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 - 映画  - by poohya

Meet the Filmmaker ピーター・デル・ヴェッチョ「アナと雪の女王」

1/29(水)、Apple Store 銀座にてFrozenプロデューサーPeter Del Vecho氏によるトークショーが行われました。
トークショーのレポートを、前半ネタバレなし、後半ネタバレありでお届けします。
ネタバレを避けたい方は注意文と”続き”以降を読まないように気を付けてください。
なお、当日の模様はpodcast配信されています。
iTunes – Podcast – Apple Store イベント「ピーター・デル・ヴェッコ: Meet the Filmmaker」

会場は立ち見が出るほどの満員。
司会はみんしるさん、先に日本語版予告編と映画の簡単な紹介を受けてから、ピーター・デル・ヴェッチョ氏が登場しました。

はじめに、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの説明。
90周年を迎えたスタジオ、ピクサー買収によるジョン・ラセターとエド・キャットマルのトップ就任により新たなルネッサンスが生まれたとのこと。
その最たる例が”Story Trust”と呼ばれる会議です。
12週間に一度の試写など制作過程が紹介されました。

新たなルネッサンスがラプンツェル、紙ひこうき、シュガーラッシュと繋がっていき、今最高潮に達しているとのこと。
 ここで映画名を言うとき、Tangled or it was called Rapunzel in here…とわざわざ邦題で説明してくれました。
Ana and a Snow Queenとも。優しい。。。

そして、Frozenの話へ。
この映画、監督はクリス・バック(Chris Buck/ターザン監督)とジェニファー・リー(Jennifer Lee/シュガーラッシュ脚本)のコンビ。
監督とプロデューサーの3人で来日中。前日(1/28)に東京ディズニーランドとシーに行った際、若い日本人女性3人組にアナのプロデューサーですよねと声をかけられたそうです。すごい。
音楽はロペス夫妻。ピーター・デル・ヴェッチョとは2011年『くまのプーさん』でも仕事をしています。

今回のトークショーでは映画を作る際に重要な3つのポイントを使って話がすすめられました。
Creating Story (素晴らしいストーリー)
Belieavable Worlds (真実味のある世界観)
Engaging Characters (魅力的なキャラクター)
日本は公開前ということでストーリー部分は省略されました。

Belieavable Wordls 真実味のある世界観
多くの映画に登場する「お城」、今作ではこのお城がいつもと少し違うそうです。
ここについてはネタバレありの後半で。
実地調査では、ノルウェーを旅行。
スターヴ教会(木造教会)がお城のデザインに活きているそうです。
また、北欧のフォークアート「ローズマリング」がキャラクターの衣装やドアのデザインに使われています。

そして、今作で最も重要なアイテム「雪」。
雪の上を人がどのように動くのかを調べたそうです。
実際にアニメーターが深い雪を歩いたり走ったり。
さらにスタジオにはボールプールを設置し、アニメーターが疑似体験できるようにしたそうです、
また、ケベックのアイスホテルでは氷と光の関係を研究。
氷は透明ではなく、周りの環境によって色を反射する。
同時にこの色はそのシーンのムードも反映するようになっています。
同じような氷の中にいるとき、アナとエルサそれぞれどのような色になっているかに注目して映画を観るのも面白いでしょう。
また、広大な雪の中で、影を使うことによってキャラクターに自然と目が行く工夫もされています。

この自然な雪を表現するために新たに開発されたソフトウェア
その名も「MATTERHORN」
もちろん、ディズニーランドのマッターホルンから名付けられています。


ここでMATTERHORN開発エピソード。
完成後、雪玉が転がるシミュレーション(上記動画3:09~)を観たところ、アニメーターは雪はそのように転がらないと納得できなかったそうです。
しかしプログラマーは、このプログラムは完璧だからこう動くはずだと譲りません。
そこで、実際にプログラムと同条件の湿った雪の斜面で雪玉を転がすと(2:43~)、プログラム通りの動きになっていました。
プログラマーすごい…

Engaging Characters 魅力的なキャラクター
人間でもそうでなくとも、キャラクターには演技のリアルさが求められます。
そこで、演技指導講師を招き、キャラクターの動きが研究されました。
声優にも歌い方から息継ぎの仕方からトレーニングが行われます。
さらに、レコーディングでは必ずビデオも同時に撮影し、声優の呼吸の仕方などを観察できるようにしているそうです。

CGアニメーションとはいえ、はじめに手描きでキャラクターのありとあらゆる表情を描き、イメージを膨らませていきます。
続いてラフCG。この動きだけでもキャラクターの性格が見えてきます。
エルサのラフ


オラフのラフ

雪玉をぶつけられても楽しみ、投げ返そうとするアナ
優雅に歩くエルサとそれぞれのキャラクターがこの数秒でも伝わってきます。

さらに、CGの上からも細かい描写はCG画面の上から手描きでかき加えられていきます。
なんとこの映像でマーク・ヘンが登場。
マーク・ヘンのような伝説的2Dアニメーターは現在このような形で関わっているのですね。

最後にLet It Goをストーリーボード段階からラフ2D、ラフCG、完成版と順を追って見せてくれました。

CGアニメーション制作の過程をプロデューサーとして説明してくれたトークショーでした。
ピーター・デル・ヴェッチョも司会の方も、日本は公開がまだだけど感が随所に溢れていました。
「周りの方にも良い映画みたいよと伝えていただければと思います。」
本当に早く公開してくれ…

ネタバレを含む内容は続きで

以下ネタバレ含む

数々の映画に登場する「お城」、もちろんFrozenでも登場しますが、今作ではちょっと違います。
普通お城は崖のそばなどに建っているものですが、今作では平地(フィヨルド)。
デザインのモデルもお城ではなく、木造教会です。
さらに物語の舞台はほとんどがお城の外で繰り広げられます。
たしかに、主題歌のシーンもクライマックスも、お城がまったく登場しない外で繰り広げられますね。
一方でLet It Goでエルサが建てる城こそが典型的な映画のお城と言えるのではないでしょうか。
また、実地調査が行われたノルウェーの特徴として、山々が高いというよりもスケールのある景観であり、フィヨルドに山が繋がっていることを挙げていました。
お城のある地面と、氷の城が生まれる山、それぞれが独立しているわけではないということが作品でも活きていると思います。

各キャラクターのCGデモを見せた時ハンス王子の部分で、彼が最後に見せる性格が少し見えるね。と発言していました。それ危ないよ!
通訳の方はこの部分を一切訳しませんでした。偉い。

そしてLet It Go
はじめの2Dストーリーボードでは、エルサが王冠を投げるシーンの直前でエルサの顔がアップになっていました。
完成版のLet It Goではエルサの顔に寄るのは最後の部分だけ。ほかはほとんど腰から上が映っています。

王冠を投げる前後でのエルサの表情の変化、そしてアナが作った城こそがディズニー作品らしいお城であったこと
心を隠しながら形式的な戴冠式を行ったエルサが、強い決意で自らの呪縛を解き放ち本当の女王になったシーンがLet It Goだと思いました。
映画を観てから2ヶ月、2回目を観るにはあと1ヶ月半待たなくてはなりません。
気になった部分を確認することも難しく、ふと思い浮かんだことも喋れずに苦しい状態。
早く解放してほしいです3/14…

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