*

 - 映画  - by poohya

ネタバレ感想『ピートと秘密の友達』:つまらない。なぜこの映画を作ったのかわからない

『ピートと秘密の友達』を観てきました。
感想は一言で表すと「どうしてこの映画を作ったのかわからない」。
豊作だった2016年どうして最初と最後だけこうなる…

以下ネタバレ・あらすじ含む

冒頭からつまらない予感がしていたら最後までつまらなかった。

どうしてこの映画を作ったのかわからない

『ピートとドラゴン』の実写化ですが、そもそも『ピートとドラゴン』自体が実写・アニメーション合成映画で、しかも実写ベースにアニメーションのエリオットを合成した形。
『秘密の友達』では実写化とはいえエリオットはCG。
変わらなくね?
単なるストーリー大幅改変のリメイクじゃね?
日本未公開の『ピートとドラゴン』を再確認させる気もさらさらなく、何のために『ピートとドラゴン』を今再び世に出したのかさっぱりわかりません。

崩れない友情

イントロダクションは、5歳のピートが両親と車で「冒険」に出かけ、事故り両親を失い、ドラゴンに出会うシーン。
キーアイテムはこの時ピートが読んでいた本です。
ここに登場する迷子になった犬の名前から、ドラゴンは「エリオット」と名付けられます。
冒頭で確認される「冒険」の意味や、エリオットと「名付け」ることの意味は後々重要なポイントになるのかと思いきや、大して出てきません。
ピートはグレースを森で見つけ、ナタリーと出会い、自ら姿を現し、人間の街に連れて帰られ、一晩エリオットに会えず。
街までピートを探しにきたエリオットはピートがナタリーたちと団欒している姿を見て、寂しそうに森へ帰ります。
翌朝エリオットとの再会ではナタリーたちを紹介し、そのタイミングでエリオットはギャヴィンたちに捕らえられてしまいます。
てっきりエリオットがピートに裏切られたと思い友情に傷が入るのかと思いきや、特にそんなこともなく救出して終わり。

成長しないグレース

人間の街ではグレースと娘のナタリーがメイン。
グレースの父ミーチャムはかつてドラゴンを見たことがあるといい、武勇伝を子供に語っています。
一方、自分の目の前にあるものしか見ず、ドラゴンを信じないグレース。
ピートが語るエリオットがドラゴンだと気付いたところでミーチャムの話と向かい合い、父のメッセージを理解します。
普通この気づきによって彼氏への接し方が変化して結婚に至ったりするのかと思いきや、結局ドラゴンを信じることくらいしか変わらず。
ミーチャムもエリオット脱出に大きく手を貸しますが、そもそもギャヴィンがガストン化してエリオットを捕らえようとするのは、自分の見栄はもちろん、ミーチャムがドラゴンは怖い戦うべき相手だという武勇伝を盛っていたからでしょう。
てかエリオット炎吐けるのかよ。せめて口からの炎で焚き火に火をつけるくらいの描写欲しかった。

ジャックって何やってたの?

グレースの彼氏ジャックは林業。
同じ会社の兄ギャヴィンが森林伐採を押し進める中、グレースは森を守ろうとし、板挟みにあっています。
ギャヴィンはジャックとグレースの危機に命がけで助けようとし、兄弟の仲を取り戻しますが、ジャックって何やっていたの?

無駄な登場人物の多さ

グレースの娘ナタリーはピートと同年代なのもあり、エリオットのことも早く受け入れます。
ところで一般的な人間の生活に対応できないピートのコミカルなシーン。
5歳まで普通に生活していて、日常会話を問題なくこなせるピートがなぜ歯磨きを知らないのか。
そんな都合よく記憶がないピートと遊びながら、ピートの心を開かせていくグレース。エリオット救出も積極的に手伝います。
が、ピートの心を開かせるのはグレースもいるし、救出はミーチャムやグレースも手伝い。
人々の関係性を作るためだけに登場したジャックとナタリーは、もっとスマートな脚本なら必要ないのではないかと思います。

アーロを下回るラスト

エリオットは無事脱出するものの、ピートとエリオットが住む家は見つかってしまったため、もうそこに住むことはできません。
ピートは人間の街に帰りたい気満々。
エリオットは姿を消せるしここで暮らせると言いますが、ピートは自分は姿を消せないからと割とあっさり諦めます。
街で聞いたドラゴン伝説によると、ドラゴンは森の北で群れで住んでいるという話がありました。
特に言及はありませんが、エリオットもきっとはぐれたのでしょう。だからピートもエリオットも仲間たちのところに帰るのが良いのでしょう。
そしてピートが持っているグレースの方位磁石。
北を教えて仲間の元に帰すのか!と思いきや、そんなシーンは描かれず。
エピローグとして、グレース、ナタリー、ジャック、そしてピートが車を北に走らせ、エリオットに会いに行くと、エリオットは仲間のドラゴンたちと過ごしていた、という描写があります。
まだ『アーロと少年』の別れの方が良かった…

いやーつまらなかった。
素直に『ピートとドラゴン』やれば良かったのに。
なぜ今、なぜこの題材で、なぜこんな改変をして映画を作り出したのか分かりません。
美女と野獣期待してる。

  • Post
  • このエントリーをはてなブックマークに追加