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 - 映画  - by poohya

『モンスターズ・ユニバーシティ』感想

2D吹き替えで観てきました。

同時上映『ブルー・アンブレラ』と合わせて感想を続きに。

大学生活だけでなく、マイクの幼少期から始まりました。
可愛い。とにかく可愛い。
そしてタイトルロゴ。
前作では扉でしたが、今回はマイクの大学受験への道のり。
これは英語版で見たかったです。フォントとか。

学生証の写り方など鉄板ネタも抑えつつ、学部紹介でしっかりと伏線を張るのは流石。
そして、ルームメイトがランドールだったことには驚きました。
ここは予告編の見せ方がうまい。

サリーの声は、前作よりややすらっとした体型に合っていたと思います。
吹き替えの2人とも相変わらずはまり役です。
ラプンツェルもそうでしたが、吹き替えがはまると国内宣伝もうまくいきますね。

社交クラブの様子は良いのですが、新入生歓迎の中で怖がらせ大会ブースが閑散としていたのは後になって思うと謎。
予選から全校新聞の一面を飾るほどの一大イベントをモンスターズ・ユニバーシティを夢見続けていたマイクが知らなかったのは疑問です。

 いくら努力しても怖くないマイクをどうして入学させたのかも疑問です。
筆記だけなんですかね。

なのに実技一発勝負で行われる期末試験。
ここで古風な怖がらせシミュレーターが登場。
前作より昔の物語だということがよく伝わってきます。
そして2人が学部を追放。

ボンベ先生最高!

モンスターズ・ユニバーシティは怖がらせ学部以外定員割れしているんですかね。
怖がらせ学部の多くが学部を去る中で受け皿があり、なおかつ学期1つ分の遅れを回収できるのはどういう状況なのでしょうか。

それはさておき、いよいよ話は授業を離れ、怖がらせ大会と社交クラブの話に。
どこかハリー・ポッターに近いものを感じます。

怖がらせ大会のエントリーでマイクは学長と懸けをします。
ここで学長とマイク,サリーの対立が決定的に。
さらにランドールが時間のかかった大学デビューに成功。
マイクとサリーはウーズマ・カッパに入ることを余儀なくされ、一気に大学での立場が動き固まります。

ウーズマ・カッパはそれぞれ個性を持ったメンバーで、それぞれの個性を活かして勝ち進んでいきますが、ヒックとドラゴンのように個性によってみんなの弱点を補っていく感じではなかったのが残念。
しかし、朝練のシーンは、前作のファンにはたまらない内容。
このころから朝練が始まったと考えるだけで感動してきます。

そして、モンスターズ・インクへの夜間潜入。
ここも予告の見せ方がうまかったです。こちらは大した事件ではないのに。
ここでは潜入事件よりも、モンスターズ・インクを夢見続けてきたマイクとサリーが通じ合います。
これがモンスターズ・インクで行われたということが、大きいですね。

怖がらせ大会自体はそこまで…という印象。
決勝ではマイクがしくじったことによる笑いでポイント増えたりするのかな、と思っていましたが、今回笑いのエネルギーは一切使いませんでした。
これまた期末試験でのうまい伏線。スイッチがここで役立つとは思いませんでした。

そしていよいよ人間の世界へ。
マイクを全く怖がらない人間が逆に襲ってくる構図に。
今作では最後まで、人間はまぎれもなく恐ろしいものだという認識が続くため子供たちも恐ろしい。
ここはピクサーお得意の人間の顔が怖い(可愛く描けない)ことが効いていました。
ずっと薄暗いのは雰囲気が出ていたというよりCGだから仕方ない感じ。
そしてついに二人は「友達」となり、マイクの知識による怖がらせアドバイザーの才能が発揮されます。
しかしサリーの怖がり設定はいまいちよくわからない。

とにかく最恐の脅かしで大人の悲鳴を集め、ドアを逆側から点灯させ、なおかつ圧倒的なエネルギーで破壊するという驚くべきことを成し遂げた2人。
退学にはなりますが、学長が自ら事実上の敗北宣言にまで至ります。
ところで、CDAのボスには笑いました。これはやられた。

最後の2人が怖がらせ屋としてデビューするまでは感涙もの。
「君がいなきゃまるでだめ」に至るまでの2人の絆を感じます。
これは2作目で過去に戻ったからこそできる展開。多くを語らずとも勝手に伝わってきました。

また謎なのは、モンスターズ・ユニバーシティに恐がらせ屋アシスタント養成コースがないこと。
マイクは大学入学時点でどう考えてもこのコースに適任なのにどうしてその選択肢がなかったのでしょう。

ピクサーにしてはよく考えるとあれ?という設定も多かったですが、これも含めて、良くも悪くも前日譚。
ファンには楽しい映画でした。

 

そして短編『ブルー・アンブレラ』
こちらは紛れなく名作。
タイミング的にも『紙ひこうき』と被る内容ですが、それぞれ対比させるとどちらもより名作になります。

ブルー・アンブレラは最初アニメーションとは思えない映像で大変驚きました。
ついに本気を出したかピクサー。
そしてこのリアルな世界で物が命を吹き込まれて動き出します。まさにアニメーションの発想の世界。
物のちょっとしたパーツが目に見えたり口に見えたり、笑っているように見えたり。
これこそアニメーションの真髄だと思います。

一方、紙ひこうきは3DCGでありながら2Dらしさ,手描きらしさを追求した映像でした。
約20年に及ぶCG技術の進歩で、一度はCGに乗っ取られたアニメーション界、しかしその技術を突き詰めていった先にあったものは、アニメーションの原点でした。
今年の短編2本はアニメーションの未来に希望を感じる素晴らしい作品でした。

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