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 - テーマパーク  - by poohya

ハウステンボス、無人島取得を検討。HTB式の施設拡張とは。

HIS:ハウステンボスで無人島取得を検討、ゲーム拡充狙う – Bloomberg

ハウステンボス(HTB)を所有するHISが無人島の購入を検討していると報じられました。
サバイバルゲームができる場所などを確保するのが目的だそうです。

HTBでは2002年にJRAウインズ佐世保がオープン。HTB園外ではありあすが、外観がオランダのオペラハウスを模したものになっているほか、専用ゲートもあり、パーク一体型といえる施設になっています。
さらに7月、「ゲームの王国」がオープン予定。
こちらはHIS売却に伴い生まれた「フリーゾーン」(元々HTBの敷HISが手放し佐世保市の市有地となった/花火など特別営業の際はHTB園内として扱われることがある)での営業となります。

ゲームの王国アトラクションとして予定されているもののひとつが「アミューズメントカジノ」。
そして本物のカジノも誘致しようとしています。
2007年に発足した「西九州統合型リゾート研究会」では、長崎県を含め長崎の経済界が中心となり、「カジノを含む統合型リゾート」実現に向けた活動を行っています。
カジノ誘致には国内カジノ合法化特区に選ばれる必要があり、官民合わせた動きが必要です。

このように、競馬・カジノ・ゲーム、さらにお化け屋敷・アスレチック施設と、テーマパークというより一大アミューズメントエリアを目指しているHTB。
さらに今回の無人島取得は日本のテーマパークが抱える施設拡張に対するHTB流の答えが見えます。

HIS買収によりHTBのエリア構成は大きくリニューアル。
チューリップ祭りなど長年人気のあるオランダらしい風景が楽しめる「フラワーロード」
愛知万博パビリオンなど大型施設が集まるエリアを再構成した「アトラクションタウン」
博物館エリアの施設を活かして一面お化け屋敷エリアにした「スリラーシティ」
ショップが並び、ショーを行うプラザ的存在の「ワールドバザール」
シンボルのドムトールンがあり、飲食店が集う「タワーシティ」
光の王国として一躍稼ぎ頭となった「アートガーデン」
園外に新たなアクティビティ施設として作られた「アドベンチャーパーク」
園外扱いのフリーゾーン、アクティビティ受付などの機能を持たせた「ハーバータウン」
園外コテージ型ホテルエリア「フォレストヴィラ」

このリニューアルにより、エリア毎の目的が明確になり、無駄がない配置になりました。
さらに注目すべきは、園内施設は景観もの・万博系アトラクション・お化け屋敷に絞り、そのほかの施設を園外扱いにしている点です。
そして今回の無人島も当然園外ということになります。

ハウステンボスがある大村湾には無人島が点在しており、さだまさしさんが所有する「詩島」なども有名です。
海の外に飛び地として敷地を確保する。本当に海と一体になったパークだからこそできる拡張です。

HTBは海辺のTDRやUSJとは一線を画すほど海が近い。
何しろパークに本物の港があります。
ドックがあり、船で来園することもできるのです。
実際にかつてオランダ村からハウステンボスへの直通船というものがありました。
さらにオランダ村では向こう岸に渡るための船もありました。
WDW超えです。

そして、ワンピースの「サウザンド・サニー号」クルーズなど、実際の船を使ったクルージングも行っています。
交通手段として船が確立されているHISでは、離島へクルージングすることも容易です。

移動用の土地すなわち海は取得する必要がありません。
島さえ購入してしまえばそこを結ぶ経路は船さえ用意すればいい。
さらにこの島がHTBから近ければ、花火特別観賞エリアとしても売り出せるでしょう。
海に面しているという利点をいかしているHTB。
「アジア一のゲームの王国」を目指すという宣言通り、テーマを離れたアミューズメントパークに生まれ変わるのか注目です。

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