- 駄話 - by poohya
TDRイベントショーの暑さ対策
年々暑さが増してきており、ついに屋外エンターテインメントは暑さ対策ありきで設計しないといけない時代に突入しました。
高気温キャンセル(熱キャン)をはじめて聞いた時はそんなキャンセル理由があるのかと驚きましたが、今や夏期の当たり前の光景になってしまいました。
オリンピックどうするの問題もありますが(サマータイムは東京ディズニーリゾートに向いていない|舞浜横丁)、テーマパークのショーも対応を余儀なくされています。
東京ディズニーリゾートでは季節ものはランドがパレード、シーがハーバーショーというのが定番。
パレードは約40分、ハーバーショーは約25分なのでパレードの方が15分も長く、更にショーは途中でキャンセルして帰れるものの、パレードは始めてしまうと最後までやり切るしかありません。
パレードの方が公演が大変ですね。
ショーもパレードも様々な手を打っています。
春
ディズニー・イースターが始まった時は6月30日まで開催されていました。
これが年々縮小され、2019年のイースターは6月2日までに。
暑さ問題は夏イベントだけでなく、前後のイースターやハロウィーンにも影響を及ぼしています。
イースターの代わりに6月に拡大してきたのは七夕。
七夕グリーティングは小規模なので暑さに強めです。
人力車の人とか徒歩のプリンセスは心配になるけれど。
夏
勝負所の夏、散水ショーが行われ、ショー自体が涼める内容になっています。
レギュラーで公演されるデイパレードや旧デイハーバーショーは夏ダイヤで16:30など夕方にずれています。
子供向けに公演されていたスーパードゥーパーは夏は休止していました。
シーは2017年から「パイレーツ・サマーバトル」を公演。
このポイントは人間しか登場しないことです。
ミッキーたちが夏の屋外に出てくるのは厳しいですね。
とはいえパイレーツでも熱キャンが発生しており、人間が水を撒くショー以上に暑さに強いハーバーショー形式があるのかは疑問です。
パイレーツは2020年に4年目の公演が決定済。
今後は他のネタを見つけられるかが問題になりそうです。
ランドの夏は元々パレードではなくショーを中心に公演してきました。
2012,13年の爽涼鼓舞はキャッスルショーで昼4夜2の計6公演。
昼は参加ダンス部分でゲストを立ち上がらせない高気温版に変える、ショーらしい柔軟な対応を行いました。
2014年からはパレード型の散水ショーで、キャッスルショーの代わりに広範囲のゲストが参加できるスタイルを取っていました。
ところが2018年の記録的な猛暑でまともにショーが公演できず、2019年は根本的に修正。
キャッスルショーを復活させます。
その結果、ドナルドのホット・ジャングル・サマーのイベント要素が夜のオー!サマー・バンザイ!しかないという妙な編成になりました。
昼はイベント無関係にニックとジュディの短めの散水。暑ければニックとジュディがいなくても公演できる内容でした。
メインを夜のキャッスルショーにし、気温が下がってからショーを公演する体制にしました。
ここ6年キャッスルショーはゲストコントロールの観点から無くなっていたものの、それ以上に暑さ対策が重要になったといえます。
秋
以前は9月頭まで散水した頃もありましたが、今は9月になるとすぐハロウィーンが始まります。
夏は暑すぎて対応のしようがない感はありますが、ハロウィーンは暑い時期から寒い時期まで続くため、運用でカバーできる余地が大きいイベントです。
ハーバーショーは2019年からフェスティバル・オブ・ミスティーク変わったものの、特に暑さ対策は見られず。
28℃程度で高気温バージョンになってしまいました。
イベント初期は全公演が高気温というのもざらで、9月中の2公演目もほぼ高気温。
高気温バージョンも単純にフィナーレをカットする方式で、突然終わる感を強く感じます。
高気温バージョンがこんな回数も公演されるなら、最初から高気温を想定したダイジェストのようなバージョンを用意しておくのも手かなと思います。途中変更とか振り付けとか難しいことはありそうですが。
ランドのハロウィーンは毎年パレード。
2018年からスプーキー“Boo!”パレードが始まりましたが、特殊事情が発生中。
ニューファンタジーランド工事のため、トゥモローランドでの停止がなくなっています。
2018年は逆走、プラザとウエスタンランドでの2回停止、ダンサーはプラザから登場。
そして2019年は順行に戻り、プラザで1回だけの停止に。ダンサーは変わらずプラザから登場。
更に、トゥモローランドへの橋の間キャラクターやダンサーが呪われたようにうなだれて歩きます。
ここが暑さ対策のポイントのようです。
まず、ダンサーはプラザから登場するため、単純計算で出演時間が2/3になります。
ショーモードも1回だけなので負担少なめ。
そして、パレードモードに入り、橋の間は踊らない時間になります。
さらに、橋の端にあるベンチには水が置かれています。
ダンサーは踊らず隊列も崩れているため、フラフラしながらベンチまで行くことが可能。
ダンサーがベンチを台にして給水しています。
水のボトルは口をつけずに飲めるタイプ
実際観た日にはアクロバティックなダンサーは給水を多くしていました。
ショー性を出来る限り保ちながら休憩と給水を行える仕組みでした。
新たな選択肢
春夏秋とそれぞれの暑さ対策を振り返ってきましたが、2020年はランドが春夏を「やらない」という新たな手に出ました。
ニューファンタジーランドに全ての力を注ぐのでしょうが、結果的にシーズンイベントの暑さ問題は起こらなくなります。
新たなフォレストシアターは屋内型のため冷房が効き夏でも公演可能です。
突き詰めると完全屋内型のピューロランド最強説にたどり着きそうですが、屋外ショーでも少しずつ対応が進んでいます。
中でも今年のスプーキー“Boo!”パレードはダンサーの負担を下げている点が非常に上手いと思います。
ただ来年はニューファンタジーランドが完成し、3回停止可能な状況になるため、どう運用するのか気になるところ。
シー側は夜のファンタズミック!が3月に終わるため、相対的に昼のショーの重要性が上がります。
途中休憩が許容されるショーが今後は必要になってくる気がしています。