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- 海外パーク - by poohya
D23: The Ultimate Fan Eventに行った
D23 ExpoがD23: The Ultimate Fan Eventと名前を変えた第1回。
大きく変わったのは、体験型のイベントになったことでした。
コンベンションセンター内のブースは特に顕著で、マーベルやルーカスフィルムが体験に振り切っていました。
マーベルはTVAツアーの形式で、ミスミニッツの映像やロケットとのトークを入れつつ、従来の作品衣装展示はタイムドアから見られる形に。
ルーカスフィルムは、巨大スクリーンで背景を作れるVolumeをそのまま展示し、デモンストレーションも実施しました。
ディズニーパークはイマジニアリングのブースとして出展し、中央にミニステージを設置して30分ごとにミニトークを行っていました。
パビリオン内でFuture Imagineerのネームタグ風シールを配っていたり、ミニトークでは締めとして今後イマジニアを目指す人へのメッセージを送ることも多かったり、イマジニアという職業にゲストを巻き込む仕掛けを感じました。
個人的には前日に行われたパークでのD23 DayでDCA側がディズニー・ジュニアのイベントを行い、パレードでプーとソフィアが並んで登場してきた時点でイベントに満足していたため、非常に気が楽に過ごせました。
「いっしょにあそぼう!くまのプーさん」衣装のプーとグリーティングできたし、D23会場でもグリーティングできたし。
わかりやすく大きな変化は、従来のHall D23でのプレゼンテーションがホンダセンターに移動したことです。
プレゼンテーションが夜にある分、全体でのD23の体験時間は長くなっており、時間にゆとりができました。
ただ、時間にゆとりが生まれたのは、コンベンションセンター内の講演にあまり参加しなかったからというのもありました。
フィニアスとファーブなど人気の講演は相変わらずすぐ埋まる一方、パークやアニメーションの講演は少なめでした。
アリーナでの講演は座席が多く快適でよかったです。
他の参加者も時間にゆとりがあるので、ブースの行列がものすごく、マーベルやディズニー・チャンネルID体験などは朝一を狙わないと厳しかったです。
これまでD23 Expoでは東京にほぼ触れないので、何秒東京に触れるかを見るという遊びにすらなっていましたが、今回はファンタジースプリングスという強力コンテンツがあり、それも楽しみにしていました。
わざわざファンタジースプリングスの柄がよく出ているアロハシャツを着て行ったら、ちゃんと現地の人に絡まれて。
アリーナでのファンタジースプリングス、香港アナ雪、上海ズートピア、ティアナの講演も面白かったです。
これが期待していたファンイベント要素だったのですが、今回はそれを圧倒的に上回る体験になりました。
まず、単純に自分が現地で会った方の運でD23側のものではないのですが、D23 Emporiumで出展者と話すこともできました。
D23 Expoは新情報発表会ではなくファンイベントだろうとずっと思ってきていたので、これがExpoだ〜と大満足でした。
そしてホンダセンターのプレゼンテーションも、新情報発表会を超えたショーになっていました。
まずホンダセンターに入ると客入れDJが行われていました。
指定席だし平和な雰囲気の中でDJがあり、客席から中継してゲストにクイズを答えさせてもいました。
これが本当にマニアックなクイズを出しているので、この会場にいるのがマニアックな人たちなんだという雰囲気になります。
最終日なんてゲストの自己紹介時に好きなディズニーレジェンドを聞いていました。
そんな質問聞いたことないし普通に答える会場も異常。
そしてこれまでの全員が正面を向くシアター形式からアリーナ形式に変わったため、ゲスト同士が向かい合う座席が生まれました。
この雰囲気のおかげで、ディズニーマニアが集まってショーを楽しむ空気になったのです。
初日の映画プレゼンは、ピクサーはショーアップするのが上手かったけれど、他はまあまあくらい。
すごかったのは2日目のパーク(Experiences Showcase)でした。
ステージにはオーケストラを用意し、細かな音楽まで生で見せるのはすごかった。
そして新発表会としてみても大満足の超豪華な発表内容。
偉い人やイマジニアがただ説明するのではなく、ゲストも盛り込みながらショーとして発表していく形式です。
発表して関連した音楽という流れかと思いきやどんどん融合していき、歌の中で発表する始末。
ただ予定時間の倍かかるのはいい加減にしろ。
そして最終日のホンダセンターはディズニーレジェンド授賞式。
今までは初日朝のオープニングで行っていて、最後にレジェンド授賞式単体で持つのか心配していましたが杞憂でした。
ゴールドを基調とした照明で、かなり格式高い雰囲気になりました。
これまでは、アイガーなど偉い人が受賞者を呼び、スピーチ、ショーという流れで、ショーで歌わせるために俳優や声優を受賞させているのではという感じすらありました。
今回は、プレゼンターとして受賞者と親交のある著名人などが受賞者を紹介し、スピーチという流れ。
従来のショー部分をプレゼンターが担当することで、誰が受賞してもショーアップされていました。
俳優はもちろん、パークガイドだったマーサ・ブランディングの際はダッパーダンにミッキーも登場。
ショー自体も、プレゼンターが受賞者に届けるという形なので、観客はショーを観る側ではなくプレゼンターと一緒になって受賞者を称える立場だったのも、面白いショーを見せろという姿勢にならずによかったです。
さらに、豪華なプレゼンターが来て会場がスタンディングオベーションになった流れから、全受賞者に対して呼び込みの際にスタンディングオベーションが起きて、敬意を表す形になっていったのも素敵な会場でした。
ジェイミー・リー・カーティスのスピーチ中にThere’s a Great Big Beautiful Tomorrowを歌うことになったときも、歌詞表示なしでみんなが普通に歌えているのもやっぱり異常な会場です。
そしてマイリー・サイラス。
史上最年少のディズニーレジェンドになったそうで、これまで誰が最年少だったのかは知らないけれどマイリーこそ最年少のレジェンドにふさわしいでしょう。
スピーチの中で涙を流し、自分がハンナ・モンタナだったことを誇りに思うと語ったマイリー。
D23はディズニーを裏側からも見るイベントであり、マイリーとハンナの関係とも近いわけで、その空間を体験できてとてもよかったです。
ディズニーレジェンドはどうしてもディズニーから離れた人がほとんどになるわけですが、みんなそれでもディズニーと関わったことを誇りに思っているような人ばかりで(受賞したんだから当然だけれど)、その空気が良かった。というのはその日の昼の影響が大きいわけですが。
最終日の昼はリチャード・シャーマン追悼講演がありました。
その前日に1964ニューヨーク万博の講演をみたのですが、ピート・ドクターが出る予告だったのにゲストとしてケヴィン・ファイギとジョン・ファヴローとマイケル・ジアッチーノまで出てきました。
ピート・ドクターはピクサーのトップですが、WDASも含めてアニメーションを率いる人物になる覚悟を決めたのかなというほど、あちこちのステージに出てきました。
そしてケヴィン・ファイギとジョン・ファヴローはアイアンマン2でのリチャード・シャーマンの楽曲提供の話と映像を披露。
マイケル・ジアッチーノはトゥモローランドの話をしつつ、ファンタスティック・フォーが60年代風になることに関連付けた話も。
ウォルトの精神を体現するようなニューヨーク万博はパークへの大きな影響を与えたのは当然ですが、ピクサーも実写もマーベルも、オプティミズムの精神で繋がっており大きなディズニーなのだと感じました。
そしてシャーマン追悼講演。
唯一出演者として予告されていたのは、司会のジョン・ステイモスでした。
オープニングの映像は、「The Last Verse」という一文から始まり、時代も場所も環境も超えてさまざまな場所でイッツ・ア・スモールワールドが歌われているという、まさにこの歌らしいもの。
ライオン・キングのザズーが歌うシーンなど笑わせるシーンもありつつ、最後には知らない歌詞が。
そしてサプライズでアイガーが登壇し、イッツ・ア・スモールワールドにリチャードが歌詞を付け足したという衝撃的な映像を紹介しました。
おそらく最後の仕事だとわかった上で作ったものでしょう。
既に号泣でしたし、周りをみてもみんな号泣でした。
そこからは、音楽葬のように、シャーマン兄弟の歌と共に各人が思い出を振り返っていきます。
ドン・ハーンの仕切りで、アシュリー・ブラウン、フロイド・ノーマン、トニー・バクスター、ケヴィン・ファイギが話すという、D23ならではの豪華な布陣。
前日のニューヨーク万博講演でのトークも補助線になり、オールディズニーがシャーマン兄弟と関わり、ディズニーらしさを体現していったことを示しているようでした。
最後には登壇者と会場全員でLet’s Go Fly A Kiteを合唱。
会場号泣しながら合唱です。今思えば当たり前のように歌詞表示なかったな。
みんなで歌って偲ぶことで、本当に亡くなったんだなと実感しました。
そして最後にはジョン・ステイモスは号泣しており喋るのに詰まるほど。
スタジオを越えまさにオールディズニーの豪華メンバーが集い、誰もが仕事を超えてディズニーを深く思っていることが伝わってきました。
これまでD23 Expoはネットで体験できる、ネットの方がより多くわかると言ってきましたが、イベント名が変わって今回は現地で体感する価値が大いにあるイベントでした。
もう今後行かない選択肢がなくなるほど。
どんどん拡大していくディズニーですが、その根幹にある部分をクリエイター側と何万人ものファンが共有して、オールディズニーを感じるイベントでした。