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プー聖地巡礼ガイド 2 -ロンドンからハートフィールドへ

プーオタによるプー聖地巡礼ガイド、第2回は100エーカーの森ことアッシュダウン・フォレストを目指します。

第1回 プーの故郷、英国への旅

観光ガイドブックなどで100エーカーの森を探すときは、その場所の地名「アッシュダウン・フォレスト」もしくはその中でも有名なポイント「プー・ブリッジ」(プー棒投げ橋)となります。
今回は、そのアッシュダウン・フォレストがある街ハートフィールドへの行き方編です。

■ロンドンから電車でイースト・グリンステッドへ
ナショナル・レール(国鉄みたいなもの)で南へ向かいます。
今回はLondon Bridge駅を出発。East Grinstead駅まで55分の電車旅です。
London Bridge駅で切符を購入。往復で買います。
行きはラッシュ時だったので、Anytimeチケットで往復£22.7でした。
往復Off-Peakだと£14.6になるようです。
電車は30分に1本。時刻表を調べてから行きましょう。
National Rail Enquiries – Journey Planner – Trains Times and Fares

電車はLondon Victoria始発のEast Grinstead行き。
というわけでLondon Victoria駅から乗っても構いません。値段も変わらないようです。
目的地が終点なのでのんびり英国田舎の車窓を楽しんでいても乗り過ごすことはありません。

eastgrinstead
East Grinstead駅に到着。

■バスでハートフィールドへ
駅を出て左手(写真の右側)にバス停があります。
手前がAバス停で奥にBバス停があるのですが、結局なにが違うのかよく分かりませんでした。
バスはMetrobusの「Route 291」。
East Grinstead Stationのバス停からHartfieldのバス停まで30分弱。
Metrobusのホームページに時刻表やリアルタイムのバス現在地が載っています。
291 Crawley – East Grinstead – Tunbridge Wellsです。
Search | Metrobus
イースト・グリンステッド駅ではバス停A,Bそれぞれに時刻表があり、乗ろうとしていた時間のバスはBバス停に書いてあったのですが、バスはAにとまりました。よく分からないので、バスがきたらとりあえず車体に書いてある番号をチェック、291なら乗ります。
乗るときに運転手さんに行先(Hartfield)を告げ、往復(Return Ticket)を買います。
片道£3.2の区間で、往復£5.1でした。
3/22より、片道£3.3、往復£5.3に値上がりするようです。
運転手さんが往復チケットを渡してくれます。
帰りはこれを見せるだけでOK。
metrobus

イギリスと言えばやはり2階建てバス。
田舎でもやっぱり狭い英国の道を2階から楽しみます。
が、2階では今どこのバス停なのかさっぱり分からないのです。
というわけで、20分ほどたったところで1階に降りました。
1階には次のバス停名が書かれた電光掲示板があります。
しかし、Hartfieldという文字が出ない。時間的にそろそろなのに出ない。
時刻表を見ると「Hartfield Hay Waggon」とあります。
つまり、ハートフィールド村にあるHay Waggonにバス停があるのですが、この電子掲示板の表示が何故かHay Waggonとしか書きません。
戸惑いながら車窓を見ると写真で見たことのあるPooh Cornerの看板が。というわけでブザーを押してHay Waggonで降ります。

ようやくハートフィールドにやってきました!
hartfield

一応日本のガイドブックにも載っているプーの故郷ですが、ハートフィールド村にその様子はありません。
本当に普通の田舎村。
特に案内看板もなく、特に目立った観光客もいない。
しかし村の人はいい人ばかりでした。

バス停からバスで来た道を少し引き返すと村の端にPooh Cornerのお店があります。
次回はアッシュダウン・フォレストへの拠点となるお店Pooh Cornerを訪ねます。

聖地マップ2

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プー聖地巡礼ガイド 1 -プーの故郷、英国への旅

先日イギリス旅行をしました。
目的は、プー好きなら一度は行ってみたい聖地アッシュダウン・フォレストです。
他にも、プーの故郷ロンドンにある聖地をいくつか巡ってきました。
そこでプーオタによるプー聖地巡礼ガイドを書いてみたいと思います。

第1回はそもそもどうして英国がプーの故郷、そして聖地なのかを、プー誕生の歴史と共に見ていきます。

■ファンタジーの国イギリス
イギリスはピーターラビットからピーター・パン、101匹わんちゃん、そしてハリー・ポッターまで数多くの作品の舞台となっているファンタジーの国です。
エリザベス女王80歳を記念して2006年に行われた「子供のお茶会」には、プーもバッキンガム宮殿に招待されました。
BBC NEWS | UK | Queen throws party for children
『クマのプーさん』は1926年10月14日。ディズニーはこの日をプーの誕生日と定めており、プーはエリザベス女王と同い年ということになるのです。

イギリスを代表する作品となっているプー、その軌跡を辿るべく、まずはプーそして100エーカーの森誕生の歴史を見てみましょう。

■プーはロンドンっ子
『クマのプーさん』著者A.A.ミルン(アラン)は1882年1月18日、ロンドン北部のハムステッド地区に生まれました。
そして挿絵画家E.H.シェパードはその2年前、ハムステッド地区の隣セント・ジョンズ・ウッド地区で生まれました。
偶然にもミルンとシェパードは非常に近くでその幼少期を過ごしたのです。

アランの父はヘンリー・ハウスという小学校を経営しており、アランはそこに通います。
ヘンリー・ハウスで数学の教師をしていたのが小説家となるH・G・ウェルズでした。

その後、アランはウェストミンスター高校に通います。
westminster
世界遺産ウエストミンスター寺院。
この近くにはピーター・パンでお馴染みのビッグ・ベンがあります。
ウエストミンスター寺院の隣(写真左奥の位置)にウエストミンスター高校があります。

ケンブリッジ大学を卒業したアランは、風刺漫画雑誌『パンチ』の副編集長となります。
この頃ダフネと結婚。
第一次世界大戦を経て、本格的に散文家、劇作家としての活動を始めます。

そして1920年8月21日、息子クリストファー・ロビン・ミルンが誕生。
1歳の誕生日プレゼントとして贈られたテディベアが後のウィニー・ザ・プーでした。
このぬいぐるみは英国ハロッズ専属J・K・ファーネル社がつくったものです。
アランは息子を題材として詩集『クリストファー・ロビンのうた』(When We Were Very Young)を発表します。
後に発表される詩集『クマのプーさんとぼく』(Now We Are Six)と合わせて、この2作は「プーもの」の詩集と呼ばれます。
実は「プーもの」詩集にはほとんどプーは登場せず、わずかに登場する詩でもプーとして明確に登場するわけではありません。
そして「プーもの」詩集の舞台は100エーカーの森ではなく、架空の王国や部屋、そしてロンドンとなっています。
「バッキンガムきゅうでん」や「どうぶつえん」ではまさにロンドンで遊んでいたクリストファーの様子をうかがえます。

■100エーカーの森の誕生
この『クリストファー・ロビンのうた』が大ヒットし、アランは児童文学作家の地位を手にします。
詩集のヒットを受け、ミルン一家はイギリス南部ハートフィールドのアッシュダウン・フォレストに別荘コッチフォード・ファームを購入しました。
クリストファーはここで自分の持っているテディベアや他のぬいぐるみたちと遊びました。
これを題材として書かれたのが『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh)そして『プー横丁にたった家』(The House at Pooh Corner)です。
この場所こそが100エーカーの森にあたります。

次回はいよいよアッシュダウン・フォレストへ。
ロンドンからハートフィールドを目指します。

聖地マップ1

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