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 - 東京ディズニーランド  - by poohya

ネタバレ注意:ワンス・アポン・ア・タイム感想

5月29日より始まる東京ディズニーランドの新ナイトタイムエンターテインメント「ワンス・アポン・ア・タイム」を観てきました。
舞浜パーク初のプロジェクションマッピングショーとしてプロジェクションマッピングを全面に押し出していましたが、実際にはディズニーらしいショーを創るための手段としてプロジェクションマッピングを用いた、次の時代のショーに仕上がっていました。

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東京ディズニーランドの夜が変わる : シンデレラ城を舞台にした3Dプロジェクションマッピング「ワンス・アポン・ア・タイム」5月29日スタート – ねとらぼ

プレスプレビューの様子をONETOPIディズニーとしてねとらぼに寄稿しました。

以下あらすじ・ネタばれを含む感想です。

いつもパークを見守っているシンデレラ城の明かりが落ちると、魔法にかかった絵本へと変身します。絵本からはワンス・アポン・ア・タイムのテーマソングとともに、次々とディズニーの名作たちが飛び出してきます。
プロジェクションマッピング技術もさることながら、圧巻はレーザー。
お城の紋章部分からも投射されるレーザー光線はプロジェクションマッピングと見事に融合し、新たな世界を創りだしていました。
フェアリーゴッドマザーがかける魔法や、白雪姫ヨーデルでの音符、美女と野獣のバラなど、映像に加わる特別な要素としてレーザーが非常に活用されていました。
雨に栄えるのもレーザーの特徴の一つ。
レーザーのおかげで風版でもパイロ分を誤魔化せていますが、加えて雨の方がきれいという、天候に弱い舞浜パークにとって素晴らしいシステムと言えるでしょう。
雨に映るレーザーは本当に綺麗でした。

プロジェクションマッピングのためのショーが乱立している昨今、海外パークのプロジェクションマッピングこそショーの道具としてプロジェクションマッピングを使うものとして扱われていましたが、ワンス・アポン・ア・タイムを観た今や海外パークですらプロジェクションマッピングのためのショーに感じてしまいます。
もはやどのショーでもおなじみとなったI See The Lightのランタン、どのパークでもランタンが窓などに当たって動きを変える演出がありますが、ワンス・アポン・ア・タイムではそのようなことはせず、お城を純粋にスクリーンとして使用していました。
お城全体が一つの大きなスクリーンとなり物語が進んでいくため、ピーターパンがロンドンの街を飛ぶシーンではフィルハーマジックのような浮遊する迫力を感じました。

はじめは「ふしぎの国のアリス」
プロジェクションマッピングらしいシーンが最も登場するのはここ。
お城からのレーザーなど、技術的な見どころを最初に披露しています。
巨大化アリスではシンデレラ城の形も利用した絵になっていました。

続いて「塔の上のラプンツェル」
ラプンツェルが筆で描きこまれていく部分がディズニーアニメーションの世界を創り出しているようで素敵でした。
(十数秒の登場となるアナと雪の女王を除けば)このショー唯一の3DCG作品ですが、2D感の大事な絵本に似合った演出でした。

シンデレラ城の持ち主「シンデレラ」
フェアリーゴッドマザーによりシンデレラ城自体が魔法にかかったように動き出します。
プロジェクションマッピングらしいシーンではありますが、シンデレラ城をキャラクター化している面が強いと思います。
お城の時計の針が回ったり、非常に細かなプロジェクションマッピングの演出も見事でした。

時計から綺麗に続くのが「ピーター・パン」
ここは何より前述したロンドンの街の没入感がすごい。

「白雪姫」
継母の存在感が仕掛け絵本によって見事に表れていました。
七人の小人のオルガンは気持ちの良いプロジェクションマッピングですが、このあたりから次が気になってきます・・・

「くまのプーさん」
長いので後で書きます

最後はこのショーの主役「美女と野獣」
プロローグからしっかりやるとは。
ステンドグラスはとても綺麗でした。他のショーが真似しそう。
バラが描かれたステンドグラスがレーザーに変わる部分は、レーザーを魔法として扱ったシンデレラが思い出され、その意味が分かります。
そしてその魔法は鏡となり、美女と野獣を映し出します。
そんな鏡が割れ、現れたのはガストン。野獣とガストンの死闘。
ここでシンデレラ城がお城としてその形を表します。
これまでランタンもまっすぐ上がっていましたが、ここでは雨がお城に沿って落ちていきます。
お城をスクリーンに見立てるか、お城として使うか、この場合分けが見事なショーでした。

物語はいつも「むかしむかし、あるところに・・・(ワンス・アポン・ア・タイム)」から始まります。
様々なディズニーの名作を辿り、物語は私たちを魔法の世界、思い出の世界へといざないます。
出てくる映画はどれも「東京ディズニーランド」らしいものばかり。
一日東京ディズニーランドで見た夢の世界の締めくくりとして、また思い出の世界へと飛び出していこう、そんなメッセージ性のあるショーとして完成されたものでした。
噛めば噛むほど深い意味を見出せる、ディズニー映画の本質を見られるようなメッセージ性がありました。
プロジェクションマッピングが目的から完全に手段になったショー、プロジェクションマッピングを2014年まで待ってよかったと思えるショーです。

引きで観ると、お城や横の塔、サーチライトまで広く観ることが出来ます。
現時点では遠くからの方がきれいなマッピングになっているのも事実。
一方、中央鑑賞エリアでは、目の前に見上げる51mという高さのスクリーン、その横には塔と、視界すべてがプロジェクションマッピングという状態。
さらに頭上をレーザーが飛び、本のページに入ったかのような没入感が味わえました。
プロジェクションマッピングでありながらDisney Dreams!よりもWorld of Colorに近い迫力と没入感でした。

そして何よりプーの登場。
最新のプー映像ということだけで、涙なしには見られません。
はちみつを採ろうと城の上まで上がっていったプーは、はちみつの夢を見ます。
可愛い。すごくかわいい。
プーさんとはちみつのプーがそのまま2011版のEverything is Honeyに突入。
はちみつ妄想の世界が進むと、その中のハチがサイケデリックな色に。
するとズオウとヒイタチに!
城が揺れるシーンやズオウ大量増殖はプロジェクションマッピングを上手く利用した表現になっていました。
これはたまらない。すごい迫力です。
そしてそのままピンクエレファントが登場。
ズオウとヒイタチはピンクエレファントに似ている、Everything is Honeyはズオウとヒイタチに似ている、を本当に具現化してしまうものすごいシーンでした。
とにかくプーの妄想をシンデレラ城一面に投影してしまった恐ろしさ。
そして何よりアニメプー可愛すぎる。
パークでこのサイズでプーを見られるなんてなんという幸せ。

僕にとって最上級の形容詞である「ディズニーが好きでよかった」を舞浜で久しぶりに味わえました。
これにパイロが加わるとWorld of Colorを超えてしまうかもしれません。
東京ディズニーリゾートの歴史が変わった瞬間とも言えるかも、少なくとも僕の中では大きな転換点だと感じています。
このショーと共に歩む新しい東京ディズニーリゾートの物語が楽しみです。

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