「 月別アーカイブ:2026年06月 」 一覧
- くまのプーさん - by poohya
プー作品の詩集の訳者 小田島雄志さん死去
小田島雄志さんが6/8に亡くなりました。95歳で老衰でした。
シェークスピアの全訳などの英文学者で演劇評論家として知られています。
そして、「クリストファー・ロビンのうた」(When We Were Very Young)と「クマのプーさんとぼく」(Now We Are Six)の訳者です。
A.A.ミルンによるプー作品は、一般的に4作品とされています。
発売順に「クリストファー・ロビンのうた」、「クマのプーさん」、「クマのプーさんとぼく」、「プー横丁にたった家」です。
「クマのプーさん」と「プー横丁にたった家」が100エーカーの森を舞台にした物語で、ディズニーアニメーションの原作にあたります。
「クリストファー・ロビンのうた」と「クマのプーさんとぼく」は詩集で、舞台はクリストファー・ロビンが暮らすロンドンを中心にしています。
「プー横丁にたった家」は1942年に、「クマのプーさん」は1950年に、石井桃子さんが訳しました。
そして「クリストファー・ロビンのうた」を1978年に、クマのプーさんとぼく」を1979年に訳したのが、小田島雄志さんと小田島若子さん夫婦でした。
4作品をまとめた「クマのプーさん全集」は、石井桃子、小田島雄志、小田島若子の訳となっています。
シェイクスピア研究者で、英詩の訳に長けていた小田島さんが、子ども向けながら韻律や言葉遊びの多いミルンの詩を訳したのでした。
- テーマパーク - by poohya
USJの屋外映画上映イベントが見せる”パーク”としてのテーマパークの未来

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで「シネマナイト・ピクニック ~Discover U!!!~」が始まりました。
6月の金土日の夜に、グラマシーパークで映画を上映するというものです。
グラマシーパークでは、シーズナルショーのためにLEDスクリーン付きステージが常設化されており、このスクリーンを使用して映画を上映するというイベントです。
近年のテーマパークでは、テーマ性への没入が重視されてきました。
その一方で、「パーク」としての要素を再構築しようとする動きも見られます。
ユニバーサルの最新パークであるEpic Universeでは、各テーマエリアがポータルとして繋がっており、その中央にはセレスティアルパークがあります。
セレスティアルパークにIPコンテンツはなく、伝統的な公園としての機能にこだわった空間です。
将来的に、セレスティアルパークまでは無料入園でき、各ポータルやアトラクションの入り口にゲートを設けることで入退園管理を行う(顔認証でスムーズに出入りする)構想があると言われています。
USJでもハリー・ポッターと任天堂エリアが他エリアとはっきり分かれており、事実上のポータル化しています。
ディズニーでも、マーベルやスター・ウォーズのエリアは他エリアと交わらず、ポータル化する傾向があります。
世界観に没入する、イマーシブ体験が浸透すればするほど、テーマパークとしての一体感が損なわれるというのが、現代のテーマパークの宿命だとも言えます。
USJの社長が副社長時代にインタビューで答えた「テーマパークが1つの世界観で統一されているほうが息苦しい」という言葉にも繋がっているものでしょう。
ではイマーシブなIPエリアの連なりに、どう一体感を持たせるのか。
Epic Universeがパークを取り戻そうとし、IPエリアの結節点になっている姿は、これからのテーマパークのあり方を提示しているようです。
公園は、遊園地を経て、テーマパークになっていきました。
無料の公園にアトラクションを配置した遊園地は今でもありますが、中でも規模の大きいものに東京ドームシティ・アトラクションズがあります。東京ドームのボールパークとしての要素の一つとなっており、多くの人が遊園地を意識せずに通行していることでしょう。
また、富士急ハイランドは2018年に入園無料化を行い、アトラクションのフリーパスもこれまで通り販売しています。
これは、富士急行としての富士山エリアのリゾートシティ化の一環でもあり、環境問題に焦点が当たりがちなSDGsのうち「住み続けられるまちづくりを」を達成する方策としても捉えられています。元々、短日イベントの多い遊園地でしたが、より無料イベントで集客しやすくなっています。カウントダウンまで無料なのだからすごいです。
USJの「シネマナイト・ピクニック ~Discover U!!!~」は、パークの公園としての機能を取り戻すようなイベントです。
野外映画は、日本でもイベントとして各地で行われますが、そこにUSJとしてのストーリーが加わることで価値を生んでいます。
特に今回のイベントは、25周年アニバーサリーの一環として開催されています。アニバーサリーは、パークの歴史を祝福するもので、エリアのストーリーよりもパーク自体に焦点を当てた、一歩引いた視点になります。
映画スタジオのパークとして誕生したUSJのアニバーサリーを祝う中で、これまでの歴史を彩った映画を上映するというストーリーが乗っかりやすい状況です。
また、TDRが年間パスポートを休止している一方で、USJは年間パスポートを継続しつつ内容を調整しています。
パスポート制を採用しているUSJにおいて、公園イベントを成功させるには、追加料金のかからない年パス所持ゲストの集客が大きな効果があります。
「シネマナイト・ピクニック」では、会場周辺にドリンクワゴンが臨時で出店し、年パスを提示して購入すると限定ステッカーがもらえるという施策も行われており、年パスゲストを集客する戦略と、年パスゲストに集ってほしいというメッセージを感じられます。
イベント初日は『ジョーズ』が金曜17:30から上映されました。
平日のそこまで遅くない時間で、サブスクでも見られる古典映画です。
それでも、30分以上前から会場のグラマシーパークはレジャーシートを敷いたゲストで埋まっていました。
ジョーズの服装はもちろん、USJの映画シャツを着たゲストが多く見受けられました。
最近のテーマパークでは見られなかった、非常に豊かな光景だと思いました。
映画のテーマパークとしてスタートし、25周年では歴代アトラクションの車を展示することで、映画らしさを打ち出しているUSJ。さらに名作映画の上映会を、年パスゲストに目配せしながら行うことで、パークのアイデンティティを確立しています。
- 東京ディズニーランド - by poohya
東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ25周年
東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツが25周年を迎えました。
東京ディズニーランド開園から2年後、1985年に初代エレクトリカルパレードがスタートし、10年間公演。「ディズニー・ファンティリュージョン!」を経て、2001年から「ドリームライツ」として再登場しました。
エレクトリカルパレード自体は、メインストリート・エレクトリカルパレードとしてディズニーランドで1972年にスタート。54年の歴史のうち、ドリームライツだけで25年も公演していることになります。
25年の公演期間のうち、2011年、2015年、2017年にリニューアルを行いました。
リニューアル以外にもフロートの入れ替えが行われ、現在最も古いフロートでも2011年のリニューアルで導入されたもの。
スタート当初のフロートは1台も存在せず、「テセウスの船」の例えとして使いやすい存在です。
東京ディズニーランドといえばの定番になっていて、誰もが名前を知っているパレードでしょう。今さら変える理由が見つかりません。
いや、ファストパスという名称を捨てたディズニーにはそんな理由も通用しないか。
世界的に貴重なナイトパレード
25年も続けているうちに、世界は大きく変わりました。
もはやナイトパレードを行っているパークは貴重です。
日本では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、2009年から「マジカル・スターライト・パレード」を公演。「ピーターパンのネバーランド」に次ぐ、ディズニーアニメーションの原作を元にしたキャラクターを出しまくる、それでいいのか感のある時代でした。そして2018年に「ユニバーサル・スペクタクル・ナイトパレード 〜ザ・ベスト・オブ・ハリウッド〜」がスタート。ちゃんとユニバーサル・スタジオの映画をモチーフにしたナイトパレードでした。しかし2020年のコロナ禍で休止し、そのまま終了。現在はナイトパレード以前に、レギュラーのナイトエンターテインメント自体がありません。
そもそもナイトパレードができるほど夜まで営業しているパークが減ってしまい、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも19時閉園の日が多くあります。ハウステンボスが毎日21時まで営業し、レギュラーでナイトショー「シャワー・オブ・ライツ」を公演していますが、パーク自体が元々パレードが弱いため、ナイトパレードには至りません。志摩スペイン村パルケエスパーニャがGWや夏休みに、デイパレードを夜間公演するなど、特別演出としてのナイトパレードは残っています。
韓国では、ロッテワールドの「ワールド・オブ・ライト」、エバーランド「ムーンライト・パレード」があり、なぜか世界的ナイトパレード大国になっています。
Disney Starlight
ディズニーパークでのレギュラーナイトパレードは世界的に減少傾向でした。
昨年マジックキングダムでDisney Starlightがスタートするまでは、東京ディズニーランドが世界で唯一、レギュラーのナイトパレードを公演するディズニーパークでした。この1年間は、ディズニーランドでも70周年の復活ショーとしてPaint the Nightが公演されています。
フロリダのマジックキングダムでは、エレクトリカルパレードとスペクトロマジックが、入れ替わり立ち替わり公演されてきましたが、2016年にHappily Ever Afterがスタートすると、ナイトパレードは公演されなくなりました。
ディズニーランド・パリがエレクトリカル・スカイ・パレードをドローンで行ったことが象徴するように、キャッスルプロジェクションがナイトパレードを置き換えていきます。
そんな中で、マジックキングダムではプロジェクションマッピングを続けつつ、新たなナイトパレードDisney Starlightがスタートしました。1日2回公演するほどです。鑑賞してみて、やっぱりナイトパレードがあるとマジックキングダム型パークらしさが際立つなと思いました。ただ、それはドリームライツに25年親しんできた東京ディズニーランドのゲストだから思うことなのであって、アメリカではそうでもない気持ちなのかもしれません。
カリフォルニアでは、1年間限定(ハロウィーンとクリスマスで大幅中断)のPaint the Nightが終了し、またナイトパレードのないパークになります。
東京ディズニーランドのこれから
東京ディズニーランドでも「ワンス・アポン・ア・タイム」がスタート時には大ヒットしましたが、エレクトリカルパレードは続きました。
東京ではマッピングと花火が別ショーとして存在するため、パレードとマッピングと花火で、夜のスケジュールはかなりタイトです。それでもパレードが続くのは、エレクトリカルパレードが名物として定番化しきっていること、そしてパレードルートがメインストリートを通過しない経路でマッピング鑑賞エリアとの干渉が少ないこともあるでしょう。
一方で、エレクトリカルパレードがなければ、昼間のシーズナルパレードを2回公演できるのではないかとも思います。
ナイトショーの定番が世界的にはプロジェクションマッピングやドローンに移りゆく中、もはや存在しない世界が想像できなくなってきた26年目の東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ。実はコロナ禍以降のOLCにおいて重要なファクターである気がしています。
