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 - 映画  - by poohya

『アナと雪の女王2』感想

『アナと雪の女王2』観ました。
好きか嫌いかで言えば好きです。
最近のディズニー続編もののせいで非常に不安だったのですが、アナ雪らしく良い感じになったと思います。
続編であることの利点をしっかり活かして、ディズニー長編アニメーションとして今描くべきことも描いていて、好印象。
曲はInto the Unknownではなく他2曲にハマっています。

日本語吹き替え版もさすがのクオリティで、一部子供でも分かりやすく翻訳されていて字幕より配慮がされている印象を受けました。

以降ネタバレありで詳細を書きます。

アナ雪は勢いで押し切る系映画で、減点法ではなく加点法で観るものだなと思っています(「バトルシップ系」映画)。
火と風の精霊がほぼ必要ないとか、結局使われないキャラクターの紹介シーンが必要なのかとか色々ありますが、今作は「The Next Right Thing」が良かったから全部OKです。

オープニングクレジットからディズニーを代表する作品だという気概を感じましたし、最近の続編だらけの状況で、続編である価値は出せていたかなと思います。
今年だから相対的に評価高くなった感も否めませんが…

曲の作り方

メインの「Into the Unknown」は良い曲ですがまあLet it Goに勝てるわけもなく。
曲の強さストーリー組み立てて押し切っていた1に対して2は曲の作り方が違って、ストーリーに曲を当てはめていった印象です。
全員歌唱の「Some Things Never Change」が最初にあって、エルサ、オラフ、クリストフ、アナと各々のソロが用意されています。

アナ、オラフにエルサとクリストフも加わり、1にない全員歌唱となった「Some Things Never Change」。
公開前からアナとエルサが一緒であることが強調されるあまり、逆に2の最後では2人が別れるのであろうことが想像できていましたが、これまたあからさまに“変わらない”ことが歌われます。
長編映画の最初にハッピーエンドのまま変わらない生活が歌われてそのまま終わるわけがありません。
そしてこの歌がとても良くて観ていてただ楽しいシーンなのが余計にしんどくなります。
ここからジェスチャーゲームまでで永遠に続けて欲しいと、今後が想像できるからこそ強く思ってしまう、続編の利点をうまく使っているシーンでした。

クリストフの「Lost in the Woods」はちょっと狙いすぎて観ながら冷めてしまいました。長い。

「When I am Older」はオラフが冒頭から言っている大人になるということが歌われています。
今作は季節が秋に設定されていることも含め、「変化」が大きなテーマとなっていますが、それがオラフの言葉で言う「大人になる」ということ。
大人になるとはハッピーエンドのような単純なものではなく、もっと複雑なものが待っているということです。
最初に1のティザー予告でオラフを観たときは、ストーリー進行の邪魔になる余計なキャラクターを作って…と思っていましたが、蓋を開けてみるとすごいキャラクターでした。
2でもギャグを挟み込みながら深刻になりすぎるのを防ぎ、ストーリー進行も助ける、映画として非常に便利なキャラクターになっていました。

アナの「The Next Right Thing」は後で。

アナ雪1はエピローグで最後に雪だるま作ろうで締まるところが好きで、同じロペス映画だと『リメンバー・ミー』も最後の「音楽はいつまでも」が似たようなエピローグ号泣系の曲です。
それに対して今回はアナの女王就任でそういう曲が流れ始めたかと思いきや最後はエルサパートで、1オープニングのナーナーナヘイヤナーの対になって終わりました。
対なのは良いんだけれどロペスのエピローグが聴きたかった。

変化

「変化」をテーマにできることこそ続編である意味があると思います。
知っているキャラクターに対して新たなメインキャラクターを加えるわけでなく、とにかく既存のメインキャラクターを掘り下げていく姿勢はよかったと思います。
この姿勢の結果、悪役がいなくなったのもとてもよかった。
強いて言えば祖父が悪役だったわけで、王家として自分との戦いになっています。

アナとエルサは自分を掘り下げている一方、オラフとクリストフは弱く。
オラフが1曲丸ごと使っている割には「大人になる」ことへの回答がはっきり出ませんでした。
トリビアを語ったり意味深なことを言い出したり、オラフが大人になる=変化が起きるということは分かりますが、結局オラフがそんなに変わることはないんですよね。
オラフは怒りという感情を初めて持つというのは驚きの展開ですが、それが何かに繋がるわけでもなく。
「水は記憶を持つ」は今作の設定上のルールのような感覚だったので、あまり強調されてもそうですかとしか言えません。
クリストフは途中から邪魔になって除外されましたね。

The Next Right Thing

一番好きなところ。
もはやここがあるから全体OK。
オラフが消えたことで、エルサが真実を知る代わりに命を懸けたことも察したアナ。
映画の結末はマイルドな別れになりますが、この時点でアナは完全に孤独になってしまいます。
1からアナは典型的なプリンセスとして描かれていて、プリンセスの明るさや周りを巻き込む力を持っています。
孤独を選びがちなエルサに対して、アナは仲間を見つけ一緒に物事を解決していくタイプ。
そんなアナに1人でやり切るという試練が訪れます。
希望も仲間も全て失ったとき、「The Next Right Thing」をやることを決意するのです。
その「The Next Right Thing」が、アレンデールの街を壊すことになっても祖父の過去の過ちを正すことでした。
ダムを破壊したアナは最終的にアレンデールの女王になります。
プリンセスらしい自分らしさを求めていたアナは、国のために正しいことをしました。
「自分らしさ」「本当の自分」に沿って行動するプリンセス像から一歩進み、自分の立場に責任を持つ行動を取っています。

今年2月にソフィア最終話評として「プリンセスは「ロイヤル」に変わる。ソフィア最終話が見せた新境地」を書きましたが、このアナはソフィア最終話に近い構造。
誰とでも友達になり、友達と共に解決することで自分らしいプリンセス像を見せてきたソフィア。
最終話ではプリンセスとして国中のみんなが家族であり、家族のために行動する責任を提起します。
そして彼女に最後に科された試練が、「ちいさなプリンセス」1人ぼっちで敵に立ち向かえるかでした。

奇しくも1年差で始まったソフィアとアナ雪の世界は6,7年をかけプリンセス像の変化を受けて、「ロイヤル」な姿へとたどり着いたのです。
この姿をディズニー長編アニメーションで、アナと雪の女王で行ったことは大きいことだと思います。

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