「リトルマーメイド」を観てきました。
littlemarmaidshiki

四季は美女と野獣以来2度目でした。
劇団四季『美女と野獣』観た | 舞浜横丁

リトル・マーメイドは1989年公開の映画。
なんと公開25年になりますが、いまだにこれを超える作品はない史上最高傑作だと思っています。
この作品に今の時代に合わせたアレンジを加えたのが今回の舞台版という印象でした。
言わば第2次黄金期の作品を第3次黄金期らしくしたものです。
舞台版ではトリトンがアースラの弟になっているなど設定上の変更がいくつか行われています。
しかし一番大きな変更はアースラがヴァネッサに変身しないことだと思います。
映画版ではアリエルとキスの寸前までいくものの、ヴァネッサの歌声を聞いた瞬間ヴァネッサと結婚することを決めます(催眠術でもありますが)。
一方舞台版ではあの声を探すも最終的にはその声を持たない姿のアリエルと結婚することを決めます。
アースラによる本物の声を聞いてもなおアリエルと結婚すると宣言するエリックが印象的でした。
魔法にかけられてやプリンセスと魔法のキス以降のプリンセスストーリーらしくなっています。
また、アースラがトリトンたちの人間嫌いを利用しアリエルの心に揺さぶりをかけるのも非常によかったです。

この変更は非常に良いのですが、物語を変更しながら元々のお話も残っているため、省略部分が多いように思います。
例えば、アリエルとアースラの契約シーンにおいて舞台版ではセバスチャンとフランダーが入る余地はありません。しかし人間に変わった時点で2人は契約条件まで知っています。何故。

ミュージカルにしたことにより上演時間が圧倒的に長くなり、曲数も増えることで多くのキャラクターの心境描写が可能になっています。
特にKiss the Girl後の「もしも」はアリエル・エリック・セバスチャン・トリトンの心境を重ねるミュージカルらしいシーンとなっています。
一方でフランダーの存在が薄くなっていると感じました。
マックスがいなくなっていたり、Under the Seaの豪華さも(舞台版美女と野獣に比べても)劣っていたように思います。
アースラもトリトンの兄弟を殺せるならトリトンだって簡単に殺す場面あっただろうに…
また、リトル・マーメイドは多くの舞台があるため、舞台版では本のページにすることで誤魔化していましたが、若干無理が。。。

トリトンがセバスチャンの甲羅を割って皿に盛って…と脅すところは不満です。
それでは海の世界でも陸と変わらないことになってしまいます。
Under the Seaを否定しているようなものです。

Under the Seaの世界観が脚本の隅々まで浸透していないようならリトル・マーメイドをやる必要はないと思います。

よく分かったのは、Part of Your Worldが流れると無条件で泣くということです。

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