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 - 海外パーク ,  - by poohya

ネタバレ感想:香港ディズニーランド「ミッキー・アンド・ザ・ワンダラス・ブック」

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香港ディズニーランド10周年で始まったショー「Mickey and the Wondrous Book」。
ゴールデンミッキーの後としてどうなるのか、元々香港はライオンキングの方が好きだったので正直あまり期待していなかったのですが、最高でした。
それはもう最高でした。
「世界最高」と記事に書いてしまうほど最高でした。本当に世界最高のショーだと思います。
【香港ディズニー】世界最高のショーが誕生!「ミッキー・アンド・ザ・ワンダラス・ブック」速報ガイド【写真40枚】 – ウレぴあ総研

とにかく演出が素晴らしい!
以降はネタバレありです。

Part of Your World × When Will My Life Beginはずるい

いきなりですが、ずるいです。ひきょうです。
そもそもアリエルが出てきてPart of Your Worldを歌うだけで泣いてしまうのに、その後にラプンツェル。
ラプンツェルがWhen Will My Life Beginを歌い、アナハイムのマジカルマップのような展開になるのかと思いきや、まさかのミックス。
When Will My Life BeginにPart of Your World入れちゃだめでしょ!ルール違反!
もうこの一曲のためだけに香港に飛びたいくらいです。
今ワンダラスブックはシス調続きで無期限休止だそうなので思いとどまっています。

メリダもこのショーを見てから好感度が上がりまくっています。
こんなに良い曲だったとは。
そのあとアニメ絵を見たら我に返りました。アニメより人が演じる方が良い作品っていいのかそれ…

3人が乗っているフロート?もクオリティが高い。
これ以上考えられないような形で作り込まれています。
3人がそれぞれの持ち歌を歌いながら、自由を求めるという点で一致していく様子が、豪華すぎるメドレーに詰め込まれています。

おしゃれな繋ぎ方

だいたいこういうショーはすごく良いパートの後は中だるみします。
どうしてもパート毎に強弱が分かれてしまうのは仕方のないことでしょう。
しかし、ワンダラスブックの凄いところは、プリンセス後のアラジンパート。
おなじみフレンド・ライク・ミーなのですが、そのスタートがレコード調。
ただ盛り上げるのではなく、ちょっとひねったおしゃれな入り方が、余韻を切替させてくれました。

どのパートも落ち着いて始まってから盛り上げるというパターンで構成されています。
パート間での強弱ではなくパート内で強弱をつけることで、中だるみを感じません。
落ち着いて始まるので、パート同士の繋ぎも作れます。
ストーリー的にはいつも通りミッキーが色々な映画を旅するもので、演出のためのストーリーといった程度なのですが、どのパートも除く必要がないと感じるショーはなかなかありません。

プリンセスと魔法のキス

サウンドセーショナルやワンダラスブックへの出演でアナハイムでは徐々に出てきたプリンセスと魔法のキス。
とはいえ盛り上げシーン担当という感じでした。
しかしワンダラスブックではそこが違う。
エヴァンジェリーンが輝く中Almost Thereを歌い上げるティアナ。
ティアナとトランペットと星明り。なんておしゃれな演出なのでしょう。
映画のAlmost Thereと同じように、Tiana’s Placeの夢のシーンに入っていくのですが、ここからDig A Little Dieeperになります。
Almost Thereのアニメーションタッチの代わりに、いつもの盛り上げ曲を入れることで夢の世界が一気に広がります。
そして最後はAlmost Thereに戻る。
感動的でありながら盛り上がる、映画の良い部分を見事に表した演出です。
ありがとう。

たぶんダンサーはFriend Like MeとDig A Little Dieeperで同じだと思うので(顔の判別とかつかないからただの勘)、Almost Thereのティアナとトランペット2人の部分は時間稼ぎでもあるわけです。
とてもよくできています。

そしてLet it Go

マジカルマップでいうプリンセスと魔法のキスパートですが、今ディズニーで舞台を作ったらそりゃ最後はLet it Goしかないでしょう。
しかし、香港は全て生歌。Almost Thereのトランペットすら生。
もちろんLet it Goも生。
Let it Goを生でやる勇気はすごい。
そしてこんなに長くて迫力が大事な曲を1人で実際にやってのけるのがすごい。
他のキャラクターとは一切絡まないのもかっこいいです。

技術と演出で魅せる、これぞディズニー

ここまでワンダラスブックの演出・構成の巧さを語ってきましたが、この裏にあるのは技術。
マジカルマップのように、後ろの画面を大きく使っています。
バルーやアナは映像でしか出てきませんし、ミッキーもほとんどは映像です。
オラフはパペットを上手く使っています。
どうやらここが鬼門なようで、オラフと本が主なシス調の原因のようです。

フェイスを除き、トーキングで出てくるキャラクターはミッキー、グーフィー、キングルイのみ。
どれも出番は数分です。
もう少しオーディオアニマトロニクスが進化すれば、ミッキーもアニマトロニクスで登場して、映像ではアニメになるのかなとも思いました。
一方で、それは日本ではやれないだろうとも思います。
機械の動きでないミッキーが求められるのがキャラクター文化のある日本です。
そして、ワンダラスブックではミニーもドナルドも登場しません。
ビッグバンドビートにすらしっかりキャラクター数を確保してくるような日本ですから、ミッキーとグーフィーだけではショーは作れません。
日本らしい進化をしているといわれる香港ですが、やはりこのあたりは日本独特の文化になっていくのかなと思いました。
未来はどうなるんだろう。

ずいぶんと話がそれましたが、観客を驚かせる技術と、映画を基にした素晴らしい演出。
その両軸で魅せるショーこそまさにディズニーです。
これぞ、ディズニーランドで公演されるにふさわしいショーでしょう。

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