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【ネタバレ】映画「くまのプーさん」感想

OneTopi「くまのプーさん」として試写会に行ってきました。というわけで今回は本当に映画を観ての感想です。
完全にネタバレなので続きから。
◎同時上映短編「ネッシーのなみだ」
これは素晴らしい。プーの同時上映にこれ以上ない最適さ。
ところで、冒頭でグレン・キーンと聞こえた気がするのですが・・・
グレン・キーンといえば、ラプンツェルを担当した為にディズニーの名アニメーターの中でプーにかかわらなかった方。
作品のメッセージ性は、短編らしくすごく良かった。
「泣いてもいい」というメッセージは結構新しいかな?(というか本編よりメッセージ性のある短編って)
 
◎本編
Disneyロゴが出て、ミッキーが出て、本編始まった瞬間に泣いた。
まさかロビンの部屋の入り口から入るとは。
そして実写シーン、今回はぬいぐるみ以外のカット多目。そしてこれがクレジットにつながるとはその時には考えもしない・・・
ところでこのぬいぐるみ、プーはバーニー・マティンソンの奥さんが完全保存版当時に作ったもの。それ以外のぬいぐるみはディズニーストア提供とのこと。
というわけで米ディズニーストアの限定版プラッシュの価値があるわけですね。
最初の曲は定番。ここでいきなり新ロビンのお目見えとなりますね。
さらにイーヨーの家が壊れるのは本編通してここだけ。ティガーとルーの絡みもこことBackson songくらいですから、この一曲で定番シーンを大分こなしてますね。
イーヨーは今回ほぼ主役だったのに家が全然壊れなくてちょっと肩すかし。
そしてCHAPTERⅠから。In Whichは絶対に必要な要素。(あっても褒めないけどなかったらめちゃくちゃ文句言ってた)
そしてナレーターとの絡みと本の効果はいきなりがっつり。
文字の効果はこの作品ではキーになりました。スタッフの思惑通り。
で、Tummy Songのあとにイーヨーの家。
オウルとのやり取りは原作の要素あり。
プーとティガーの絡み。ここで短くWonderful Thing About Tiggerが。
どうせならI’m the only one.をプーさんと大あらしのように文字出せば良かったのに。
ところでオウルの自叙伝というと、原作新作を思い出します(原作新作では叔父さんの伝記)。
曲としてはBackson Song、It’s Gonna Be Great、Everything Is Honeyどれもアニメーションすごい。
 
話としては予想以上に笑えるシーンが多く、実際に笑い声が多く聞こえてよかった。
その笑いがどれも100エーカーの森のペースの笑いであり、アメリカコミックっぽい(悪く言えばドリームワークスっぽい)ディズニーの笑いではなく、何より最初の本が開いてナレーターの演出からいきなり観客を100エーカーの森のペースに引き込むことに成功していると思う。
穴のシーンも笑い所が多く、ラビットとピグレットの掛け合いの後に、オウルの素晴らしい演説。前者はピグレットとプー以外気付いて文句言ってるのに、後者では森の誰も気付かず観客だけが笑うという構図。
 
そういえば予告編とかでよくみた、みんなが橋を渡ってるシーンはなかったですね。
それからティガーがラビットのことをとっつぁんと呼ばなくて残念。
日本語吹替えは問題なく、Backsonのスグモドルという訳も石井桃子訳でよかった。
英字の和訳は、手紙と黒板程度で、必要最低限に抑えられていて良かった。手紙もC.R.を残していたのは良い。
歌も難しいかと思ったが期待以上に上手く訳せていた。一つ言うならば、今の吹替え陣は歌が歌えない人が多い。やはり一人の声優で歌まで歌ってほしい。
 
メッセージとしては、何もなしかと思いきや最後の最後にちょこっとだけ。プレイハウスディズニーの一話程度のメッセージですね。
そして、エンドクレジット。
So Longは非常に雰囲気があっていた。
なによりぬいぐるみで映画を再現したのが最高。
ティガームービーでシェパードタッチの絵で映画を再現しましたが、今回はぬいぐるみで。
この発想は無かった。感動です。
一つ言うなら、今回ミルンとシェパードが出るの遅かった。そのシーンのぬいぐるみはプーピグレットイーヨーで良かったけど。
その後のクレジットはピクサー風にキャラクターたちが動き回る。これも作品をいろいろとおさらいできるし、ところどころでピグレットムービーとかを思い出させたりしてよかった。
最後のNo stuffed animals were harmed in the making of this film.は良かったけどありゃ気付かないよ。
こんな感じ。
 
文句
ストーリー展開が速い。せっかく100エーカーの森のテンポに引き込んだのだからもっとゆっくりやってよかったと思うし、今回はキャラの家がほぼ出なかったのでもうちょっと色々な場所をめぐっても良かったと思う。
そして、キーアイテムとなった風船さん、結局なんだったのかよく分からない。
いきなり出てきて、ちょくちょく出てきて、よく分からないまま消えていった。
で、一番文句を言いたいところは、最後の最後。
あんなに素晴らしいクレジットの後でどうして余計なことをした。
完全な無駄。蛇足。余計。邪魔。
 
というわけで、本当にいい作品でした。
ディズニークラシックス51作目にふさわしいし、胸をはれます。
この時代に2Dで、特にメッセージ性もない、ただ単に楽しくて幸せな気持ちになる作品になったと思います。
プーヲタとしては、最後の巨大ハチミツの壺とプーでやられました。
今までプーアンチだったひとまで引き込むような斬新さは無いですが、その代わり、昔プーファンで今離れている人たちを呼び戻すだけの力は十分にあると思います。
伝統にのっとったこれぞディズニー、これぞくまのプーさんといった作品。
ネッシーと合わせて、ディズニーファンなら見なくちゃと堂々と言えます。
制作陣に感謝、クレジットを見ながらそう思いました。

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