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「 日別アーカイブ:2017年07月26日 」 一覧

 - 駄話  - by poohya

ドローンはショーの未来を変えるか


ハウステンボスで7/22〜8/5の期間限定で行われているインテル ドローンショー。
日本初、ドローン300機が夜空を舞う8分ほどのショーです。

写真とかはここで:インテルドローンライトショー、ハウステンボスに日本初上陸!|コンフェティ

単にLEDを積んだドローンが空を舞うだけでなく、LEDは様々な色になり、ドローンは300機がしっかり隊列を組んで動きます。
羽ばたく鳥や回転する地球など様々な形を組み、奥行きのある動きをします。
ドローン300機、つまり「300ドットの立体映像」が見られます。
真っ暗な夜空にパッと現れる光のオブジェは非常に美しい。
やはり映像ではない物体が作る本物の立体感は表現力が強いです。
ドローンが集まっていき「HTB25」(ハウステンボス25周年)の文字を描く時など、わくわくしながら見ていました。

最も興奮した「海賊船」

最も興奮したのは、海賊船を描いたシーン。
300機のドローンが海賊船になり、その海賊船が旋回しながら進んでいきます。
夜空に浮かぶ海賊船、もう完全にピーター・パンです。
数秒間の動きだけでも、背後にストーリーを感じました。
新技術の見世物、単に色々な形を作るではなく、これは確かにショーでした。
そしてこの技術は未来を変えると思いました。
こんな未来を感じる興奮は初めてでした。

ドローンは未来のショーを創るか

巷ではVRが流行中で、ハウステンボスもVR押しまくっています。
しかし個人的にVRから未来は感じません。
VRはVRで完結してしまうからです。
プロジェクションマッピングも少し前は新ショー形態として脚光を浴びましたが、今やアナハイムのファンタズミック!2.0のようにショーの一部として取り込まれていす。
今後もプロジェクションマッピングはショーの効果の一つとして使われ続けていくでしょう。
VRはこれができません。ARならまだできるけれど。
それに対して、ドローンは既存のショーと組み合わせられる力を持っています。
ショー中に夜空に海賊船がやってきたら、花火の途中でティンカー・ベルが空を舞うような興奮が生まれるでしょう。
Illuminationsの地球バージもドローンで再現できるでしょうし、プロメテオは空を飛べるでしょう。
ドローンショー単体ではない、ショー全体がより夢と驚きのあるものになっていく力を秘めていると思いました。

予算さえあればどこまでも拡張できる

今回のショーが8分程度だったのはLEDのバッテリー限界だそうで、ドローンの小型化と耐重量の増加、バッテリーの軽量化が進めば、ドローンショー自体を長くすることも可能。
またドローンが300機だったのも予算上の理由だったそうです。
今回の2週間は本当にテストで、ゲストの反応と客入りを見て今後の展開を判断するとのこと。
お金さえあれば1000機でのショーも可能ですし、途中でドローンを入れ替えれば時間の長いショーだって可能です。

TDRでできる?

ところでこのドローンショー、ハウステンボスだからこそできた代物でもあります。
ハウステンボスは海に面しており、花火を打ち上げられるなど、ゲストが入らない広大な土地を有しています。
落下などの危険をあまり考えずにドローンがあげられる立地です。
今回のショーは風速8m以上になると中止されるそうです。
8m、意外と強い。
TDRの花火は北風でも5m程度で強風のため中止となります。当然、ショーもパイロカットです。
ランド夏散水ショーの中止ラインは9m程度と言われており、パレードもこの程度で中止扱いになります。
つまり、同条件ならTDRでもほとんどの日でドローンショーは開催可能です。
問題は、ゲストからの距離。
ハウステンボスは海上でゲストからかなり離れた場所にドローンがいるため、風に流されて落下してもかなりの強風ではない限り海に落ちます。
おそらく、ドローン自体は8m以上でも耐えてショーができる力を持っていて、この安全面で風速規制があると思われます。
現状ドローン最大の問題は、人の上で飛ばせないことでしょう。そこの安全面がクリアできる機種が出れば、相当変わると思います。
また、そもそもある程度遠くでないと綺麗な形に見えない(1機が1個のLEDなので近いと解像度が下がる)という問題もあります。
TDRで導入するなら、OLC本社か駐車場あたりでドローンをあげてキャッスルプロジェクションの演出にする辺りがギリギリできるラインでしょう。
メディテレーニアンハーバーなら、ファンタズミック!にラプンツェル入れてランタンを再現とかでしょうか。
もはや今回のドローンショー技術ではなく、1機のドローンにランタンを積むだけですが、あまり高さを出さなければ風にも相当強くなります。
ドローンの耐重量が飛躍的に向上すれば好きな場所からパイロやウォータースクリーンが打てるようにもなるでしょう。

現状開催できる場所はかなり限られており、まだまだドローンの技術革新待ちだなとは思いますが、未来を感じさせることは確か。
だからこそハウステンボスには日本でこのショーを公演できるパークとして突き進んで行ってほしいです。

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