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 - パーク外, 駄話 ,  - by poohya

D23 Expo Japan 2013感想、その魔法は一匹のネズミから始まった。

D23 Expo Japan終了から一週間が経ちました。
タグ: d23ejでのレポートは9本、現地から速報で出した記事も詳細を追記しています。

はじめて米国外で開催されたD23 Expoは日本らしい祭典になっていました。
チケット制度のややこしさ、価格の高さ(やたらグッズが付いている)などにより、開催前から米国と比較されていた日本のD23 Expo。しかし蓋を開けてみれば、その価格以上のおもてなしが待っている、ディズニーらしい内容でした。

パークでは長時間のW制限がかかる3連休、スタッフを採るだけでも大変なイベント。
そんな中、初日に舞浜を訪れた人々を出迎えたのは、想像をはるかに超える量のスタッフと案内板でした。
初日の午前こそ、ショップや文化祭で混乱が生じていましたが、慣れてくるとスタッフの方たちの質はみるみる向上し、そのホスピタリティは正直パークよりも上でした。
全てのゲストに挨拶し、リゾートラインや全く関係ないバスに手を振る。
運動公園にまで配置されたスタッフは、なんとシーの入園制限の状況とルールを完璧に把握し説明していました。
そして、文化祭待機列では誰が頼んだわけでもないのに、わざわざシネマイクスピアリからブランケットをもってきて、並んでいるゲストに配ってくださいました。
短期のバイトであるはずのスタッフさんたちがこのような素晴らしい姿を見せたのがディズニーという名前が持つ力でしょう。

そして日本らしさは別の意味でも大きく表れていました。
各ショー&プレゼンテーションは、CEO、WDJ各部門、OLCの担当に綺麗にわけることができます。
ひとつのステージ上でそれぞれが自分のコンテンツを戦わせているようなステージでした。
中でもパーク&リゾーツvsOLCの戦いは圧巻でした。
全てを観ようとすると、ディズニー全般に関する深い知識が要求される、かなり難易度の高いイベントでした。
子供には到底理解できないようなステージが目白押し。ここは次回に向けて考えるべきところかもしれません。シークレット要素が多いのは良いですが、対象とする層がぼんやりしていたのがこの原因だと思います。
多くを知っていることが正義、というイベントでしたが、あちこちで自分の興味を広げてくれるような動きもありました。
すべてのディズニーをひとつに集める、というのはそういう効果が大きいと感じました。
展覧会で様々な要素を見ることで(ディズニーアート展でメアリーブレアが注目されたように)新たなものに触れることができます。
TDR30th公演のように過去のショーを知ることもできます。
そしてアイガーはディズニー社のトップとして、あらゆる分野を見せてくれました。

そんなExpoの中でも異端児な動きをしていたのがディズニーチャンネルでした。
Expoの中で「文化祭」と銘打って開催されたイベントでは、超コア層向けのファン感謝祭から、幼児でも楽しめる映画上映、そしてExpoらしい未来を見据えたプログラムも。
様々な層に向けて用意したプログラム内では、自分の興味を広げてくれる要素も用意されていました。
イモニトロンナイトでは100%ファイアボールファンに対してトロンを紹介。
クリエイター特集ではなんだかんだワンダー、グラビティフォールズ、ミッキーマウス!の抱き合わせ。
実際、僕はクリエイター特集の影響で今グラビティフォールズにはまり始めています。
一つの好きな要素から、世界がどんどん広がっていく、巨大メディア企業となったディズニーの企業祭典ならではの魅力です。

エグゼクティブプレゼンテーションの冒頭でアイガーCEOは言いました「ディズニーの一番好きなところを楽しんで。」

今回、開催場所が狭く、一つのプレゼンテーションに多くの人が参加していることから、期間中はたくさんの知り合いに遭遇しました。
色々な人に会いながら、みんな自分の好きなディズニーを楽しみ、きらきらした感想を言い合いました。

僕がこのExpoで最も感じたのが、ミッキーマウスという圧倒的すぎる存在でした。
今回、アイガー、スタッグス、そしてTDR30th公演で共通して使われた言葉があります。
It All Started By A Mouse.
アイガーはこのExpoをミッキーではじめました。
そしてスタッグスはミッキーの魔法を見せてくれました。
OLCはミッキーがウォルトを見つめる演出をしてくれました。
誰もが認めるスター、ミッキーマウス。彼の存在こそがディズニーの中心であることを実感しました。

アイガーはExpoをミッキーではじめた理由を説明した後、ミッキーの短編を2本上映しました。
僕はこの説明のとき、アイガーがミッキーという俳優を尊敬しているな、という印象を持ちました。
みんながミッキーのことを好きだからではなく、自分自身が彼のことを尊敬しているからこそ大切に扱う、そのような姿に見えました。
そしてその日の午後、僕はもう一度アイガーのミッキーへの想いを見ることになりました。
ディズニーチャンネル文化祭、クリエイター特集。
エグゼクティブプレゼンテーションで日本プレミアとなった新作短編「ミッキーマウス!」がもう2本上映されるプログラムです。
そこで、「ミッキーマウス!」クリエイターのポール・ルーディッシュはこのように語ったのです。
「私が新作を作ろうとしたときどうしてもミッキーに目がいってしまった。そんな時、アイガーCEOから『どの部署もミッキーの新企画を出せ。』という話があった。こうしてミッキーの新しい短編が生まれたんだ。」
アイガーがTokyo Goを見せたのは、単に新作を見せたかったからだけではない、彼がミッキーの新作を見たかったんだ。
アイガーのミッキーに対する想いを見た気がしました。

ミッキーマウスがかけた魔法でたくさんの人が笑顔になる。
パークの魔法でGlow with the Showイヤーハットにミッキーが魔法をかけた瞬間が忘れられません。
ファイアボールの荒川監督は「みんなで一緒に声を出して笑って楽しむことによって、私たちはひとりじゃないと感じてはじめてこの作品(ファイアボール チャーミング)は完成する。」と言いました。
2000人のディズニーファンが一緒にミッキーマウスの短編を観て一緒に笑い、一緒に昔のショーを踊り、一緒に魔法にかかる。
ディズニーファンでよかった、と心から思った、1秒1秒が幸せに満ち溢れた奇跡の3日間でした。

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