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 - 映画  - by poohya

ネタバレ感想:『イントゥ・ザ・ウッズ』を観た

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『イントゥ・ザ・ウッズ』を観てきました。
ネタバレ込の感想を続きで。

ネタバレなしの紹介記事はこちらを。
【ディズニー映画】シンデレラやラプンツェルの“ハッピーエンドのその後”を描く! 『イントゥ・ザ・ウッズ』徹底紹介(1/3) – D*MANIA

紹介記事なので気に入ったポイントを中心に書いていますが、同時期に書いた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』MovieNEX紹介記事と見比べていただければ、どれくらいおすすめかが分かるかと思います。

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ミュージカル作品としてすごかった。展開は予想を大きく裏切られた。
以上です。

ミュージカル部分は本当に長く、様々なキャラクターが一曲を通して交差しあっていく、映画らしい気持ちよさがありました。
映画版ではこのような演出ができますが、原作のミュージカルだとどうなっていたんだろう?と思う一方、巨人の国に行ってきた話は重複しており、映画に直す際に整理できていない様子が伝わってきました。

完全に個人的な話ですが、赤ずきんのキャラクターがあまり好きになれません。『ゼロ・グラビティ』のような、嫌いなキャラクターがずっと出てくる辛い展開でした。
オオカミのジョニー・デップは完全に客寄せですね。
王子が突然服を破ったのも笑いました。

話の展開は予想を何度も裏切ってきました。想像以上に“アフター・ハッピーエンド”。今後の実写版映画(『シンデレラ』等)が使いそうだった手を全てへし折るような、驚きの連続でした。
それぞれの主人公が関係しあう『ワンス・アポン・ア・タイム』(ドラマ)のような展開(褒めていない例え)。
しかし、ラプンツェルが登場する必要性を全く感じません。
魔女がラプンツェルの髪を持ってるしどうなるのかな?と思っていたらまさかトウモロコシのひげで解決とは…
ラプンツェルだけ普通に幸せ掴んでるし…魔女に絶望を与えるだけの存在なのでしょうか。
パン屋とプンツェルが会うこともなく。父親が畑から盗んだ際に、子供の件と魔女の老化と呪いが複数かけられておりそこにラプンツェル没収の契約も加わり、それぞれの解決があまり絡むことも無く中途半端な印象。
「魔法には対価がつく」というルールがある分『ワンス・アポン・ア・タイム』の方が良いです。

後半に入り、シンデレラがパン屋の夫と結ばれ、王子がパン屋の奥さんと結ばれる、『魔法にかけられて』のような展開かなと思っていたら、まさかの死。
そんなパン屋の奥さんやジャックのお母さんの死に方もあっさりでした。
パン屋の奥さんはこの作品のテーマである「本当の幸せ」を一番試されていた人のはずなのに、自分の意思を固める前に退場してしまうのはテーマの放棄に思えます。
なぜ死ぬ必要があったのか?王子に心が振れてしまったからだとすれば、ラストで影として再登場するのはおかしい。
やっぱりパン屋の夫との生活が本当の幸せだと思ったのなら、死ぬ意味が分からない。
釈然としません。

多くの登場人物が退場しながら、残された数人に対しては深くテーマを考える映画でもありました。
お互いの弱さを見せつけられ、愛する人を失い、絶望の先にある「本当の幸せ」。
釈然としない部分も多いですが、なんだかんだ歌と展開のすごさに飲まれてクレジットまでいったような気がします。
『アナと雪の女王』は気になる部分もあるけれど歌で全部うやむや!というカルト的な映画でしたが、本作は気になる部分が勝ってしまったかなという感覚です。

シンデレラが自らの意思で靴を落とす、すべての物語を最後に子供へ語り掛ける、といったアイデアが先にあって、それを組み合わせていったのかなという印象。
とは言いつつ、すべての物語を最後に子供へ語り掛けるというアイデアは好きです。
最後の物語を語るところが一番良かったです。Children Are Listenの”Children”が単純に子供という以外でも使われていて深い意味があったように思います。そのあたりはもう一度見直したい。
冒頭のOnce Upon A Time…から始まるナレーションがパン屋旦那であることもここに繋がるうまい作りです。

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